
競馬のオカルト、データで答え合わせ
「最終レースは荒れる」は、半分だけ本当。いちばん荒れるのは、最終の12Rではなくメインの11R。
1番人気の勝率は、1Rが37.2%、11Rは28.3%まで下がる。
競馬場でよく聞く話を6つ、2016〜2025年のJRAの平地の全レース、3万3,290レースで確かめた。
「最終で取り返す」「1番人気がこれだけ負けたら、次は来る」「雨なら芦毛」「大外は買えない」。
どれも競馬場の定番の言葉。でも根拠を聞かれると、答えに詰まる。
先に、6つの結果を並べておく。

1. 最終レースは荒れる → 荒れるのはメイン

朝の1Rは、1番人気が37.2%勝つ。そこから少しずつ下がって、11Rの28.3%が最も低い。
6番人気以下が勝った割合も、11Rの22.0%が最多。
最終の12Rは31.7%で、朝の1Rよりは荒れる。「最終は荒れる」も、まるきり外れではない。
なぜメインなのか。カギは1番人気のオッズ。
1番人気が3倍以上になったのは、1Rでは5レースに1つ(22.4%)。11Rでは2レースに1つ(49.7%)。メインは、はじめから人気が割れている。
3倍以上の1番人気は、勝率22.3%。3倍未満なら38.4%勝つ。
同じオッズの1番人気どうしで比べると、11Rとほかのレースの差は小さくなる。
メインで荒れそうかどうかは、1番人気のオッズで見当がつく。3倍以上なら、荒れる側のレース。
2. 1番人気が続けて負けたら、次は勝つ → 変わらない
その日の1番人気が負け続けると、「そろそろ来る」と思いたくなる。

同じ日・同じ競馬場で、1番人気が4回以上続けて負けた次のレース。1番人気の勝率は30.9%。ふだんの33.1%から上がらない。
直前の1番人気が勝っても負けても、次の1番人気は3回に1回ほど勝つ。
連敗のあとも、1番人気はいつもどおり「3回に1回勝つ馬」として見ればいい。
3. 前のレースと同じ馬番が来る → 偶然と同じ
前のレースの勝ち馬と同じ馬番が、次のレースでも勝ったのは、27,619回のうち2,072回(7.5%)。
頭数から考えると、偶然でそろうのは7.3%。ほぼ同じ。
前のレースの馬番は忘れて、出馬表の馬そのものを見ればいい。
4. 芦毛は道悪に強い → ふつう
雨の日になると、芦毛の名前が挙がる。

芝の重・不良で、芦毛は939回走って65勝。勝率6.9%で、ほかの毛色は7.4%。
良馬場の芝でも、ダートでも、芦毛とほかの毛色の差は0.2%以内に収まる。
道悪で見たいのは、毛色より、その馬が道悪で走った成績のほう。
5. 大外枠は不利 → 大差なし

18頭立てのレースだけで比べた。2,220レース、すべて芝。
大外の18番は、3着以内が15.9%。1番は16.8%で、その差は1%もない。
いちばん高い4番が18.6%、いちばん低い17番が14.4%。どの馬番も、18頭全体の16.7%のまわりに並ぶ。
これは意外。
大外が苦しく見えるのは、18番がいるのが多頭数のレースだけだから。頭数が多ければ、どの馬番でも3着以内は遠くなる。
18頭立ての大外でも、馬番で消さずに馬を見ていい。
6. 白毛は走る → 走る
最後は、本当だった話。

白毛は10年で26頭が295回走り、42勝。勝率14.2%は、全体の7.2%の倍近い。
勝ちの多い馬は、ハヤヤッコとソダシの7勝ずつ。ソダシはJRAのG1を3つ勝っている(阪神JF、桜花賞、ヴィクトリアマイル)。
この2頭を除いても、勝率は11.9%ある。
出馬表に白毛がいたら、その1頭は気にかけていい。
むすび
荒れるのは、最終レースよりメインの11R。1番人気の勝率は1Rの37.2%から、11Rは28.3%まで下がる。メインは1番人気のオッズが割れやすい
1番人気の連敗、出目、芦毛の道悪、大外枠は、どれもふだんと同じ。出馬表の中身で見てよい
白毛は本当に走る。勝率14.2%は、全体の倍近い
6つのうち、本当だったのは2つ。
11月は、エリザベス女王杯、マイルCS、ジャパンCと、メインに大きなレースが続く。メインの1番人気は、まずオッズが3倍以上かどうかを見る。
12月号も、その月のレースを読むのに役立つ数字をまとめる予定。
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