
「(再)金木犀の季節、時間厳守はご勘弁。(10月7日)」
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昨年の11月3日に大切に綴ったエッセイを、今の季節の風に乗せて、あらためてお届けいたします。
朝夕の風の冷たさに、少しずつ秋の深まりを覚える頃となりましたね。街を歩けば、どこからか金木犀の甘い香りがそっと漂い、季節の移り変わりを五感で教えてくれる心地がいたします。
当時読んでくださった方も、初めて目にしてくださる方も、日々の忙しさをほんの少しだけ横に置いて。どうぞ、心に心地よい秋の余白を携えながら、穏やかな時間の流れとともに、この「言の葉」をお愉しみください。

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朝、目覚めに窓を開けると、金木犀の香りが涼やかな風とともに、お部屋に流れ込んできました。
お隣さん家の金木犀が、咲き誇っています。
この季節、一気に咲く濃いオレンジ、または黄金色。香りの主は、お隣さん家の金木犀のお花たちです。
目を凝らして眺めると、小指の爪先よりも、まだ小さい可憐な姿がそこにある。
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姿は小さいのに、その香りは、ひょっとすると、大輪の薔薇よりも強い。
香りを例えば、柑橘系、オレンジや蜂蜜、アイスのバニラ、あるいは、お砂糖をちょっと焦がした時のような……。
もし、私がソムリエなら、もっと素敵な表現で、あなたにお伝えできるのに、返すがえすも残念です。
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お隣さん家の金木犀。
そして、向かう先からも香ってくるその香り。
今の季節になると、芳(かぐわ)しい香りに誘われて、お鼻をクンクンさせながら、私は、道草でお腹を満腹にしています。
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このお花は、その姿よりも香りが先に感じられるので、私は、咲く花の姿を求めて、ついつい探してしまいます。
あなたのお近くにも、金木犀の香りはありませんか。
アロマオイルやエッセンスがリラクゼーションに効くように、金木犀は自然から私たちへの素敵なくつろぎの贈り物。
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妄想癖のある私は、金木犀の香りから音楽が聴こえます。
エリック・サティの軽快なワルツ『金の粉』。
日本では、同じワルツのテンポで、ポピュラーな『ジュ・トゥ・ヴ』に皆の注目を奪われて、一段地味な存在に甘んじてはいるけれど、
なかなかどうして、あらためて奏でてみると、ろうそくの揺らめく灯りに照らされた絢爛豪華な装い。見事な色彩感に富んでいる。
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普段は、『時間厳守』の私。
でも、この時期のお約束は、ご勘弁くださいな。
金木犀の香りの源を見つけ出そうと、辺りをクンクン嗅ぎ回っている不審者がいたら、それは私です。
今日も、良い一日になりますように。
(🎹MIYABI)