
LightScribeを知っていますか?〜戸棚に転がる、あの頃のロマン〜
引き出しの奥を整理していたら、見覚えのある銀色のドライブが転がっていた。LightScribe対応のDVDドライブである。もう15年以上前に買ったものだが、なぜか捨てられずにずっとそこにいる。
レーザーでレーベルを"焼く"という発想

LightScribeは、ヒューレット・パッカードが開発した技術で、専用のディスクをドライブにセットし、裏返してもう一度焼き込むと、レーベル面に文字や画像が浮かび上がる。プリンタもシールも要らない。ディスクを裏返すだけで、データ面を焼いたのと同じレーザーが今度はラベルを描く。「なんてスマートな発想なんだ」と、当時は本気で感動したのを覚えている。
焼き上がりは単色で、正直そこまで美しいわけではなかった。それでも、自分で焼いたCD-RやDVD-Rの表面に、自分でデザインしたタイトルが浮かび上がってくる過程は、何度見ても飽きなかった。
CD-Rから始まった沼
思えば、ドライブ集めはCD-Rから始まった。書き込み速度が上がるたびに新しいドライブを買い、CD-RWでリライタブルの便利さに驚き、DVD-RAMのカートリッジ式に「未来を感じ」、最終的にBDドライブまで手を出した。今思えば完全な沼だったが、当時は「記録メディアの進化を体感している」という謎の使命感すらあった。
LightScribeは、そんなドライブ沼の中でも一番"実用性より遊び心"が勝っていた製品だったと思う。専用メディアは通常のディスクより高く、焼くのに時間もかかり、正直手間の割に見返りは少なかった。それでも、当時の自分はそれを面白がっていた。
今、引き出しの奥で眠るドライブを見て思うこと
USBメモリすら過去のものになりつつある今、LightScribeという言葉を知っている人自体、もうかなり少数派だろう。それでも、あの「レーザーでレーベルを焼く」という発想の面白さは、今のクラウド全盛時代には逆に新鮮に映るかもしれない。

このドライブを今さら現役復帰させる予定はない。ただ、引き出しを開けるたびに「ああ、こんな沼にも浸かっていたな」と、少し懐かしい気持ちになる。もし同じようにLightScribe対応ドライブを持っている人がいたら、ぜひ一緒に懐かしんでほしい。たぶん、おじさんにしか刺さらない話だとは思うけれど。