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赤猫福の金融コラム2026.8.14号|5000万円が2500万円になったら、本当に困るのか──資産防衛を「残高」から考えない

    プロローグ|5000万円が半分になったら、大変なのかにゃ?

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    いま、あなたに金融資産が5000万円あるとするにゃ。

    話を分かりやすくするために、その大部分を株式などの値動きのある資産で持っているとしよう。

    平均して3%ほどの配当が出ているなら、年間の配当金は150万円になる。

    ところがある日、大きな暴落がやってきた。

    昨日まで5000万円だった証券口座の評価額が、2500万円になった。

    半分にゃ。

    画面を見た瞬間、

    「2500万円も減った」

    と思うのは当然だと思う。

    2500万円を働いて取り戻そうと思ったら、簡単な金額ではない。

    だから、ある程度資産が増えたら「増やすことより、減らさないことが大切になる」と考える人もいる。

    その考え方も分かるにゃ。

    でも、にゃあはそこで少し考えた。

    その2500万円、本当に取り戻さなければならないのだろうか。

    もっと言えば、

    5000万円を2500万円にしないことが、資産防衛なのだろうか。

    それとも、

    2500万円になっても、暮らしを大きく変えずに済むようにしておくことが、資産防衛なのだろうか。

    今日は「資産を守る」という言葉を、証券口座の残高ではなく、暮らしの側から考えてみたいにゃ。

    第一章|5000万円が2500万円になっても、生活費まで半分になるとは限らない

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    最初の5000万円に戻るにゃ。

    配当利回りを3%と仮定すれば、年間配当は150万円。

    そして暴落によって、評価額が2500万円になったとする。

    では、翌日から配当も75万円になるのだろうか。

    そうとは限らないにゃ。

    株価と配当は同じものではない。

    企業が配当を維持すれば、評価額が2500万円になっても年間150万円の配当が続く場合はある。

    その場合、

    資産の市場価格は半分。

    でも、そこから生まれているキャッシュフローは同じ。

    もちろん、不況になれば減配する会社もある。

    150万円が120万円になるかもしれない。

    100万円になるかもしれない。

    無配になる会社だってある。

    だから「配当株なら暴落しても安全」と言いたいわけではないにゃ。

    大切なのは、

    5000万円が2500万円になることと、

    自分の生活に入ってくるお金が半分になることは、

    同じではないということ。

    資産残高はストック。

    給与、年金、配当、家賃収入などはフロー。

    資産防衛を考えるとき、にゃあはこの二つを分けて見た方がいいと思っているにゃ。

    第二章|同じ5000万円、同じ2500万円でも、結果はまったく違う

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    では、5000万円を持つ三人を考えてみるにゃ。

    一人目は40歳の会社員。

    5000万円の金融資産がある。

    生活費は毎月の給与で十分に払えている。

    配当金が年間150万円入ってきても、その多くを再投資している。

    この人の5000万円が2500万円になった。

    もちろん気分はよくない。

    毎日証券口座を開いていたら、かなり落ち込むかもしれない。

    でも、その日の夕食が食べられなくなるわけではない。

    住宅費も給与から払える。

    来月の生活費を作るために株を売る必要もない。

    資産額は大きく減った。

    でも、暮らしそのものはそれほど変わっていない。

    二人目は70歳。

    すでに退職している。

    年金収入があり、それに年間150万円ほどの配当を加えて生活している。

    年間生活費がそれほど大きくなく、年金と配当でだいたい賄えているとする。

    この人も5000万円から2500万円になった。

    評価額は半分。

    それでも配当が大きく減らず、年金も入ってくるなら、すぐに生活費のために株を売却する必要はないかもしれない。

    では三人目。

    同じ70歳。

    同じ5000万円。

    でも条件を変えるにゃ。

    年金などの収入が年間160万円。

    生活費が年間360万円。

    つまり毎年200万円ほどを金融資産から取り崩して暮らしている。

    現金はそれほど多く持っていない。

    5000万円あるときなら、年間200万円の取り崩しは資産額の4%。

    ところが暴落して2500万円になっても、生活費は突然半分にはならない。

    相変わらず年間200万円必要だとすれば、今度は2500万円に対して8%を取り崩すことになる。

    使う金額は同じ200万円なのに、資産にかかる負担は単純に倍になるにゃ。

    しかも株価が安いところで売却しなければならない。

    同じ5000万円。

    同じ50%の暴落。

    同じ2500万円。

    それでも三人が受ける影響は、まったく違うにゃ。

    年齢だけでも決まらない。

    給与があるか。

    年金があるか。

    配当があるか。

    生活費はいくらか。

    住宅ローンはあるか。

    家族を扶養しているか。

    近いうちに大きなお金を使う予定があるか。

    現金をどれくらい持っているか。

    5000万円という数字だけを見ても、この人がどれくらい危ないのかは分からない。

    だから、

    「5000万円になったら守りの運用へ」

    と一つの数字で線を引くのは、少し難しいのではないかと思うにゃ。

    第三章|怖いのは「売ること」ではなく、「売らされること」

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    ここで一つ、言葉を分けておきたいにゃ。

    株や投資信託を売ること自体が悪いわけではない。

    資産は使うためにある。

    必要なら売ればいい。

    にゃあ自身も、株や投資信託を絶対に売らずに生活しているわけではないにゃ。

    6月と12月には比較的まとまった配当金が入ってくる。

    でも、その間にも生活費は必要になる。

    だから配当金が入ってくるまでのつなぎとして、投資信託を一部売却することがあるにゃ。

    売っている。

    でも、にゃあはそれを「資産防衛に失敗した」とは思っていない。

    最初から資金の流れの中で使っているからにゃ。

    ここで大切なのは、

    売ることと、

    売らされることは違うということ。

    「今月はここから生活費を出そう」

    と自分で決めて売る。

    これは選択にゃ。

    一方で、

    「株価は大きく下がっているけれど、明日の生活費がないから売るしかない」

    となれば、これは相場に選択を迫られている。

    この違いは大きい。

    資産防衛とは、何があっても一株も売らないことではない。

    必要なときに売る。

    待てるときには待つ。

    どちらを選ぶかを自分で決められる状態を作っておくこと。

    にゃあは、こちらの方が大事だと思っているにゃ。

    第四章|全部のお金に、同じ仕事をさせなくてもいい

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    資産防衛の話になると、

    株は危険。

    債券は安全。

    いや、現金が安全。

    でもインフレなら現金は弱い。

    金を持つべきだ。

    外貨も必要だ。

    いろいろな話が出てくるにゃ。

    でも、にゃあは「どれが一番安全か」だけで考えるより、それぞれのお金に仕事を与えた方が分かりやすいと思っている。

    にゃあ自身も、全部のお金に同じ仕事をさせているわけではないにゃ。

    日々の生活に使うお金。

    配当を生み出してくれる株式。

    長く置いておく資産。

    必要なときに取り崩す投資信託。

    それぞれ役割が違う。

    株価が上がったからといって、翌日から急に豪華な食事に変えるわけではない。

    逆に株価が下がったからといって、翌日のご飯を一食減らすわけでもないにゃ。

    市場の数字と日々の暮らしを、ある程度切り離しておく。

    これも資産防衛の一つだと思う。

    近いうちに使うお金なら、大きく値動きする場所に全部置かない。

    長い時間をかけて育てるお金なら、多少の上下を受け入れる。

    配当を生活に使うなら、いつ入ってくるのかも考える。

    配当が入るまで時間が空くなら、その間を何でつなぐのかを考えておく。

    どれが正解というより、

    「このお金には何をしてもらうのか」

    を決めるにゃ。

    そうすると、資産防衛は「安全な金融商品探し」から少し離れてくる。

    第五章|「売らされない」ために、先に考えておくこと

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    では、どうすれば相場が悪いときに売らされにくくなるのか。

    特別な商品を買うことだけが答えではないと思うにゃ。

    まず、自分が一年間にどれくらいのお金を使うのかを知っておく。

    次に、その生活費のうち、

    給与で入る部分。

    年金で入る部分。

    配当で入る部分。

    その他の収入で入る部分。

    そして不足する部分。

    ここを分けてみる。

    そのうえで、大きな支出が近づいているなら、そのお金まで株式市場に置いておく必要があるのかを考える。

    数年以内に必ず使うお金。

    いつ使うか分からないけれど、急に必要になるかもしれないお金。

    長期間使う予定がないお金。

    同じ100万円でも役割は違うにゃ。

    だから、

    「現金は〇年分持てば安心」

    といった一つの答えに合わせるより、

    相場が半分になったとき、自分はどこから生活費を出すのか。

    そこを考えておく方が、にゃあには実用的に思える。

    配当でつなげるのか。

    給与があるのか。

    年金があるのか。

    現金を使うのか。

    必要に応じて投資信託を売るのか。

    あらかじめ選択肢がいくつもあれば、一つの相場環境に追い込まれにくくなる。

    資産防衛というのは、資産価格が下がらない仕組みを作ることではなく、

    下がったときにも選択肢を残しておくこと。

    そう考えると、少し意味が変わってくるにゃ。

    エピローグ|守りたいのは、5000万円という数字なのか

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    もう一度、最初の5000万円に戻るにゃ。

    昨日まで5000万円。

    今日、2500万円。

    市場価値が2500万円減った。

    これは事実にゃ。

    だから、

    「売っていないから損ではない」

    と簡単に片づけるつもりもない。

    自分の持っている資産の市場価値が減ったことは、ちゃんと受け止めればいい。

    でも、

    その2500万円の下落が人生にどれほど影響するのかは、証券口座の画面だけでは分からない。

    給与がある。

    年金がある。

    配当がある。

    現金がある。

    生活費が小さい。

    しばらく大きなお金を使う予定がない。

    反対に、

    収入が少ない。

    取り崩し額が大きい。

    現金がない。

    近いうちに大きなお金が必要になる。

    条件が違えば、同じ2500万円でも意味は変わる。

    だから資産防衛を、

    「5000万円を絶対に5000万円のまま維持すること」

    と考えなくてもいいのではないかと思うにゃ。

    相場が大きく下がっても、

    売るか。

    待つか。

    何から生活費を出すか。

    自分で選べる。

    その選択肢が残っていること。

    5000万円を2500万円にしないことが、資産防衛なのか。

    それとも、

    2500万円になっても、慌てて人生の予定を変えなくて済むようにしておくことが、資産防衛なのか。

    にゃあは後者の方が、ずっと大切だと思っているにゃ。

    にゃあのしっぽ

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    資産防衛という言葉を聞くと、

    「どうしたら減らさないで済むのか」

    を考えたくなるにゃ。

    でも市場を相手にしている以上、評価額の上下まで自分で決めることはできない。

    ならば、自分で決められるものを整えておく。

    生活費。

    収入。

    配当。

    現金。

    資産の役割。

    そして、必要なときに売ることもできるし、売らずに待つこともできる余白。

    守りたいのは、証券口座に表示される5000万円という数字だけではないにゃ。

    その数字の向こう側にある暮らし。

    そして、自分で選べるという自由。

    それを残しておくことが、本当の資産防衛なのかもしれないにゃ。

    編集後記|「福ちゃんだから言えるんじゃない?」への答え

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    「福ちゃんは、資産が半分になっても大丈夫な立場だから、こんなことを書けるんじゃない?」

    そんなツッコミも入りそうにゃ。

    もちろん、にゃあも資産が半分になった経験まではない。

    でも、相場が大きく崩れたとき、実際に評価額が大きく減ったことはあるにゃ。
    具体的な金額は伏せるけれど、地方ならマンションが一軒買えるくらい。

    さすがに画面を見て、『うわぁ……』とはなったにゃ。

    数字が大きく減れば、やっぱり嫌なものは嫌にゃ。

    ただ、そのときも翌日の生活費がなくなったわけではなかった。

    猫たちのご飯を減らしたわけでもない。

    慌てて持っているものを全部売らなければならなかったわけでもない。

    相場が落ち着くまで待つという選択肢が残っていた。

    今回、5000万円が2500万円になるという少し極端な例を使って考えてみたのも、たぶんあのときの感覚がどこかに残っているからだと思うにゃ。

    評価額が減る怖さはある。

    でも、それとは別に、

    「そのとき自分には、まだ何をするか選べるのか」

    という問題がある。

    あの経験を振り返ると、にゃあが資産防衛という言葉から考えているのは、どうやら後者の方なのだと思うにゃ。

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    九州在住の個人投資家、赤猫福にゃ。noteで寓話や文学を通して株式投資を発信。YouTube『赤猫MUSIC』もゆるく更新中にゃ🐾

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