
ドット絵初心者講座
初心者の方を対象にドット絵の初歩的な描き方を説明します。
序盤にドット絵・ピクセルアートとは何か?について解説しているので「ドット絵の描きかた」まで飛ばしてもらっても構わない。
ードット絵・ピクセルアートとはー
対象を抽象的に捉え、画面の最小単位である1ドット・1ピクセルごとに描画し色数や画素数を制限して絵を描いていく表現技法。



ードット・ピクセルの歴史ー
・ピクセルの始まりは1950年代にラッセル・キルシュ氏とそのグループがSEACスキャナーを用いた縦横179ピクセル・1ビット(白黒)で表した氏の息子の画像だった、初期のデジタル表現は制限が多く、必要最低限の
情報しか載せられなかった。
・1970~80年台はデジタルゲームが流行したが3D表現はなくピクセル表現が主流であった。1978年にタイトーから「スペースインベーダー」、1980年にはナムコから「パックマン」などが発売され、1983年には任天堂からファミリーコンピュータ(8ビット52色)などが登場。その後も多くの家庭用ゲーム機が発売されプレイヤーにとってさらにドット表現が身近になり、限られた色数の中で工夫しながら描画されたドット表現は多くのプレイヤーの中で鮮明に記憶に残り一時代を築く表現になった。
その後3D技術などが発達しドット表現は過去のものとなり一時期姿を消した。
・近年、ゲーム開発が個人で簡単に行えるようになり、比較的安価であり修正もしやすいドット表現が選択され始めた。その中でも優れた一部のゲームスタイルなどが評価されドット表現の認知度も再び広まっていった。近年のレトロ回帰趣向によりドット表現はアートスタイルの一つとして選択され始め、「古いもの」という認識は薄れている。
ードット・ピクセルとはー
画像を描画するための色情報をもつ最小単位(1ピクセル・1ドット)のこと、画素数。デジタル画面は小さな色のついた四角で構成されており、その四角の組み合わせによって文字データや画像データとして表示されている。

ー色深度(bits per pixel・色情報)とはー
1ピクセルには含まれるビット数(0と1の情報)があり、画面はR(赤)G(緑)B(青)を使い加法混色(光ってる色を混ぜる表現方法)を使っていて、例えば「8ビット」では、それぞれの色(RGB)に2つの情報の8乗の色諧調があるという事である。
8ビット=256諧調×3乗(RGB)=1677万色の表現
10ビット=1024諧調×3乗=10億730万色の表現
12ビット=4096諧調×3乗=680億色の表現
つまりビット数が高ければ1ピクセル上で様々な色を表現できるということである。初期のゲーム機やPCはビット数が少なかったため表現できる色が限られていた。更に深い色(高いビット数・様々な色)を表す「トゥルーカラー」「ディープカラー」と言われる表現技術もあるので調べていただきい。
ー解像度とはー
・dpi(dots per inch=印刷物に使われる単位)
・ppi(pixels per inch=ディスプレイに使われる単位)
dpi・ppi=対象のピクセル数の密度のこと、1インチ2.54㎝の中にいくつピクセルが入るかを表す。密度が高ければ対象の中に含まれるピクセル数が多いということになり、より高精細な画像、もしくは印刷物になる。
ードット絵の描きかたー
近年の描画方法は技法の多様化やデバイスの進化により様々な表現方法が生まれ、ドットの描きかたは一つに絞られず多種多様にある。ここではまず簡単なものから始められるような描きかたを記載する。
なお筆者は体系的なドット絵・ピクセルアートは学んでおらず、自己流のものとなるので、確実に学びたい場合は必ず他サイトのドット絵講座と照らし合わせて確認をするようにお願いしたい。
・まずはキャンバスサイズを決める
ドット絵の定義として議論されているものではあるが、結論としてはドット絵としての明確なキャンバスサイズに決まりはない。だが、あまりに画素数が多いとドット絵としては認識されず本来の意味を失ってしまう。個人感覚としては420×420程度がピクセルアートとして認識できる限界に思う。

ドット絵として見せると「これはドット絵なのか?」といった反応を多く貰う絵である
下図は16×16サイズの絵を10倍に拡大したもの、今回はまずこれを描けるように説明する。どんな事でもはじめは簡単なものから。


・使用ソフト例
dotpict(無料)(スマホ用)
8bit Painter(無料)(スマホ用)
aseprite(有料)
EDGE3(有料)
などが挙げられる。筆者はクリップスタジオで制作しているので他の使用
ソフトについてはご自身で調べていただきたい。
16×16
16×16のキャンバスを用意(キャンバスサイズは必ず8の倍数にする)

任意の赤色で半分塗る。初めに線で囲ってから塗りつぶすようにしてもよいし、1ドットづつ色を置いていってもよい。


反対側も同じことをする。

半分書いたレイヤーをコピーして反転してもよい。そういった機能が無い場合は地道な作業にはなるが、反対側となるべくズレが無いようドットを打ってゆく。


今回は少し立体的な表現にしていきたいので、彩度を落とした赤色を使いリンゴの窪みを描く。

少し濃い茶色を使いヘタと葉っぱを描いてリンゴ感を出す。

これで完成でもいいですが、今回はもっと質感のあるリンゴを描いて欲しいので「ハイライト」(光が当たってるところ)や「影」も追加していく。
寒色寄り(紫っぽい赤)を置く。

影の境界線に影の色より少し暗い色を打つ、説明は省きますが球体の影は境界線が少し暗くなる。

ピンクっぽい弱い光を入れる

次に垂直に光を受けている一番強いハイライトを入れる

完成
背景はあっても無くてもよい、好みである。



32×32
今度は少し大きめのサイズで描いてみる、やることは変わらない。

半分描く

ここで重要になるのがピクセル数が多くなり際立ってくる「曲線」である。ドット数が多くなり曲線が滑らかに表現できる様になると、適当に線を引いてしまうと線がガタガタになり綺麗な曲線にならない。不必要なドットを削除または追加し、キャンバスから距離を取って観察し正しい曲線を描くことが重要になる。




このカーブの方法も人によって拘りが出る部分であるらしく、どの場所にドットを打ちどのような曲線を描くかは自分で探っていく楽しさがある。
もう半分を描きヘタを描く




128×128



128×128の絵で少し違和感があることに気づくだろうか。画素数が上がり抽象化されていた2階調しかない影やハイライト部分がピクセルの細かさと馴染まずとてもチープな印象を受ける。違和感を消すためにもう少し細かい描写をする必要がある。ここで使うのがディザリングという技法である。
ーディザリングとはー
ピクセル同士を間隔を開けて配置することにより中間色を表現する技術の事

前述したとおり先の時代では画面上に表現できる色数は限られていた、そこで発明されたのがドットを敷き詰めずに間隔をあける事で中間色に見える目の錯覚を利用した方法である。


ドット絵は中間色を表現する際、一般的な技法のような「ぼかし」や「グラデーションツール」といったものは使わない。少ないピクセル数で表現している中に急にキメの細かい描画がされると違和感が生まれてしまう。



このディザリングも人によって拘りが出る部分ではあるが、ここでは簡単に説明する。
ー保存方法ー
結論から言うと、ドット絵は必ず「png形式」で保存していただきたい。
・png(可逆圧縮)
画像を圧縮したり戻すときに元の形に戻すことのできる圧縮・保存方法。
ピクセルごとの色情報を完全に保持するため、輪郭のくっきりしたイラストやテキスト・ピクセルアートに最適。
・jpeg(非可逆圧縮)
元画像をより小さく圧縮するため人の目に分からない程度の小さな色情報を削る保存方法。フルカラーに対応しているので写真の保存に最適。 保存を繰り返すと画像が劣化していく。
ーもっと色々描いてみようー
絵に決まりはありません。少ないピクセル数でアイコンなどを描きたい、自分はもう少しキャンバスサイズを大きくして描いてみたい、ドット絵アニメーションをやりたい、アイロンビーズで表現したいなど、ここで記した描きかたを取っ掛かりしていただきもっと沢山自由に描いていただきたい。可能性は無限大である。



ーおわりにー
読んで下さりありがとうございます。
我流ではありますが自分が見て聞いて学んできたことを書きました。拙い文章かと思いますが、分かりにくいところなどございましたら気軽にご質問してください。この記事を通してドット絵を描くきっかけ、ひいては絵というものに触れる始まりになってくだされば幸いです。