
吉四六漬け〜失われしとんち名人のレシピを求めて。
はじめにとんち名人あり
とんち名人と聴いて誰が思い浮かぶだろうか?一休さん?馬鹿野郎、彼のお方を呼ぶなら一休僧正だろうが、敬意を払え。京都で将軍様相手にいつ斬られるか分からないチキンレースを繰り広げたような胆力のお方ぞ。将軍様、「一休、では刀を飲み込め!」とか普通に言ってたし。
光のとんち名人が一休僧正であるならば、闇もある。闇のとんち名人、吉四六さんのことを皆も思い出したことだろう。あれ?思い出さない?国語の授業か道徳の授業でやらなかった?大分県ではやってたのに、おかしいな?
という訳で大分県には、とんち名人の吉四六さんが居ました。あんまり働いている描写が無いうえに、庄屋さんを騙しては10〜50両くらい巻き上げる、まさに闇のとんち名人です。
今日、そういえば吉四六とんち話ってどんな話があったかな?と検索してみたらまず登場第一声が「おい、お前ぇたち。やせ頭ひっつけて何を相談しちょるや」でした。まるっきりヴィランの登場の仕方です。ちなみにその話のなかで吉四六さんは村中の家という家に火を付けようとして、村人から止められ、最終的に村から100両巻き上げていました。やはり闇のとんち名人に相応しい活躍です。
吉四六漬けとは
さて、そんな訳で大分県には吉四六ランドまである訳ですが、大分県民なら何故か誰しもたまに食べていたものがあります。吉四六漬けです。

平たく言うと野菜のもろみ漬けらしいです。もろみが何かいまいち分かっていませんが。おんせん県大分では基本的にお土産は観光客に買わせる物であって自分たちでは食べないのですが、柚子胡椒と吉四六漬けは別です。めっちゃ食べる。
そんな吉四六漬けですが、2020年に終売しました。理由は消費減らしいです。ちなみに味はえらくしょっぱくて酒粕のような風味があります。多分もろみ醤油なんだろうけど。2020年の終売時に私も買った時は「酒のツマミにはなるがそれにしても辛い。」という有様でしたが、刻んでお茶漬けに入れると滅茶苦茶美味しかったです。もっと早めに知りたかったが、あとの祭りです。
ちなみに吉四六さんは大分県臼杵市野津町というかなり県南のエリアに居たのですが、吉四六漬けはめっちゃ県北のJA玖珠が作っていました。権利関係は揉めなかったのかな?
失われしレシピの再現
ごめんなさい、売ってないだけでレシピは失われていない…ようです。失われていないよう、というのは本当に正しいか分からないからです。だってもろみ?もろみが何か分かんないけど使ってないんだよ?と失礼なことを言いつつ、こちらの動画を参考にさせてもらいました。
凄く分かりやすかったのでこちらを参考に作ってみました。以下は今回漬けた際の量です。
・大根半分(足側)
・にんじん3本
・きゅうり3本
・砂糖300cc(約200g)
・醤油300cc
・酢300cc
・水150cc
・唐辛子、少々
まずは材料を切ります。

つい先程まで友人とサングリアを飲みながら通話し、ドルフ・ラングレンが半裸で大暴れする何とも言えないファンタジー映画を見てました。現在の時刻は24時です。オトナは深夜に漬物を漬けたって良い…。早速切っていきます。大根は短冊切りがいいと思います。動画とは違いますが、現地民的には短冊切りだったので。深夜のキッチンにトントントンという音が響き渡ります。

思ったより多いな…。溢れる大分県民のとんちDNAでも何とかできなさそうです。容器を複数使用することになりました。次にニンジンを切ります。ニンジンは半月切りですね。


最後にキュウリ。キュウリは小さめに乱切りです。

さて、とりあえずこれで準備は完了。漬け汁を火にかけます。

深夜に醤油と酢と砂糖と唐辛子を煮詰めていると暗い気持ちになってきました。そこで何となく東京出身の妻に「吉四六漬けを漬ける。」と伝えたらなんか上手い返しされました。

とんちDNAが流れていない都民の癖にいつもうまいこと言いやがって!と私のとんちDNAは嫉妬で漬け汁の鍋のようにどす黒くなっていきます。私の嫉妬心漬け汁を注いでいくと、足りませんね。

上2つの容器が死体袋みたいになっているのは、漬け汁を半分くらいまで注いで、その上にキッチンペーパーを重ねて、残りの半分を注いでいるからです。深夜に行うこの工程、拷問官みがありますね。
上に書いた分量は、作り足したあとの分量です。だいたい醤油100ccで作るとこの容器1つ分≒大根半分くらいになるイメージでしょうか。兎も角も漬け汁をまた煮込みます。


これを1日漬けたら食べることができます。そう、明日になれば。明日って今さ!朝からnoteを更新しているのから分かる通り漬けて翌日です!

おおっ!このますらおぶり、吉四六の見た目だ!まだ漬かりは浅そうだが、これはいい吉四六だ!早速実食してみます。うん、美味い。まだ漬かりは浅いみたいだけど多分ベースの味はかなり近い。でも、JAとかで売ってた吉四六漬けと違って、酒っぽい匂いと風味は無い。そりゃ材料に無いから当たり前ですが。やっぱり酒の風味が無いと働いているか働いていないか分からない吉四六みが出ないということでしょう。もろみ醤油とやらは酒っぽい味が出るんでしょうか。また食べ終わったころにチャレンジしたいです。
ちなみにどんな味かと言いますと、かつやのカウンターに置いてある、はりはり漬みたいな漬物が近いです。思わずカツ丼食べたくなるな…。あれ百均にも売ってたりするので、吉四六気分が味わいたい方はかつやに行くか百均に行くと良いです。
おわりに
という訳で味はかつやの漬け物だし、とんち的な上手いことは言えてないしで、不完全燃焼ながら終わりました。そのうちまたリベンジしたいところです。普通にネットで調べたら出てくるもろみ漬けのレシピで良いんだろうか?ググっても参考にした動画以外出てこないし、結果として本格的に失われた感のある吉四六漬けのレシピをお持ちの方は是非コメント等で教えて下さい。
最後に吉四六とんち話で好きな話を、色々あるんですが、「吉四六さんと天にのぼる梯子」みたいな話が好きです。
自宅の畑に梯子を立て、天に昇ると言う吉四六さんを一目見ようときた村人たちに、踊りながら「危ないぞ、危ないぞ吉四六はよう降りてこい」みたいなことを言わせて応援させます。「そんなに危ない危ない言うから降りてきたわ。」と言う吉四六さんに呆れた村の人達は散り散りに帰っていき、最後に吉四六さんは「随分踊ってくれたな、これで今年は畑を耕さずにすむ。」と1人ほくそ笑むのでした。
そんな訳で、吉四六さん「騙されたことに気付かせない」という高等テクニックも使えます。大分のとんちヴィランはやっぱり強ぇや!

もしもし米ん団子、早う食わな冷ゆるど。