
マウント、女
昼間のランチでは
“太りたくない”のマウント合戦の食べ物が並ぶ
食べ物だけじゃない
行き交う会話さえも同じだ
「えー私が彼女だよ!」
「私だってデートしたもん」
「まってよ!私にも連絡来てるよ?」
ーーー何人女がいるんだよ
愛想笑いとヒールが叩く床の音
言葉の敵意の塊
ほんと、歯にリップついてるのなら気付けないんだから
視線は合わないのに
自販機前でスマホに表示されるメッセージ
“今日、家行っていい?”
“いいよ”
笑うつもりもないけれど、口元が緩む
自販機で互いに何事もない顔して
「おつかれさまです」
と微笑む
他の女たちと同類だとしても
『今日』はウチに来ることの確定
マウント取ってるのは、誰よりも
無関心を装いつつ
頭の中では帰りのこと。
今日の下着のこと。
それしか考えていない。
ここにいる、女