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待ち合わせ|シロクマ文芸部

    待ち合わせの、駅前。
    時計を見る。
    約束の時間まで30分ある。

    少し早すぎたか。
    でも、遅刻するよりずっと良い。

    人が行きかう。
    私はぼんやり立っている。

    あと20分。
    喫茶店にでも入っていれば良かった。
    会ったら何を話そうか。

    まだ15分ある。
    ひょっとしたら、もう来るかもしれない。

    もうちょっと。12分。
    時間が過ぎるのが遅い。

    もしかして時間を間違えてないか?
    場所はあっているか?

    10分前。

    時計とにらめっこしていても仕方ない。
    スマホでメールとニュースのチェック。

    大した内容は届いていない。

    あと5分。
    ・・・3分、
    1分・・・。

    時間きっちりに来たりもしないだろう。

    まだ、来ない。
    携帯を見る。
    メッセージは、ない。

    5分過ぎた。

    電話を、かけてみようか。
    いや、まだ5分過ぎただけだ。

    もう一度、周りを見渡す。
    人々の足取りは変わらない。

    10分過ぎた。
    あと5分待って来なかったら、電話してみよう。

    15分。
    呼び出し音を鳴らす。
    でも、出ない。

    20分。
    立ったまま、待つ。
    冬の風が、冷たい。

    駅前の待ち合わせ、というのがバカだった。
    どこかの室内にすれば良かった。

    携帯が、鳴った。
    メッセージ。
    「ごめん、行けなくなった」

    私は、携帯をしまって歩き出した。

    早く来過ぎた30分。
    ただ待っていた30分。

    私は何をしているんだろう。
    誰が悪いのでもないのだけれど。



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    小牧幸助さんのシロクマ文芸部にいつもお世話になっています。
    今回のお題は「待ち合わせ」で始まる文章。


    #シロクマ文芸部 #短編小説 #創作 #待ち合わせ
    #駅前 #時間 #心理描写 #独白 #虚無感 #冬
    #日常 #切ない #余韻
    #共創 #スキしてみて

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