メインコンテンツへスキップ
見出し画像

狐火バーベキュー【毎週ショートショートnote】

    「よう、タヌ公。暑いな」
    「これはお狐様。こうも毎日だとたまんないですねえ」
    「おかげでうちの社やしろも閑古鳥でよ。例によって、まぁたウチの主神がしょげちまってな」
    「おやおや、ウカノミタマ様は寂しがりでいらっしゃいますからねえ」
    「そんで俺ぁ考えたんだ。賑やかしと暑気払いを兼ねて境内でバーベキューでもやろうってな。どうだ、乗らねえか。そっちの一族、ずらっと連れてきねえな」
    「ああ、チビどもが喜びます。でもお狐様、境内でバーベキューなんざやっていいんですかい?」
    「固いこたぁ言いっこなしよ。どうせ狐火でやるんだ、滅多なことじゃあ人間どもには見えねえさ」


    さて満月の宵、子狸たちはお狐様の灯す青い狐火に大はしゃぎ。

    「狐のおいちゃん! おあげ焼いたよ、食べて!」
    「違うよ、おいちゃんは僕の茹でたお蕎麦を食べるんだい!」

    子狸たちに囲まれたお狐様は、すっかりおひげが下がりっぱなし。

    「よしよし、そんじゃ蕎麦の上に焼いたおあげをのっけるか。そしたらいっぺんに食べられらぁ」

    嬉しそうに蕎麦をすする音に合わせて、ぼうっと灯る狐火がふらりふぅらりと揺れました。

    とっぴんぱらりのふう

    (475字)


    【あとがき】
    稲荷神社の主祭神は宇迦之御魂神ウカノミタマノカミと言われております。本作は、私のルーツであるショートショートガーデン(SSG)にて、過去に掲載した『お狐様とタヌ公』シリーズをベースにしております。
    もう4年以上前の作品ですが、よろしければこちらもぜひぜひ~!


    *この記事は、以下の企画に参加しております。

    いよいよ締切も迫ってきました!
    TALESにて、創作大賞2025応募作品『栗と牡丹』公開中です!
    長い物語ですが、よろしければお運びくださいませ!!


     
     
    小説を書くわんこ(SS~長編)。創作大賞2025『栗と牡丹』入選。→2026年4月『栗は月色、こがね色』として朝日文庫より刊行。第2回日本おいしい小説大賞最終候補、第31回やまなし文学賞『雨を知るもの』佳作→作品集刊行。餃子とピザとあんこが好物。一人BARと野鳥観察が趣味。

    あなたへのおすすめ