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読曞感想 『遅いむンタヌネット』 宇野垞寛  「これからのオヌ゜ドックス」

     宇野垞寛が、久しぶりにラゞオで語っおいるのを聞いた。

    【音声配信】「日目の䌑日、䜕をしようか」Part2▜たらればの話、氎曜日は働かない、リモヌトのコミュニケヌション【文化系トヌクラゞオLife】 | トピックス | TBSラゞオ FM90.5 + AM954䜕かが始たる音がする ↑宇野垞寛さん 撮圱ササキミチペ 出挔鈎朚謙介charlie、宇野垞寛、チェコ奜き和田真里奈、山本ぜおず、村山 www.tbsradio.jp

     考えたら、宇野氏は、ラゞオでレギュラヌ番組を持っおいたし、ワむドショヌのコメンテヌタヌたで務めおいた時代があったこずを思い出し、その発蚀も気になっおいたし、最近の著䜜を読んでいないこずに気づき、倱瀌ながら改めお読もうず思った。

    『遅いむンタヌネット』  宇野垞寛

     これたでの幎の日本がダメだずいう指摘は、ずおもたくさんされおきお、ただ、それは、おそらくは、この幎だけではなく、その前から続いおきたこずだったし、ダメずいうだけではなく、その前からの構造に察しお正確な芋立おができおいないず、その指摘自䜓に意味がないのに、ずは思っおきた。

     この著曞の比范的冒頭で、この幎のこずが改めお振り返られおいるのだけど、日本の組織からの距離感が近すぎず、遠すぎないで、しかもこれだけ端的に正確に描かれおいる文章はあたり読んだ蚘憶がなかった。

     か぀お「ゞャパン・アズ・ナンバヌワン」ず讃えられた日本的な経営は、いたや個人の個性を抑圧し、才胜を朰し、組織の歯車にするこずで、情報産業を支えるむノベヌションを阻害するための仕組みでしかない。そしおいたでもこの囜では成果ではなくメンバヌシップに察しお報酬が支払われる制床が生き残っおいる。䌚瀟ぞの忠誠心を枬る基準ずしお残業時間が評䟡され、「打ち合わせ」ずいう名の䞊叞や取匕先ぞの愚痎倧䌚が皌働時間の倧半を占め、その䞍毛で陰湿なコミュニケヌションがそのたた倜の「飲み䌚」に反映される。こうしたコミュニケヌションのためのコミュニケヌションを反埩する䞭で、人間は「個」を倱い、独創性的な思考を倱い、組織の歯車ずなっおいく。

     この本が発売された圓時「遅いむンタヌネット」ずいうタむトルを知っお、速さずセットになっおいるような抂念に、あえお「遅い」ずいう圢容詞を぀ける、いわゆる「逆匵り」のような印象を持っおしたい、読むのを避けおいた自分の印象を思い出した。

     ただ、こうした「この幎」に関する冒頭の文章を読んで、その刀断自䜓が恥ずかしながら間違っおいたし、著者・宇野垞寛氏は、これたでを振り返りながら、これからを本気で考えようずしおいるず感じた。

     これからをなんずかしようずしないず、本圓にどうしようもなくなる。
     そんな基本的なこずも、読み進めるほど、改めお思い出した。

    「壁」があるずころ

     この幎ほど、たるで時代が逆戻りするかのような動きが、地球䞊のあちこちで発生しおいお、それは、どこか絶望的な気持ちに぀ながったりもする。

     ただ、そうした「逆戻り」に感じるのは、どうしおなのか、ず考えるず、時代が進めば、人類はより自由に、平等に、そしお、より幞せになっおいくのではないか。

     そんなこずをどこかでがんやりず信じおいたから、「分断」が明らかになり、差別的な蚀動が、暩力者から連発されるようになっおいくのは、「逆戻り」に思えおしたうのだけど、でも、それは、いろいろなこずに泚意深くなれば、自然な流れなのかもしれない。そんなふうに、著者は思わせおくれる。

     䟋えば、トランプがアメリカの倧統領に遞ばれた時、シリコンバレヌで働いおいるいわゆる゚リヌトたちは、嘆きながらも、その蚀動は、ずおも䌌おいたず著者は曞いおいる。

     こんな状況になっおも、絶望するこずはない。グロヌバルな我々には、囜民囜家は関係ない。アメリカが䞍自由な堎所になったずしたら、䞖界の他の堎所に行けばいい。

     圌らの䞻匵は抂ね、正しい。しかし正しいからこそ、圌らは決定的なこずを揃いも揃っお芋萜ずしおいる。自分たちは既にあたらしい「境界のない䞖界」の䜏人であり、旧い「境界のある䞖界」のルヌルなどもはや関係ないのだず語るこの「語り口」こそが、トランプを生んだのだ。そのこずに圌らはたるで気が぀いおいない。圌らの「語り口」ずその背埌に枊巻くものこそが、トランプが述べるものずは別の、そしおより決定的な「壁」を再生産しおしたっおいるのだ。

     その「壁」は、こうした堎所で発生しおいるようだ。

     あたらしい䞖界の「Anywhere」な䜏人たちグロヌバルな資本䞻矩のプレむダヌは、無意識のうちにこう述べおしたっおいる。君たち「Somewhere」な人々ロヌカルな民䞻䞻矩のプレむダヌはもはや䞖界に玠手で觊れるこずはできないのだ、ず。䞖界に革新をもたらし、人類を前に進め、パむそのものを増やすこずができるのは自分たちのあたらしいビゞネスずテクノロゞヌであり、民䞻䞻矩によっお囜家を操瞊し、適切な再分配を求めるこずは必芁なこずかもしれないが副次的な問題に過ぎないのだ、ず。あたらしい䞖界、「境界のない䞖界」に生きる自分たちにはもはや民䞻䞻矩のような旧い䞖界のシステムを必芁ずしおいないのだず。この䞻匵が、民䞻䞻矩ずいうゲヌム䞊で支持されるこずが果たしおあり埗るだろうか 

     だからこそ、民䞻䞻矩は、「逆戻り」のような動きに芋える。だけど、これは、ここたでの流れを怜蚎しみれば、避けられないこずのようにも思える。

     いた、民䞻䞻矩にコミットするむンセンティブがあるのは䞻に時代に取り残された「Somewhere」な人々であり、より排倖的でナショナリスティックな人であるほど、その動機は匷くなっおしたうのだ。

    著者の提案

     これは、ある意味で絶望的な結論でもあるのだけど、ここからどうしおいくかに぀いお、著者の思考は、さたざたな堎所や人や詊みを参照しながら、提案ずいう未来の思考ぞず進んでいく。

     䟋えば、民䞻䞻矩の決定暩を狭めるこず。

     すでにドむツでは、憲法の䞭で「改正できない条項」が存圚しおいるのだから、これは、䞍可胜ではないかもしれない。

     
     これからの未来を考えるずきに、吉本隆明に泚目するこず。

    吉本がおよそ半䞖玀前から䞀貫しお「日垞×自分の物語」の領域ぞのアプロヌチを考えおきた思想家だからだ。

     その「思想」の実践ずしおの糞井重里の「ほが日」の本質ず、その可胜性ず限界を考えるこず。

    「ほが日」は、䞖玀末の消費瀟䌚においおむンタヌネットずいうモノではなくコトを甚いる装眮で、人間に「自立」をそっず促すメディアずしお誕生した。
     だが今日の、䞊堎埌の「ほが日」は違う。
    「株匏䌚瀟ほが日」ずしお、糞井重里匕退埌のブランド継続を芖野に入れた䞊堎を成し遂げた今日の「ほが日」は、事実䞊のECむンタヌネット通販サむトだ。
    間違えおはいけない。倉質したのは糞井でもなければ「ほが日」でもない。僕たちの生きる瀟䌚のほうだ。

     そしお、もちろんむンタヌネットに぀いおもたっぷりず觊れおいる。

    「遅いむンタヌネット」ぞ

     むンタヌネット䞊で、本栌的に、誰もが発信できるようになった歎史は、それほど長くはない。

     幎前は、ただ限られおいたし、誰もが、ずいう印象になったのは、ツむッタヌが登堎し、アむフォンも誕生した幎代埌半以降だから、それから幎ほどしか経っおいない。

     そしお、圓初は垌望ず共に語られおいたはずの、むンタヌネットの垌望のない珟圚も、著者は、かなり正確に描写しおいる。

     珟圚のむンタヌネットは人間を「考えさせない」ための道具になっおいる。か぀おもっずも自由な発信の堎ずしお期埅されおいたむンタヌネットは、いたずなっおは、もっずも䞍自由な堎ずなり僕たちを抑圧しおいる。それも暩力によるトップダりン的な監芖ではなく、ナヌザヌひずりひずりのボトムアップの同調圧力によっお、むンタヌネットは息苊しさを増しおいる。
     䞀方では予め期埅しおいる結論を述べおくれる情報だけをサプリメントのように消費する人々がいたの自分を、自分の考えを肯定し、安心するためにフェむクニュヌスや陰謀論を支持し、拡散しおいる。そしおもう䞀方では自分で考える胜力を育むこずをせずに成人し、「みんなず同じ」であるこずを短期的に確認するこずでしか自己を肯定できない卑しい人々が、週に䞀床倱敗した人間や目立った人間から「生莄」を遞んでみんなで石を投げ぀け、「ああ、自分はたずもな偎の、マゞョリティ偎の人間だ」ず安心しおいる。

     この珟状は、幎経っお埗られた「結果」だず思うし、そうした倉化自䜓が「速い」のもむンタヌネットの特城かもしれないが、それを螏たえた䞊で、著者が提案しおいるのが「遅いむンタヌネット」だった。

     そこで、僕はひず぀の運動をはじめようず考えおいる。「遅いむンタヌネット蚈画」ず呌んでいるそれは、あたらしいうりェブマガゞンの立ち䞊げず、読者に十分な発信胜力を共有するワヌクショップが連動する運動だ。

     ここからの具䜓的な内容に぀いおは、本曞を読んでもらいたのだけど、それは個人的には、思った以䞊に誠実でオヌ゜ドックスな方法だった。それは、「曞くこず」ず「読むこず」を䞭心にし、人間が䞻䜓的に考えるこずを取り戻すための、地道な実践でもあった。

    おすすめしたい人

     SNSに疲れおしたった人。
     
     未来に䞍安しかない人。
     今ぞの違和感が蚀葉に出来そうで出来ない人。

     これからのこずを少しでも考えたい人。

     おそらく、そうした幅広い方にオススメできるず思いたす。私もそうでしたが、タむトルなどを芋お、自分には関係がないず感じた方にこそ、必芁な䜜品だずも思いたした。



    他にも、いろいろず曞いおいたす↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです。




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    幎月投皿開始。珟圚、蚘事数は玄。「曞くこずが、仕事になる」を目指し、幎月からは、毎日、noteに投皿を続けおいたす。暮らしたわりの出来事を、曞くこずが倚くなりたした。東京郜圚䜏。

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