
顔出し声出し【無し】で喋る長尺動画を作る方法を完全解説
「顔出しも、声出しも、したくない。でも、YouTubeはやりたい」
そういう人に向けて、YouTubeの動画を1本作りました。カフェ、公園、夜道、部屋。場所を移りながら、1人の女の子が話し続ける9分24秒です。
撮影は、1回もしていません。顔も声も動きも、AIで作りました。
先に言っておくと、僕はAIに詳しいわけじゃないです。50歳の非エンジニアです。分からない所は、Claude Code に「次、何したらいい?」と聞きながら、ここまで来ました。
この記事では、その作り方を手順の順番どおりに書きます。それぞれの手順で、何を渡して、どう頼んで、どこでつまずいたか。読み終わったら、同じ物を自分で作り始められるように書いたつもりです。
全体の形:役を5つに分ける
最初に一番大事なことを書いておくと、AIを1つだけ使って作っているわけじゃないんです。役を5つに分けて、それぞれに得意なAIを当てています。

絵:Nano Banana Pro(顔の写真も、カフェや公園の場面も)
声:ElevenLabs(台本を声にする)
しゃべる映像:HeyGen(写真1枚と声を渡すと、その写真がしゃべる)
動き:Seedance(立つ・歩く。話さない)
まとめ役:Claude Code(構成・台本・つなぎ・テロップ・目次。ほかのAIを動かす係も)
ずっと座って語るだけの動画なら、絵・声・しゃべる映像の3つで作れます。動きを入れたい人だけ、Seedance を足せばいいです。
手順1 顔の「最初の1枚」を作る
まず、キャラクターの顔の写真を1枚、Nano Banana Pro で作ります。これが全部の土台になります。
僕が Mio を作るときに決めたのは、こんなことでした。
29歳くらい。街に普通にいそう。美人すぎない
肌に毛穴や細かい質感がある。美肌の加工をしない
前髪あり。ほぼすっぴん
一人暮らしの夜の部屋で、マイクの前に座っている
「AIっぽい美人」にしないのがコツです。きれいすぎると、しゃべらせたときに作り物っぽさが目立つので。
できた1枚は、保存して名前を付けておきます。 ここからが一番大事な所です。

場面を変えるときは、毎回この最初の1枚を渡して、服と場所だけを変えてもらいます。
実はこれ、最初はやっていませんでした。前の場面の絵を手本にして、次の場面を作らせていたんですよ。そしたら場面を重ねるたびに、少しずつ別人になっていった。ずれが積み重なるんだと思います。
場面を作るときの頼み方は、こんな形です(英語のほうが効きました)。
Edit the attached photo. Keep her face pixel-faithful and unchanged: the exact same woman, same identity, same face shape, same eyes, eyebrows, nose, lips, skin texture and expression, same head size and position in the frame. Do not beautify, slim or age her face.
CHANGE ONLY the place, the light and her clothes: she now sits at a small wooden table by the window of a quiet Japanese cafe in the daytime...
Photorealistic, real-camera look, no beauty filter, no text, no logos, only one person.
1行目が「顔は変えないで」、2行目が「変えるのは場所と光と服だけ」、3行目が「写真っぽく」。2行目だけを場面ごとに書き換えます。
各場面2枚ずつ作って、顔が一番近いほうを選びました。
手順2 台本を書く
台本は Claude Code に書いてもらっています。ただ、普通に頼むと、きれいで、ちゃんとした文になる。それをそのまま読ませると、アナウンサーっぽくなるんです。
なので、台本の段階で「しゃべる人の個性」を決めておきます。
Mio は「仕事終わりで、ちょっと疲れてて、だるそうにしゃべる」子にしました。台本で気をつけたのはこのあたりです。
「〜っす」「〜んすよ」みたいに、きれいな言葉を使いすぎない
「……」の間、咳払い、言い直しを、台本に書いておく
英語の道具の名前は、読み間違えないようにカタカナの読みを添える
Claude Code への頼み方は、たとえばこうです。
仕事終わりで少し疲れている20代の女の子が、だるそうに話す台本にして。アナウンサーっぽくしない。「……」の間と、言い直しを少し入れて。1章ずつ、話す長さの目安も出して。
動きを入れる所は、台本に印を付けておきます。Mio は「……例えばこんな感じっす」と座ったまま言ってから動きます。動きの映像は口を合わせられないので、セリフは動く前に言い終えておくんです。
手順3 声を作る
声は ElevenLabs です。台本を渡すと、声にしてくれます。
ここで一番気をつけたいのは、長い台本を一気に声にしないことです。

一気に作ると、最初のほうだけ指示どおりのしゃべり方になって、後半ほど速くなったり、指示が効かなくなったりします。前の動画では、6分の台本を1回で頼んだら、2分40秒あたりから言葉が入れ替わって、4分16秒からは同じ文が7秒おきにループしていました。
なので、約80字(15秒くらい)ずつに刻んで作ります。 かけらの間には1.3秒の間を入れて、つなげます。
僕の設定はこうです(落ち着き寄り)。
モデル:v4
Stability(安定):0.95
Similarity(元の声に似せる):0.75
Speed(速さ):0.85
この設定は、13通り作って聞き比べて選びました。最初から正解を当てにいくより、何通りか作って耳で選ぶほうが早いです。
できた声は、別のAIに聞き取らせて、台本と1行ずつ比べてもらっています。合わない所だけ作り直す。これも Claude Code に任せています。
手順4 しゃべる映像を作る
しゃべる映像は HeyGen です。手順1の写真と、手順3の声を渡すと、その写真がしゃべる映像になります。
ずっと語っているだけの長い動画なら、正直これだけで作れます。9分の本編も、写真1枚と声1本で作りました。
細かいコツが2つあります。
声の頭に0.45秒くらい無音を足す。無いと、1コマ目から口が開いた顔で始まります
声の終わりにも無音を足す。しゃべり終わって口を閉じた「間」が、自然に入ります
逆に、直らなかったこともあります。夜道の場面では、話し始めの瞬間に必ず目を閉じて笑う顔になりました。3回作り直して3回とも同じ。最後は、その7コマだけを前後のコマからAIに描き直させました。
ちなみに冒頭の40秒の見本は、7回作り直してやっとOKにしました。しゃべる映像だけで22本、約10ドル。作り直しは普通に起きる、と思っておいた方がいいです。
手順5 動きを作る
ずっと座ってしゃべっているだけだと、どうしても作り物っぽい。なので、あいだに少しだけ動きを入れました。

ここは、僕がかなり迷った所です。
動きのAIだけで話させるのは無理でした。動きの映像に、しゃべる映像の口だけを合わせるやり方も、合わなかった。口が見えない歩きの場面で話させるのも、なしにしました。
結局こう分けました。話す所は HeyGen、動く所は Seedance。歩いているあいだは話さない。
動きの作り方は、こうです。

最初の絵と最後の絵を用意する。 しゃべる映像の「切る所」の1コマと、「戻る所」の1コマです。この2枚を入れないと、前後とうまくつながりません
秒ごとに何をするかを書いて頼む。 僕は Higgsfield というサイトで Seedance 2.5 を使っています
まず荒い画質(480p)で作る。 それを Claude Code に見せて、動きを確かめてもらう
OKなら、きれいな画質(1080p)で作り直す
いきなりきれいな画質で作らないのは、お金(クレジット)を使わないためです。動画を作るAIなら、だいたいこのやり方でいけると思います。
頼み方の形は、こんな感じです(英語。長いので一部)。
The start image is the first frame and the end image is the last frame. Keep her face, hair and T-shirt exactly the same throughout.
0-2s: She stops talking, gives a small relaxed smile and stands up.
2-5s: She walks at a relaxed, slightly tired pace to the white fridge on the left.
...
19-20s: Hold still on the final composition of the end image.
Camera: fixed, locked-off medium shot, the same framing as the start image; no pan, no zoom, no cuts.
No music, no dialogue, no subtitles.
大事なのは3つです。最初と最後の絵どおりに始まって終わること。カメラを動かさないこと。 音楽とセリフを入れないこと。カメラが少しでも動くと、つなぐときに合わなくなります。
この頼み方の文も、Claude Code に「この2枚のあいだで、立って冷蔵庫まで水を飲みに行って戻る20秒の動きを、Seedance 用に英語で書いて」と頼めば作ってくれます。
手順6 つなぎ目を消す
別々に作った映像を普通につなぐと、バレます。

顔がふっと変わる。色味や明るさが変わる。映っている範囲がずれる。
画面を切り替えたり、別の絵を挟んだりすれば、別に問題ないんです。でも、1人の人が同じ画角のまま、動いて、しゃべって、また動く。そう見せたいなら、つなぎ目そのものを消すしかありません。
僕のやり方は、この順番です。
動きの後の語りは、動きの最後のコマから作る(顔と位置がそのまま続く)
映る範囲を、横と縦で別々に合わせる(動きの映像は、元の絵より横に1.4%、縦に3.5%小さかった)
色と明るさを寄せる(しゃべる映像のほうが少し暗く、くっきりしていた)
継ぎ目の6コマを、AIに描き足させる
声は、無音の所で切る(言葉の途中で場面が変わらないように)
全部、Claude Code にやってもらっています。僕がやったのは、見て「画角が変わってる」「色味が違う」と言うことだけです。
そして大事なのが、うまくいったら、そのつなぎ方を Claude Code に「スキル」として残してもらうこと。 スキルは、Claude Code に持たせておける手順書みたいなものです。次からは、一からやり取りしなくても、同じ順番で直してくれます。
この2本を、継ぎ目が分からないようにつないで。顔・色・明るさ・映る範囲を測って、ずれていたら直して。うまくいったら、このつなぎ方をスキルに残して。
ただ、残しても守ってくれるとは限りません。今回、つないだものを見て「画角が変わってる」と言ったら、前に残した手順書の決まりを、AIが自分で3つ破っていました。おかしいと思ったら「スキルを確認して」と言うと、手順書に戻ってくれます。
手順7 仕上げと、最後の確認
テロップ、目次、BGM、音の大きさ。ここも Claude Code です。音の大きさは、YouTube でよく使われる大きさ(-14〜-15 LUFS くらい)にそろえてもらっています。
そして最後に、自分で通して見ます。 この動画で一番印象に残っているのは、ここでした。
ほぼ仕上がった段階で、冒頭の見本から本編に入る所に引っかかりました。僕がAIに送ったのは、こんな一言です。
「全部見せます」から「こんばんは」のつなぎがカクッとして違和感
原因を調べてもらったら、つなぎの道具の中の「コマを描き足す番号」が間違っていました。継ぎ目の6コマのうち、後ろの3コマが止まった絵になっていたんです。
しかもこれ、10月20日からずっとそのままでした。1週間。前の4本目の動画にも、同じ止まりが入っていたわけです。
見つけたきっかけは、数字でも専門知識でもありません。見ていて「カクッ」としたから。それだけです。
AIに作らせたものを見て、「なんか変だけど、うまく言えないから黙っておこう」と思ったこと、ありませんか?
僕はその「なんか変」を、そのままの言葉で渡すようにしています。原因を探すのは、AIのほうがずっと速いので。
どこまで任せて、どこを自分でやるか

Claude Code には、それぞれのAIを API という窓口から自動で動かしてもらっています。今は、動画を作ってそのまま YouTube に上げるところまでの仕組みを作っている途中です。
ただ、何でも自動にすればいいわけでもない。API は使った分だけお金がかかります。
なので、何を作るか決めるのと、ボタンを押すのと、出来上がりを確認するのは、僕がやる。さっきの「カクッ」も、確認を自分でやっていたから見つかったんだと思います。
最初の一歩
ここまで読んで「5つも道具がいるのか」と思った人もいるかもしれません。でも、いきなり全部そろえなくていいと思います。
最初の一歩なら、Nano Banana Pro で自分のキャラクターの顔を1枚だけ作って、保存しておく。 それだけで、この記事でいう「最初の1枚」が手元にできます。
次に、その1枚と短い台本で、HeyGen に30秒だけしゃべらせてみる。動きやつなぎ目は、その後で十分です。分からなくなったら、その1枚を見せて Claude Code に「次、何したらいい?」と聞けばいいと思います。
顔も声も出さなくても、ここまでは来られています。
動画は「【完全解説】AIで作るリアルな動きと長尺語り動画」というタイトルで、10月28日(水)18時に公開してます。冒頭の40秒を見てもらうと、この記事に書いたことがつながると思います。
顔も声も出さずに、YouTube 良いと思いませんか?
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X: @ai_fukugyo_lab1|非エンジニアのClaude Code実験記録
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