
秘伝!AIで作る、心をうごかす90秒動画の作り方!
私は、本日次期基幹システムの構想を社内に伝えるために、90秒のコンセプト動画をAIで数時間で作りました。登場人物は全員、架空の人物です。
今回は、その作り方を書いてみます。
完成した動画はこちらです。
未来の姿は、映像のほうが伝わる
これからの業務の姿(To-Be)は、資料の文字や図だけでは、なかなか伝わりません。「AIがこう動いて、人はここだけ判断する」と説明しても、聞く人の頭に浮かぶ絵はばらばらです。
未来のTo-Beを表現するには、映像が効果的だと思っています。
AI動画には、2つの作り方がある
今は、文章を入れるだけで動画ができるツールや、1つの指示で丸ごと生成する方法もあります。手軽で、それなりの動画がすぐにできます。
一方で、シナリオを書き、登場人物を決め、1シーンずつ作っていく方法もあります。手間はかかりますが、意図に合ったものができます。
心を動かすストーリー性があるものは、シナリオと俳優が大事です。そういう動画は、私は手順を踏んで作ります。
どちらを選ぶか。その分け方も含めて、ノウハウだと思っています。
今回の手順
今回は、手順を踏んで作りました。
1. 何を伝えるかを決める
テーマは「判断の継承」です。ベテランの頭の中にある判断が、AIを通じて会社全体の力になる。そういう物語にしました。
あわせて、決めごとを2つ置きました。誰も悪者にしない。AIは人を置き換える存在ではなく、ベテランの知恵を全国に運ぶ相棒として描く。
2. 俳優を決める
主人公は、受注事務22年のベテラン「森さん」です。外見、口癖(「それはね、」)、しぐさまで決めました。付箋だらけの使い込んだノートは、森さんの知恵の象徴です。
AIエージェントは「AWハヤト」。光の球体に、点の目と弧の口だけの顔です。人型ロボットにしなかったのは、「人を置き換える」印象を避けるためです。
3. シナリオとシーン割を磨く
物語はこうです。(物語もAIと相談しながら作ります)
朝の営業所。電話とFAXが鳴りやまない中、受注事務22年の森さんが、すべてをさばいています。新人の高橋さんは、困ると森さんに聞くしかありません。
ある日、森さんがいないと、仕事が止まってしまいます。入力は自動化できても、判断は、まだ人の中にある。
別の朝。AIエージェントのハヤトが、高橋さんに声をかけます。「今朝の受注46件のうち、ご判断が必要なのは5件だけです」
森さんは、自分の知恵をハヤトに教える側に回ります。「それはね、冬場だけは前の日に一本電話してあげて」。その知恵が、全国の拠点に届いていきます。
最後は、工場の前で笑う森さん。「ええ、やっとこういう時間が持てるようになったんです」
90秒を7つのシーンに分け、シーンごとに映像、セリフ、テロップ、音まで決めました。たとえば、森さんがハヤトに教えるシーンは、こう書いています。
カメラが女性と光の球体の方へゆっくり前進する。50代の女性は球体を見て、ゆっくりと穏やかな声で「それはね、冬場だけは前の日に一本電話してあげて」と教える。開いたノートのページから青い光の粒が帯のように立ちのぼり、らせんを描いて球体へ吸い込まれていく。窓からの暖かい朝の光、静かで感動的な雰囲気。
最初は9シーンでしたが、見直して7シーンに絞りました。シナリオは3回書き直しています。
4. 俳優の顔をそろえる
AI動画でいちばん難しいのは、カットごとに顔が変わってしまうことです。そこで、まず俳優ごとに基準となる画像をChatGPTで作り、すべてのシーンでそれを参照しました。俳優ごとに、正面・斜め・横の3方向の画像を作りました。

5. まず1枚の画像を作り、それを映像にする
シーンごとに、まず最初の1枚を画像として作りました。構図、表情、光の具合まで、ここで決めます。それから、その画像をKlingで動画にしました。セリフも、口の動きと一緒に生成しています。

6. 文字の多い画面は、別に作る
チャット画面、承認カード、統制の図など、文字の多いものは生成AIだと崩れます。ここは生成に頼らず、別にグラフィックを作って合成しました。
7. 声と音と編集
ナレーションは、今回はElevenLabsで作りました。BGMはSUNO、編集はFlexClipです。
ツールは、それぞれ複数を把握しておき、ケースによって使い分けることもあります。
やってみて分かったこと
マーケティングを担当していたころ、発注者としてテレビCMの撮影現場に立ち会うこともありました。
シナリオを書き、絵コンテを作り、俳優のオーディションをして、ロケハンに行き、音声を録音し、編集する。たくさんの人が関わり、莫大なお金がかかっていました。
今回の手順は、実はその工程とほとんど同じです。

それと比べたら、簡単すぎる。
ただ、一発で指示どおりにできないときもあります。その場合は、撮り直し(作り直し)です。
時間がいちばんかかったのは、動画生成の待ち時間です。音声やBGMの生成は、一瞬で終わります。
心を動かすものは、変わらない
昔は莫大なお金と大勢の人が必要だった映像づくりが、今は一人でできるようになりました。ただ、心を動かす動画に必要なものは、昔も今も変わりません。シナリオと、俳優です。
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※本記事は個人の見解であり、所属組織の公式見解ではありません。