
⭐️きゅうりさんの、【初企画】🎃 あなたのキャラは、ハロウィンの夜に何を見る?|短編ハロウィンゲート③
短編ハロウィンゲート、三話です。
こちらの企画に参加しました。
きゅうりさん、ありがとうございます。
短編ハロウィンゲート③
改札を見ると、どうしても行き先が気になった。
茶トラの猫の「私たちの世界」を、私は知らない。
「ねぇ、あの列車に乗って、どこへ行くの?」
私は茶トラの猫に聞いた。
茶トラの猫は、私の肩の上で、じっとしていた。
その沈黙が余計に私を不安にする。
私は茶トラの猫を横目で捉え、返事を待った。
「うーんとね、良いところですよ」
茶トラの猫は前足で自分の目の周りをしきりに撫でた。
私は改札の列の最後尾へ歩き出した。
茶トラの猫は、嬉しそうにニャーオと鳴く。
行き先はわからない。
でも、私は、あの青い列車に乗ってみたかった。
茶トラの猫が、
「切符はあるよね」
と耳に囁いた。
「えっ?」
私は立ち止まった。
「切符?持ってない。買わなきゃならない」
「いえいえ、あるはずですよ。ハロウィンゲートに来れたんですから」
茶トラの猫は、髭を揺らして言った。
「切符、ないよ」
私が言うと
茶トラの猫の爪が、私の服に少し食い込んだ。
「銀色の蝶の羽のような切符ですよ」
茶トラの猫はムッとした声を出した。
「あっ」
私は風に舞った、チョコの包み紙を思い出した。
あれは、確かに、銀色の蝶の羽のようだった。
「ほら、やっぱり、あるんですねぇ」
茶トラの猫が耳を横に向けた。
「あれ、どっかに飛んでしまったの」
私は首を振った。
「嘘だぁ」
茶トラの猫は叫んだ。
そして、「ポッケを探して」「バックはどこ?」「靴下の中を見て」と言って、私の両肩を渡り歩いた。
その問いの一つひとつに
「ごめんね、無いんだよ」
と私は答えた。
「そんなの嫌だ。イヤだ、、いやだよぉー」
茶トラの猫のコトバは、ニャー、ニャーと言う鳴き声になっていった。
(つづく)