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鉄板をカチカチ

    退院した翌日、彼とデートの約束をしていた。私の体調が良くなければ私の家。良ければジブリの映画リベンジとなった。

    当日朝、起きて体も頭も心も動き出すのに時間がかかり出したのは入院してからのこと。それは家でも変わらず中々動けない。(私は朝起きたら基本そのままガバッと起きて立ち上がりすぐトイレに行く。)やっと頭が鮮明になってきたので彼に「外行ける気がする。早くは歩けないけど」と送り、行く予定の座席表のスクショを送る。「耳をすませば」デート決まりだ。

    お昼は彼が前日に「鉄板カチカチをカチカチする」と言ったお好み焼きにした。「鉄板をカチカチ」という響きを私が気に入り決定。お店のメインはもんじゃだったので予定より多く鉄板をカチカチした。大きな鉄板を2人でカチカチするのは少し木枯らしの吹く今の季節にとてもちょうど良かった。久しぶりの濃いソース味はとても美味しく沢山食べた。

    映画の時間になったので入り予告を観ていると、隣に座る彼の首が上下に動いている。これは寝そうだと思った私は「もったいない!」と彼を起こそうと思ったけど私の事をとても心配してくれている事を知っているし気が気じゃなかった事もわかるのでそのままにしてたら映画始まってすぐ起きた。やるなこいつと思った。

    久しぶりに観た「耳をすませば」はとても純粋で優しくて、でも強い。本当にあの原石のようだと思い涙を流した。幼い頃に観た「耳をすませば」はもうそこにはいなかった。

    夜ご飯は好きなものを頼める鳥貴族へ。値段上がったから空いているのか、平日だから空いているのか論争を1人で繰り広げていた。私はそんなにお腹が空いていなかったので、とりあえずミックスジュースと貴族焼一本と山芋鉄板焼きをはんぶんこ。あとは彼が頼んだものを一口ずつもらった。山芋鉄板焼を2人で食べながら、「また鉄板カチカチしてるね」と笑いあった。

    彼といると心が穏やかになる。太陽にキラキラ照らされた浅いゆっくり流れる川のよう。彼の力が偉大だ。多分本人はそんな事微塵も思ってないだろうけど。それぐらい好きってこと。

     
     
    日記かエッセイか物語か。好きなことを書く。

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