メインコンテンツへスキップ
見出し画像

「ひとつのお月さまと、たくさんのお月さま。(7月29日)」

    🌟月を拾った子ども
      /rika


    *
    『川に落ちてしまったお月さまを、子どもが大切に抱き上げ、寂しさを堪えながら夜空へ還してあげる…。』

    先日、そんな優しい物語に出会いました。

    ひとつしかない大切なものを、壊れないようにそっと守り、あるべき場所へ還す。

    *
    その物語を追ううちに私の心に宿ったのは、かけがえのない「ひとつ」を慈しむ気持ちでした。

    失われてはならないものだからこそ、私たちはそこにすべての意識を注ぎ、深く祈る気持ちへと向かう。

    どこか、虫の音だけが響く静寂のなかで、静かに月を愛でる日本の「お月見」の情景にも重なります。

    ここには、いかにも日本人の心の繊細さや、物事への丁寧さが息づいているかのよう。


    *
    その澄んだ余韻のなかで、私はもうひとつの古いお話を思い出していました。

    『夜空にはいくつもの月があり、それが日替わりで交代しながらお空を飾っている』
    という、ネイティブ・アメリカン(ナバホ族)の民族伝説です。

    画像
    (ネイティブ・アメリカンの"ナバホ族"の伝承では、お月さまは、その満ち欠けのお姿ごとに一つずつある。)

    *
    こちらの世界にあるのは、ひとつの月を壊さないように守る切実さではなく、どこか大らかで、包み込まれるような安心感です。

    赤茶けた乾いた大地の匂い、どこまでも広がる圧倒的な夜空、そして燃えさかる焚き火の爆ぜる音。

    大自然や野生とともに生きるアメリカの広大さ、おおらかさがそのまま映し出されているのです。

    "ひとつがすべてを背負うのではなく、それぞれが少しずつ光を分け合い、役割を繋いでいく優しさ。"



    *

    画像
    (今日(7月29日)は満月。江戸の昔には、ゆっくりと遅い時間に登ってくる満月を、夜風を感じて夏の宵の「涼」を愉しむ「月待ち」の風習があったという。)
     
    平成・令和の現代では、日没後も気温が下がりにくいので、つらいところ。ここは、蚊取り線香を大量に焚いて、足元には冷たいお水を入れたバケツ。そこに足を浸しつつ、お月さまのお出ましを待ちましょうか。全然、風情がないことはナイショ。)

     
    *
    ひとつだけのありがたさは、私たちの心を厳かに、一途にさせます。

    たくさんあることのありがたさは、私たちの心を緩やかに、豊かに開いてくれます。


    これは、どちらの文化が優れているというお話ではありません。

    ひとつを守る丁寧さも、たくさんを受け入れるおおらかさも、その光をどう受け止めるかは、すべて私たち一人ひとりの感性に託されているのですよね。


    *
    今夜見上げる月は、あなたの目にどちらの姿を映し出すでしょうか。

    優しい月明かりが届くと素敵ですね。

    今日も、良い一日になりますように。
    (🎹MIYABI)


    🌟Special thanks: 
       rika  さま


    この記事が参加している募集

     
     
    音楽と言葉で、気付きと癒しをお届けしたい。 Pianistみやび & Violinistえみりん。 プロフィールもお読みくださいね。

    あなたへのおすすめ