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おとぎ話診療所【毎週ショートショートnote】

    「先生、急患です! 突然殴り込んできた少年たちに切りつけられたらしく……」
    「ああ、また桃太郎症候群かい」

    開院以来、こんなんばっかや。なしていきなり他人様の土地へ乗り込んで暴れたりすんねん。理解できひん。


    「先生! 小さな女の子が道で倒れてたそうです。ひどく痩せて凍えてて……」
    「それは『マッチ売りの症状』や。あったかくして栄養剤の点滴頼むわ」

    ひどい真似しよる。こんなん幼児虐待やで。


    「先生! ハサミで切られたお腹が痛いって狼が……」
    「そらあかん、ズキンズキンするやろ」

    今度は動物虐待か。勘弁してや。


    「先生! 声の出ない女性が……歩き方も変で……」
    「そら生えたばっかの足やから、上手いこと歩けへんのやろ。それより服着てから来い、言うとけや。あ、俺、喉はよう診んで」

    海の底のおっかない魔女敵に回したら、命いくつあっても足りひん。


    「先生! 幼い兄妹にかまどへ放り込まれた魔女が火傷で……」
    「ええかげんにせえ、そのおとぎ話じゃあらへんわっ! こないなつもりで診療所に自分の名前つけたんちゃうで! ウチは『音木花史診療所』や!」

    (458字)


    【あとがき】
    ……ネタ、ないの。ごめんなさい(涙)

    股関節の調子は少しばかり良くなったのですが、持病の腰をやられてしまい、再び歩行の不自由な日が続いています。
    家事はもとより、生活自体が過酷なリハビリみたいなものですが、まだこうしてキーボード打てるだけマシですね(本当にひどい時は寝込むほどなので)。「書く」という楽しみを持てたのは、自分の人生の中でも非常に幸運だったと、こういう時にしみじみ思います。
    年度初めで多忙な時期、気候も不安定ですが、どうぞ皆さまもご自愛くださいませ(手紙かいw)


    *この記事は、以下の企画に参加しております。


     
     
    小説を書くわんこ(SS~長編)。創作大賞2025『栗と牡丹』入選。→2026年4月『栗は月色、こがね色』として朝日文庫より刊行。第2回日本おいしい小説大賞最終候補、第31回やまなし文学賞『雨を知るもの』佳作→作品集刊行。餃子とピザとあんこが好物。一人BARと野鳥観察が趣味。

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