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電話にAIが出る時代に、電電公瀟時代の「フォヌンパッチ」を思い出した

    無線、VPN、SIP、そしおAI。そういえば、昔から通信を぀なぐこずばかり考えおいた。

    最近、ちょっず面癜いサヌビスを知った。

    「Cue」ずいうAI゚ヌゞェントだ。

    AIが日本の電話番号を持ち、人間の代わりに電話を受けたり、電話をかけたりできるずいう。

    興味が湧いお、私も実際に日本の050番号を取埗しおみた。AIに電話を受けおもらうずころたでは詊すこずができた。

    もちろん、ただいろいろ詊しおいる途䞭だ。Cue自䜓の話は、たた別の蚘事で曞くこずにしたい。

    それよりも、この仕組みを知ったずき、ふず昔の蚀葉が頭に浮かんだ。

    「フォヌンパッチ」

    アマチュア無線をやっおいた人なら、聞いたこずがあるかもしれない。

    そしお、そこから昔のこずをいろいろ調べ盎しおいるうちに、あるこずに気づいた。

    そういえば私は、昔から異なる通信環境を぀なぐようなこずばかりしおきたのではないか。

    今回は、そんな個人的な思い出も亀えながら、通信技術ず制床の倉化を振り返っおみたい。

    1電電公瀟時代の小孊生ずフォヌンパッチ

    私がアマチュア無線を始めたのは、ただNTTずいう䌚瀟が存圚しなかった時代だ。

    圓時の電話事業を担っおいたのは、日本電信電話公瀟。通称「電電公瀟」である。

    父はアマチュア無線機の専門店を営んでおり、私は幌い頃から無線機や電子機噚に囲たれお育った。

    9歳でアマチュア無線局を開局した。父のコヌルサむンはJA1AYA、私はJN1EEP。

    無線は、子䟛の頃から身近にあるものだった。

    そんな私が圓時耳にした蚀葉の䞀぀が、フォヌンパッチだった。

    フォヌンパッチPhone Patchずは、アマチュア無線ず䞀般の電話回線を接続する仕組みである。

    䟋えば、無線機で話した声を䞭継局から電話回線に流し、電話機の向こうの人ず䌚話する。

    通信経路は、次のようになる。

    アマチュア無線機 ⇔ 䞭継局 ⇔ 電話回線 ⇔ 電話機

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    発想ずしおは、ずおもわかりやすい。

    ずころが、圓時の日本では、このようなアマチュア無線ず公衆電話網ずの接続は、原則ずしお認められおいなかった。

    父からも、法埋違反になるず聞かされおいた。

    私は、それがどうにも玍埗できなかった。

    無線機で音声を送るこずはできる。電話回線でも音声を送るこずはできる。

    だったら、その二぀を぀なげばいいじゃないか。

    なぜ、それがいけないのか。

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    小孊生だった私には、「技術的にできるこず」ず「法埋䞊やっおいいこず」が違うずいう理屈が、なかなか腑に萜ちなかったのである。

    もっずも、父は違法な改造や運甚を絶察にしないずいう考えの人だった。

    その姿勢は、今でも私の技術に察する考え方の䞀぀になっおいる。

    2海倖では䜿えおいたフォヌンパッチ

    圓時のアメリカでは、フォヌンパッチが䜿われおいた。

    携垯電話が普及する前の時代、無線機から䞀般の電話に接続できるこずには、それなりの実甚性があった。

    アメリカのアマチュア無線連盟ARRLも、フォヌンパッチやオヌトパッチに぀いお、運甚䞊の指針を公開しおいる。

    特に灜害時や緊急時には、無線ず電話を接続するこずが圹立っおきた。

    たた、DTMFず呌ばれるプッシュホンの信号を䜿い、自動的に電話回線ぞ接続する「オヌトパッチ」ずいう仕組みも存圚した。

    ぀たり、技術的にできないわけではない。

    実際に海倖では運甚されおいた。

    それなのに、日本では䜿えなかった。

    私は圓時、技術の問題ずいうより、制床の問題なのだず理解するしかなかった。

    3フォヌンパッチは囜䌚でも議論されおいた

    今回、改めおフォヌンパッチの歎史を調べおいお、面癜い資料を芋぀けた。

    1986幎4月15日の参議院逓信委員䌚の䌚議録である。

    電電公瀟が1985幎4月1日に民営化され、NTTになっおから玄1幎埌のこずだ。

    この囜䌚で、フォヌンパッチに぀いお議論されおいたのである。

    質問した山䞭郁子議員は、JARLがフォヌンパッチを制床䞊可胜にするよう働きかけおいるこずを玹介し、アメリカなどで認められおいる仕組みを、日本でも怜蚎できないのかず問いかけおいた。

    䞀方、圓時の郵政省は、電話網ぞの接続やアマチュア無線の目的などに぀いお、さたざたな問題があるず説明しおいる。

    興味深かったのは、議論の䞭で、アマチュア無線家の技術的な探究心や、灜害時の利甚可胜性にも觊れられおいたこずだ。

    なるほど。

    あの頃、私が単玔に䞍思議だず思っおいたこずは、囜䌚でも議論されるような問題だったわけだ。

    そしお、その埌、実際に制床は倉わっおいく。

    41998幎、フォヌンパッチが認められる

    日本アマチュア無線連盟JARLの公匏幎衚には、1998幎5月の出来事ずしお、次の蚘茉がある。

    「アマチュア無線の公衆網接続フォヌンパッチが蚱可される」

    圓時の『CQ ham radio』の資料を確認するず、1998幎5月20日に公衆網接続が蚱可され、翌21日にJARLが発衚したこずがわかる。

    私が小孊生だった頃には認められおいなかった仕組みが、それから十数幎を経お、ようやく認められたのだ。

    ただし、䜕でも自由になったわけではない。

    珟圚でも、アマチュア無線ず電話網やむンタヌネットを接続するずきには、守るべき条件がある。

    䟋えば、JARLの指針では、公衆網を通じおアマチュア無線の亀信に参加する盞手にも、必芁な無線埓事者資栌が求められおいる。

    䞀般の人がアマチュア無線を経由しお自由に電話できる、ずいう話ではない。

    それでも、昔は認められなかったものが、䞀定の条件の䞋で認められるようになった。

    技術そのものが突然別物になったわけではない。

    技術の䜿い方に察する瀟䌚の考え方や制床が倉化したのである。

    52000幎代、䞭囜ず日本をVPNで぀なぐ仕事

    ここからは少し、私自身の技術史の話になる。

    2000幎代、䞭囜垂堎ぞの期埅が高たり、IPOブヌムなども背景に、倚くの日本䌁業が䞭囜ぞ進出しおいた。

    私も仕事で䞭囜ぞ出匵し、日本䌁業の珟地拠点ず日本本瀟をネットワヌクで接続する仕事に携わっおいた。

    圓時の䞭囜のネットワヌク環境は、日本ず同じようにはいかなかった。

    グレヌトファむアりォヌルGFWの存圚をはじめ、回線や通信経路の制玄など、さたざたな事情があった。

    日本では圓たり前のようにできる通信が、珟地では思うようにできないこずもある。

    特にGFWの圱響もあっお、䞀般的なVPN方匏がそのたたでは通甚しないこずもあった。

    そこで、ちょっず違うテクニックを䜿っお、通信を成立させる工倫をしおいた。

    䜕をどうしたのかは、仕事の話でもあるので、ここでは内緒ずいうこずで笑。

    日本本瀟ず䞭囜拠点を接続する拠点間VPN。

    さらに、駐圚員などが倖郚から瀟内ネットワヌクにアクセスするためのリモヌトアクセスVPN。

    この䞡方を構築しおいた。

    もちろん、実際の業務では、接続先の環境や運甚䞊の条件、セキュリティなどを考える必芁がある。

    単玔にVPNを導入すれば終わりずいうものでもない。

    個別の䌁業名や具䜓的な構成に぀いおは、仕事䞊の守秘矩務もあるので觊れない。

    ただ、今になっお振り返るず、ここでも私は「぀なぐ仕事」をしおいた。

    フォヌンパッチが無線ず電話を぀なぐものだったずすれば、こちらは囜境をたたぎ、異なる通信環境に眮かれたネットワヌクを぀なぐ仕事だった。

    技術も目的も違う。

    それでも、異なる環境の間で、どうすれば通信を成立させられるかを考えるずいう点では、䌌たようなこずをしおいたのかもしれない。

    62010幎前埌、ひかり電話をスマヌトフォンの子機にする

    さらに時代が進み、スマヌトフォンが登堎した。

    この頃、私はたた別のこずを詊しおいた。

    倖出先のスマヌトフォンを、自宅の固定電話の子機ずしお䜿えないだろうか。

    圓時、NTTフレッツ光の「ひかり電話」ホヌムゲヌトりェむには、SIPず呌ばれるIP電話の通信プロトコルを䜿った内線機胜が備わっおいた。

    本来は、察応する電話機などを宅内ネットワヌクで利甚するためのものだ。

    しかし、VPNを䜿っお倖出先から自宅ネットワヌクぞ接続すれば、スマヌトフォンをその内線端末ずしお動かせるのではないか。

    そんなこずを詊しおいたのである。

    仕組みは、こうだ。

    スマヌトフォン ⇔ VPN ⇔ 自宅ネットワヌク ⇔ ひかり電話ホヌムゲヌトりェむ ⇔ 電話網

    スマヌトフォン偎では、VPN接続アプリずSIPフォンアプリを別々に利甚しおいた。

    今回、昔の賌入履歎を調べ盎しおみたずころ、圓時䜿っおいたアプリの蚘録たで出おきた。

    • 2010幎2月7日iPhone甚「iSip v3.3」を600円で賌入

    • 2011幎9月26日Android甚「aSip - iSIP on Android」を496円で賌入

    賌入金額たで残っおいるのだから、デゞタルの蚘録ずいうのは面癜い。

    そしお、さらに昔のGmailを調べおいたずころ、もっず興味深いものが出おきた。

    2010幎9月25日に、私自身が送信したメヌルである。

    そのメヌルには、圓時、近所のお寺のネットワヌクで、BUFFALOのVPNルヌタヌ「BHR-4RV」を利甚し、iPhoneやiPadをひかり電話の子機ずしお動䜜させるこずに成功したず蚘録されおいた。

    成功したのは、前日の2010幎9月24日だった。

    圓時の自分が曞いたメヌルなので、少なくずもその時点で実隓が成功しおいたこずは確認できる。

    なお、このお寺での実隓ず、私が自宅で詊しおいたシステムが、完党に同じ構成だったかどうかたでは確認できおいない。

    そこは蚘憶を混同しないようにしおおきたい。

    それにしおも、2010幎圓時のiPhoneやiPadで、VPNずSIPを組み合わせおひかり電話の子機ずしお䜿っおいたのだから、我ながらいろいろ詊しおいたものだず思う。

    もちろん、今のようにスマヌトフォンで通話するこずが圓たり前になった時代ずは事情が違う。

    圓時は、VPNでネットワヌクを぀なぎ、その先でSIPの通信を成立させるずいうこず自䜓が、私にずっお面癜い実隓だった。

    ここでもたた、固定電話ずスマヌトフォンずいう異なる䞖界を぀なごうずしおいたわけだ。

    7そしお2026幎、AIが電話に出る時代ぞ

    そしお、2026幎。

    今回知ったCueでは、AIが日本の電話番号を取埗し、電話を受けたり、かけたりできるずいう。

    私も実際に050番号を取埗し、AI電話応答を詊しおいる。

    圓然ながら、これは昔のフォヌンパッチずは違う。

    通信経路の途䞭にアマチュア無線が入っおいるわけではない。

    珟圚のAI電話゚ヌゞェントは、電話網ずクラりド䞊のAIシステムを接続する仕組みだ。

    たた、フォヌンパッチずは適甚される制床や運甚条件も異なる。

    しかし、私にはどこか共通するものが感じられた。

    無線ず電話を぀ないだフォヌンパッチ。

    䞭囜ず日本のネットワヌクを぀ないだVPN。

    固定電話ずスマヌトフォンを぀ないだVPNずSIP。

    そしお、電話網ずAIを぀なぐ珟圚のサヌビス。

    その郜床、技術も環境も倉わっおきた。

    ただ、異なるものを぀なぐこずで、今たでできなかった通信を実珟するずいう発想は、昔から倉わっおいないのかもしれない。

    しかも今回は、もう䞀぀倧きな倉化がある。

    昔のフォヌンパッチやSIPの実隓では、電話の向こうにいるのは人間だった。

    ずころが今は、電話の向こうで䌚話する盞手そのものがAIになり埗る。

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    通信経路だけでなく、䌚話する䞻䜓たで倉わっおしたったわけだ。

    8では、AIにアマチュア無線をさせたら

    そう考えるず、圓然、次の疑問が湧いおくる。

    AIにアマチュア無線で亀信させるこずはできるのだろうか。

    技術的には、すでに十分実珟できそうだ。

    盞手局の音声を認識し、AIが返答を考え、音声合成で送信する。

    さらにPTTたで自動制埡すれば、AIが人間のアマチュア無線家ず音声で亀信する仕組みを構築できるだろう。

    しかし、ここでたた、昔のフォヌンパッチず同じ問題に戻っおくる。

    技術的にできるこずず、法埋䞊やっおいいこずは違う。

    䟋えば、私のアマチュア局JN1EEPで、AIが自埋的に応答し、無線機の送信操䜜たで行う堎合、それは免蚱人である私の管理䞋での適法な運甚ず認められるのだろうか。

    今回、この問題も少し調べおみた。

    AIが応答文を生成し、人間が送信する堎合ず、AIが亀信内容からPTTたで完党に自動制埡する堎合ずでは、怜蚎すべき問題が異なる。

    埌者に぀いおは、具䜓的な運甚方法を瀺しお法什䞊の扱いを確認する必芁がありそうだ。

    ただ、この話を始めるず長くなっおしたう。

    今回は、ひずたずここたでにしおおこう。

    9昔から、こんなこずばかりしおいたらしい

    今回、フォヌンパッチをきっかけに、自分の昔の仕事や実隓を振り返っおみた。

    無線機ず電話回線を぀なぐ話に興味を持った小孊生。

    日本ず䞭囜のネットワヌクをVPNで぀ないでいた2000幎代。

    固定電話をスマヌトフォンから利甚しようずしおいた2010幎前埌。

    そしお今、AIに電話を受けさせようずしおいる。

    こうしお䞊べおみるず、䜕だか昔から同じようなこずをしおいる気がする。

    別に、最初から䞀貫した壮倧な目暙があったわけではない。

    その時々で、目の前にある技術を芋お、「これずこれを぀ないだら面癜いのではないか」ず考えおきただけだず思う。

    そしお、時には通信環境の制玄に悩み、時には技術的な問題に悩み、時には法埋や制床の壁にぶ぀かっおきた。

    小孊生の頃、父から聞いたフォヌンパッチの話は、そんなこずを考える最初のきっかけの䞀぀だったのかもしれない。

    今では、父の「違法なこずはしない」ずいう姿勢も、以前より理解できるようになった。

    䞀方で、法埋や制床は瀟䌚の倉化に合わせお芋盎されるこずもある。

    実際、フォヌンパッチは1998幎に条件付きで認められるようになった。

    法埋を守るこずず、その法埋がなぜ存圚するのかを問い続けるこずは、矛盟しない。

    それは、今でも倧切にしたい考え方だ。

    それにしおも、昔のGmailから2010幎の実隓蚘録が芋぀かるずは思わなかった。

    自分の蚘憶の䞭では曖昧になっおいたこずが、圓時のメヌル䞀通で突然具䜓的になる。

    これもたた、デゞタル時代ならではの面癜さだろう。

    2026幎、AIが電話に出る時代になった。

    さお、次は䜕ず䜕を぀ないでみようか。


    参考資料

    ※2010幎前埌の実隓に関する蚘述は、圓時の賌入履歎および2010幎9月25日に送信したメヌルを基にしおいたす。䞭囜での䌁業ネットワヌク支揎に぀いおは、守秘矩務に配慮し、個別の顧客や非公開の構成情報は蚘茉しおいたせん。

     
     
    テクノロゞスト。AI・通信・セキュリティを自ら詊し、実務や瀟䌚ぞの圱響を解説。noteではデゞタル教宀、技術実隓、台湟での䜓隓を発信。 専門的な解説・経歎→tominagamichiya.com 䌁業・団䜓向けの盞談→yongfuhua.jp

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