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小説四぀葉みたいにならない恋 第四章 明日ぞの扉

     ぀に぀ながっおいた四人は、それぞれの明日を芋぀めおいた。

     幕が䞊がった。
     前日たで、セリフ合わせ、音合わせ、照明などのチェックや修正を繰り返した。倧道具や衣装もギリギリで完成した。
     幎組の総力を結集した劇をひず目芋ようず講堂は満員になった。他のクラスや、郚掻の埌茩たちの生埒、倚くの先生や保護者たちも集たっおいた。
     分間にわたる劇は、途䞭のコミカルな堎面は倧りケし、終盀の倫婊の䌚話などの挔技に匕き蟌たれ、拍手喝采を济びながら幕が降りた。教員や保護者たちからも絶賛されお、成功裏に終わった。
     舞台に䞊がったキャストだけでなく、脚本を曞いた者や、挔出を担圓した者、音響や照明の者、そしお倧道具や衣装の者も、みんな握手し合ったり、抱き合ったりしお、感激しおいた。
     この日たで、あらゆるものを犠牲にしおきたみんなの努力が報われた瞬間だった。モトタツは、文化祭前に芋た悪倢のような結果にならなくお、本圓に良かったず胞をなでおろした。
    「次は䜓育祭のムカデ競走で優勝だ」
     幎組のみんなは、週間埌の䜓育祭に向けお、朝緎にも力が入っおいった。
     モトタツたちが幎組だった時は、ケガ人が続出したり、緎習に぀いおいけないメンバヌが脱萜しお、圓日に人数䞍足ずなっお、急きょ数合わせしたものの惚敗に終わった。
     今回こそ優勝したい。そのためには、たず脱萜者を出さずに、圓日、党員でスタヌトするこず。それが䜕より重芁だず、モトタツは思っおいた。
     䜓育祭圓日、幎組は、誰䞀人欠けるこずなく、党員がスタヌトラむンに立っおいた。あずは、い぀もの緎習通りに、掛け声を合わせお走り抜くだけだ。
    「幎組ムカデ隊、絶察優勝するぞヌ」「オヌッ」
     スタヌタヌが鳎った。スタヌトは䞀瞬遅れたが、組のムカデ隊は、どんどんず加速しおいく。折り返し点を回る頃にトップのクラスず䞊んだ。焊るな、焊るな、党員が曲がり切っおからが勝負だ。最埌尟の抌し圹がコヌンを曲がり終えた瞬間、「行けヌ」ずいう叫び声ず共に、䞀䞞ずなったムカデ隊が猛然ず突っ走った。党員が声を合わせ、足を合わせお駆け抜けお、最埌尟がゎヌルラむンを越えた瞬間、組の優勝が決定した。女子は党員泣いおいた。ナンモずノンノンも抱き合っお喜んだ。男子たちも、興奮が冷めやらず、雄叫びを䞊げお、䞡手を突き䞊げた。 
    「組優勝バンザヌむ」
     こうしお、幎組は、最倧の行事である、文化祭ず䜓育祭を合わせた蚘念祭で、有終の矎を食った。
     䜓育祭の代䌑の月曜日を挟んだ火曜日、モトタツはサトシに声をかけた。
    「垰りに、ちょっず話したいこずがあるんやけど」
    「ええよ」
     モトタツが、こんな真剣な顔で話したいず蚀っおきたこずはなかった。
     攟課埌に、二人は自転車で校門に続く坂道を䞋りた。䌚話のないたた、䞉斜駅たで走っお、駅の北偎にある、あのベンチに座った。
    「どうしたんや」
     サトシがモトタツに声をかけた。
     モトタツはひず呌吞おいおから重い口を開いた。
    「俺は玄束を砎った」
    「そうか」
     サトシの衚情に驚きは感じられなかった。モトタツは詳しくは話さず、文化祭の前にナンモに奜きだず䌝えたず話した。サトシは責めるでもなく、かばうでもなく、ただただ聞いおいた。
     サトシは、モトタツがノンノンのこずをどう思っおいるかも聞きたいず思った。けれども、それは思いずどたっお、ひず蚀だけ話した。
    「あずは受隓だけやな」
     蚘念祭が終わり、やっず進孊校の受隓前のムヌドになっおきた。そしお、四人の時蚈は、再び明日に向けお刻み始めるはずだった。
     しかし、モトタツは、受隓勉匷を䜕䞀぀やっおこなかったので、今から䜕をどう頑匵っおも、倧孊受隓たでに志望校に合栌できる孊力を぀けるこずは䞍可胜だず自芚しおいた。モトタツだけが、受隓ずいう明日に向かう列車に乗り遅れお、ホヌムにたたずんでいた。
     サトシから聞いた「胜芋はお前のこずが奜きなんや」ずいう蚀葉が、頭の䞭から離れなくなっおいた。その蚀葉を聞いた日から、ノンノンが誰よりも気になる存圚になっおいた。
     それなのに、みんなずの玄束を砎っお、ナンモに想いを䌝えおしたった。その瞬間から、モトタツは、サトシが䌝えた蚀葉に、再び匕き戻されおいた。
     しかし、その蚀葉が本圓かを確かめるこずは、もうできない。できるような立堎ではない。モトタツは、そう思っおいた。結局、俺は自分のこずしか芋えおいなかった。そしお、こんなわがたたな自分を、ずっず芋守っおくれおいる存圚に、ようやく気が぀いた。それからは、授業にも身が入らず、ボヌッず窓の倖を芋぀めるこずが倚くなっおいた。
     ノンノンの芖界には、そんなモトタツの姿が吊応なしに入った。でも、そんな自分に気が぀くず、芖線を黒板やノヌトぞ戻しお、自分の明日を芋぀めようずした。
     モトタツは負けん気が匷いので、ナンモがカズオのこずを奜きだずわかった時、恋のラむバルの存圚のおかげで、かえっお燃えた。でも、恋の駆け匕きは嫌いなので、恋のラむバルの評刀を䞋げたりしお、自分を有利にしたいず思わなかった。
     サトシが、ノンノンのこずをどう思っおいるかわからない。でも、モトタツは、気が぀くずスタヌトラむンに立っおいお、スタヌタヌが鳎っおいた。スタヌトで䞀瞬遅れたが、すでに折り返し地点たで走っおいるこずに気が぀いた。そしお、隣でサトシも䞊んで走っおいるように感じおいた。
     街にクリスマスのむルミネヌションが茝き始めた頃、ノンノンの誕生日が近づいおいた。モトタツは、ノンノンの誕生日をお祝いしたかった。でも、ノンノンの受隓勉匷の足を匕っ匵りたくないず思っおいた。迷った末に、モトタツはバヌスデヌカヌドを曞いた。でも、孊校で枡すのは良くない。リンちゃんに頌んで枡しおもらうのも迷惑をかけおしたう。そう思ったモトタツは、ノンノンの誕生日の前日の垰りに、ノンノンの家のポストに、バヌスデヌカヌドを入れるこずにした。
     翌朝、ノンノンは、最近あたり芋られなかったような笑顔で、リンちゃんに話しおいた。モトタツは、そんなノンノンの姿が目に入らないフリをしおいた。サトシも今日がノンノンの誕生日だず知っおいるはずだけれど、どうしたかわからなかった。
     授業䞭にノンノンから人づたいにメモが届いた。モトタツがメモを開くず「カヌド、ありがずう」ず曞かれおいた。ノンノンを芋るず、衚情を倉えずに黒板を芋おいた。
     バヌスデヌカヌドには、誕生日のお祝いの蚀葉だけを曞いおいた。ノンノンに受け取っおもらえるだけ充分だず思っおいた。でも、本圓に䌝えたい想いは曞けなかった。玄束を砎った自分が、曞いおはいけないず思っおいた。
     このたた卒業すれば、この想いは二床ず䌝えるこずはできない。そう思ったモトタツは、想いをクリスマスカヌドに蟌めお枡そうず思った。ペンを取っおは眮くこずを䜕床も繰り返した。やっぱり俺は自分のこずばかり考えおいる。気が぀いた時には、クリスマスカヌドをノンノンの家のポストに入れおいた。今回も本圓の想いは曞けなかった。でも、ノンノンず䞀床ゆっくり話をしたいず思っおいるず曞いた。
     翌日のノンノンも、笑顔でリンちゃんず話しおいた。そしお、授業䞭にノンノンから届いたメモには「卒業したらね」ず曞かれおいた。その返事を芋たモトタツは、ようやく圢だけの受隓勉匷に取りかかった。
     受隓も山堎を超えお、卒業匏を間近に控えおいたある日、モトタツは、久しぶりにサトシず話しおいた。倧した話ではなかったけれど、サトシの蚀葉を聞いお、モトタツは膝から厩れ萜ちそうになった。
    「この頃、日曜ずかに、孊校に来お、胜芋ずバドミントンをしおるんだよ、俺はぜんぜん䞋手なんやけど」
     時が止たったず感じた。モトタツは、頭の䞭に䜕かが思い浮かんでは砎り捚おる、ずいうこずを繰り返した。
     モトタツ以倖の䞉人は、受隓を終えお進路も決たっおいたが、モトタツは、どの倧孊にも合栌できず、幎埌の再受隓に向けお、予備校に行くこずになった。
     モトタツは幎組が奜きだった。この幎間にやっおきたこずには䜕も悔いはない。でも、自分はこれで良かったんだろうか、もっずうたくできたのではないか、そんな気持ちが湧いおは、心の䞭に降り積もっおいった。
     四人は卒業匏を終えた。
     正門の坂道に桜の花びらが舞い散る䞭、四人は坂を䞋っお、それぞれ違う道を歩き始めた。

     モトタツは、ノンノンに電話をした。ノンノンに送ったクリスマスカヌドに「ゆっくり話したい」ず曞いた時、ノンノンから届いたメモの「卒業したらね」ずいう返事を、ノンノンは芚えおいないかもしれない。もし、芚えおいたずしおも、電話で話すだけで終わるかもしれない。それでも構わないず思った。
     ノンノンは、メモのこずを芚えおいた。モトタツが䌚っお話したいずいうず、ノンノンは「いいよ」ず応じおくれた。
     ノンノンの家の近くの䞉斜駅の階段䞋で埅ち合わせした。そこは、ナンモに気持ちを䌝えお別れた堎所だった。二人は近くにある喫茶店に入った。
     モトタツは、ノンノンに話したいこずや聞きたいこずは、いっぱいあったけれど、倧切な内容だけにずどめおおこうず思っおいた。そしお、ノンノンが䜓育通で、モトタツが怖いず蚀っおこもった日のこずを話した。
    「サトシが俺に『胜芋はお前のこずが奜きなんや』ず蚀ったんやけど」
    「山本くん、元田くんにそんなこずを蚀ったん」
     そう答えたノンノンは、少しため息を぀いた。でも、それで謎が解けたようだった。モトタツは、さらに続けた。
    「サトシに聞いたんだけど、日曜日ずかに䞀緒に䜓育通でバドミントンしおたんやろ」
    「山本くん、そんなこずも話しおたんや、ホントに」
     ノンノンは、少しあきれたような顔をしながら、それ以䞊は話さなかった。
     モトタツは、サトシから聞いたこずで、この半幎間に抱えおきたモダモダが、剥がれ萜ちおいった。
     ノンノンの黒い倧きな柄んだ瞳が、モトタツを真っ盎ぐに芋぀めお、モトタツの心を枩かく包み蟌んでいた。
     モトタツは、ノンノンの瞳を芋お、深く息を吞い、自分の想いを䌝えた。
    「ノンノンのこずが奜きやねん。俺ず付き合っおくれぞん」
     静かな時間が、二人の間に流れた。
    「ありがずう。でも、ごめんなさい」
     モトタツは、その答えを予想しおいた。そしお、それ以䞊のこずを知っおも、自分がもっず苊しくなるように思えお、䜕も聞かなかった。聞けなかった。
     ノンノンは、モトタツの心から、「たた、もう䞀床、䌚っおほしい」ずいう声が聞こえたような気がした。そしお、モトタツの心に「合栌したらね」ずそっず䌝えた。
     モトタツは、自分の想いをちゃんず䌝えるこずができた。それで十分だった。ノンノンが自分の想いを受け止めおくれたこずで、心が満たされおいくのを感じおいた。
    「看護孊校に行くんやね。俺は予備校に行くけど」
    「うん、䜕ずか入れた」
    「頑匵っおね」
    「元田くんもね」
     二人は店を出お䞀緒に歩いた。四人でノンノンの家たで二人乗りで向かった時に、通った道ずの亀差点に差し掛かったずころで、二人の足は止たった。
     モトタツは、ノンノンに心からお瀌を蚀いたい気持ちでいっぱいだった。
    「䌚っおくれお、ありがずう」
     ノンノンも、心の䞭で涙を拭っおいた。これで良かったんだよねず、自分自身に必死に蚀い聞かせおいた。モトタツに出䌚えお、本圓に良かったず思った。
    「電話しおくれお、ありがずう」
     青信号になった。モトタツは、自転車に乗り「たたね」ず蚀っお手を振り、信号を枡った。「バむバむ」ず蚀っお手を振っおくれたノンノンを振り返らなかった。
     これで良かったんだ。これで。モトタツは、明日ぞの扉を開けお走り出した。

     四぀葉のクロヌバヌみたいに、四人の想いは、䞀぀に぀ながっおいくはずだった。
     本圓の想いがわからないたた
     本圓の想いに気づけないたた
     本圓の想いに気づいおも䌝えないたた
     四぀葉のクロヌバヌは芋぀からなかった。でも、足元で芜吹き始めおいた。

     これは、人を想うこずや、人から想われるこずを通じお、倧人ぞの坂道を登っおいく、四人の切ない成長物語。

    終わり

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    自分を倧切にしお、自由ず自立を目指し、 サポヌタヌになりたい人が集たる堎所 自己理解→自己受容→他者受容により よい人間関係を築けるように INFJ、うさぎ奜き 定幎退職埌40幎ぶりの倧阪で 母ず二人暮らし劻や人の子䟛は別居 初めおの方ぞのサむトマップ→プロフィヌル

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