
「管理職になりたくない」という言葉を見て管理職経験者が思ったこと
先日退職したわたしですが、前職、管理職までやってました。
私の場合は気楽に「じゃ、やってみるか。失敗したら辞めりゃ良いし!」という感じで、とりあえず、会社に対していろいろ思うことがあったので、「じゃ、ちょっとやっちゃおう~」くらいの軽い気持ちでの管理職の引き受けになります。
なぜこんな話をしたかと言いますと、下記の記事を見かけたからです。
結論からいうと、わたしの周り、わたしの先輩とかでも「管理職になりたい」という人は皆無でした。
大体解ります。
いつも「数字数字で、残業ばかり。プレイングマネージャーなんかやってられるか」という感じ。
わたしの場合は、ある程度忙しくてもまあいいかということがありましたが、管理職に実際就任して最初に躓いたのが、
・自分のロールが明確になっていない。
これ自分がどこからどこまでの範囲ならば、自分の裁量で出来るか、裁量権がどこまで及ぶかというのが全く(前会社の場合)、明確ではありませんでした。
おそらく、こういう会社さん多いと思います。
それでわたしは二年様子見をして、自分の課内でロールを明確化しなければ・・と思いましたが、途中で投げ出しました。
そして、皆さんの言う「残業代が出ない」件ですね。
これは、本当に思います。
わたしの場合は「来年、管理職やってみる?」と言われて「あ、やってみます!」だけでおわり、待遇とかは一切説明がありませんでした。
ので、管理職になってから、「え、やば……残業つかんの?」という現実を知ったというわけです。
労働条件が変更になる際は、口頭か書面で条件を説明する必要があると思うのですがいかがでしょうか?
わたしの場合、毎月45時間以上、多いときだと90時間とかの残業をして居ました。(36協定範囲内です。なお、管理職は残業時間が付かないので、入力しても9時5時で入ります)
その残業分が、ゼロです。月の手取りが減って、割合最初の頃は、パニックに陥りました。
暗黙の了承的に、残業代が出ないという状態になっていると思いますが、少なくとも世の中の管理職の半分くらいは、プレイングマネージャーだと思います。
つまり間接費的な管理業務ではなく、直接、営業利益を上げている行動になるわけです。しかも、自社から派遣で他社に入って作業している場合(IT系はこの働き方も多いです。自社正社員で、他社が派遣として人材を確保する)、派遣は残業時間が普通に付いています。
ところが、その分、管理職には還元されないのですよね。
裁判とかでは、管理職に残業代を出すようにということで決着がついた例もあったとは思いますが、何か、ヘンだとはずっと思っていました。
(経営陣には訴え済みです)
わたしは同僚の同じく管理職たちと会話していて、「現状維持」を心がける人と「新しいビジョンを持って動いていく」人の2パターンのタイプに分けられると思っています。
前者の管理職は辞めません。ちゃんと定年まで居ます。割合真面目に言われたことと決められたことをこなしていくでしょう。
けれど、会社に本当に必要なのは「新しいビジョンを持って動いていく」人だと思います。
こういう人たちが、自分の部下たちに、話をしてあげることで、ビジョンを共有して、どんどん会社を良くしていかなければならないのに、ビジョンを持っている人から辞めていくのです。
かつて、高度経済成長期のころは皆、モーレツはたらいて、沢山の給料を貰う、というのが社会の働き方のモデルとしてただしかった。
(それが『家族』の命題だったから、『お父さんは120%会社に為に尽くす。お母さんは120%家族の為に働く』が出来たのです)
だからこそ、お父さんたちは、出世を目指した。
ここで出世した先に待っている管理職は、一般職よりも遙かに良い給料を貰っているからです。
某しってる大企業だと課長相当職、年俸制で一千万円を超えます。ボーナスは6ヶ月とかです。
バブルの頃だと、ボーナスで車が買える金額です。
このくらいお金を貰えるならば、苦労して管理職をやる事も、選択肢としては『アリ』だと思いますが、一般職と変わらない給与(あるいは下がる)ならば、せっかく40代で課長職になっても、このまま、ここで20年居ても仕方がないな、と別の道を探す人も多いと思います。
そして、その先、部長、本部長、社長などは「座席の数が少ない」。
次その椅子に座らなければ年収は上がらない。
けれど、社内を見回したときに、「自分にその椅子が回ってくることはほぼ無い」という状態であれば、もっと早い内に転職を考えるでしょう。
しかも、プレイングマネージャーになると、自分の『仕事』+『管理業務』になります。
この、一般職時代と同じ『仕事』があると、どうしても、一日の7割くらいここに割かなければならない事態に陥ります。
すると、『管理』が出来ないのです。
そうなっていくと、その課なり部は、方針を失ったまま、ようは、船頭がいないまま、広い海を行くことになります。
これは行き当たりばったりで、会社として、成立していない。
若い人には、絶対に「自分たちはこういう方針で、こういう方向に向かっている。だから、あなたにはこういう役割を果たして欲しい」という説明が必要です。
それが出来なくなれば、若い人たちも、この先、こういう生活がただ続いて行って、その時に何があるんだ? と言うことになります。
リーマンショックの時に採用を控えた会社は、現在、中堅社員が不在となって、かなり苦しんでいるでしょう。
採用というのは、目先のことだけを考えては出来ない業務です。
少なくとも、十年後、今採用した子にどんなことをして欲しいかというのを、会社側が理解しなければなりません。
ちなみに、わたしは、採用面接も参加していましたが、その際に、
「10年後、あなたはどんな社員として活躍していると思いますか?」
と聞いて、
女性は「リーダーとなってチームの中核になって働きたい」でしたが、
男性は「自分のスキルを磨いて、一人前の技術者になっている」でした。
就活コンサルあたりにこういう回答を用意されているのかも知れませんが、完全に男女で分かれたのが面白かったです。
こういう子達が、途中で「あー、もーいーや。地味に生活するだけならここで苦労しなくてもいいや」と思わないような会社を作るには、上が変わらなければなりません。
少なくとも、上の人たちが楽しそうな会社であれば、下の子達も、ちょっと上の人たちに興味を持ってくれると思うのです。
そういう意味で「管理職になりたい」会社をつくる。
というのはここから先、会社として継続するには大切な要因なのかも知れないと思った次第です。