
「洗濯の日」
子供の頃の記憶
昔の記憶に、「洗濯の日」がある。
今のように洗濯機を
毎日のように回す暮らしではなかった。
母もきっと忙しい毎日を送っていたのだろう。
洗濯は毎日ではなく、何日かに一度だった。
「明日は洗濯するよ」
母がそう言うと、
家族みんなで着替えをした。
明日は洗濯の日だから、
今日はこの服で過ごそう。
そんな気持ちだったのだろう。
今思えば、ずいぶん不便な暮らしだった。
でも、その不便さを不便だと
思っていた記憶はない。
洗濯の日が来れば、
家族みんなの着替えが洗われ、
またきれいになって戻ってくる。
そんな当たり前のことが、
今になって懐かしい。
便利になった今の暮らしの中で、
ふと昔の「洗濯の日」を思い出す。
あの頃は、暮らしの一つひとつに、
今より少しだけ時間の
流れがあったのかもしれない。