
未開封の段ボール【拝啓文芸部さんのお題】
203X年10月、
仕事から帰ると、アパートの部屋の前に、待望の段ボールが届いていた。大小あわせて4箱積み上げてある。
触ると結構重い。
どうしたものかと思っていたら、1組の影が近づいてきた。
お隣の川上さん達だ。
「届いたんですね。エリちゃん、手伝ってあげて」隣にいる戸田恵梨香似の彼女に言う。
「わかりました。まず、部屋に運びましょう」にこやかに彼女は答える。
「ありがとうございます、助かります」
「終わったら帰ってきてエリちゃん。僕は先に部屋に戻るから」
「承知しました」
それから、二人で箱を部屋に入れ、(まあ実際は、エリちゃんが一人で行った。私はドアを押さえただけだった)
手際よく、開封、組立、
そして、スイッチ オン!
なんとなんと、そこには松坂桃李似の男性が立っているではないか。
「これで良し、困ったことがあったら、私に聞いて」と、私にもトウリ君にも言ってエリちゃんは帰っていった。
トウリ君、「よろしくお願いします。何でも仰って下さい」
私、「こちらこそ、よろしくお願いします」
『私照れてんじゃん』
『エリちゃん、素敵な洋服だったな。トウリ君にも用意しなきゃね、色々と』
そう、203X年10月。日本では、一人に一体、人間そっくりのアンドロイドが配布されることになったのです。
(続く)
Mr.Qさんの「拝啓文芸部」のお題「未開封の段ボール」への参加作品です。
Mr.Qさん、素敵な企画をありがとうございます。