
気まぐれな猫|拝啓文芸部
拝啓
あなたの気まぐれには、慣れたつもりだった。
呼んでも来ない。かと思えば、すり寄ってくる。撫でてほしいのか放っておいてほしいのか、わからない。
笑うときには無防備に笑い、転げまわるが、落ち込むとベッドの上で背中を丸める。
そんなあなたは、毛糸玉ひとつでも一日過ごせるのだろう。
まるで、猫のように。
しなやかな肢体。甘えるようなしゃべり方。
晴れた日の、あなたに、僕はとろけそうになる。
けれど雨の日には、食べることも飲むことも忘れてうずくまる。
そんなあなたに、僕は寄り添うことしかできない。
あなたが気まぐれだ。そう言うことができるなら、どんなに楽だろう。
僕は、あなたに頬を寄せてみる。
あなたは少しだけ微笑んで、僕の頬に手を当てる。
その温かさと冷たさに、僕は、なすすべもない。
少しだけ落ち着いたころ、僕はあなたに膝枕をせがんでみる。
「本当に、あなたは、気まぐれね」
そう言って、あなたは僕の頭をなでる。
そんなとき、僕は、精いっぱい喉を鳴らして応える。
Mr.Qさんの企画に参加します。