
「雨上がりの早朝散歩」
雨上がりの早朝散歩。
まだ人の姿もなく、
静まり返った農道をひとり歩く。
誰にも会わず、誰にも気を遣うことなく、
自分のペースで歩ける。
こんな散歩もなかなか悪くない。
昨夜まで降っていた雨も、
朝の日差しを浴びて少しずつ姿を消していく。
ふと収穫の終わった畑に目を向けると、
地面から白いものが立ち上っている。
まるで畑全体が湯気を出しているようだ。
雨でたっぷり水分を含んだ土が、
朝の光とともにゆっくりと乾いていく。
その光景を見ていると、
自然もこうして一日の始まりを
迎えているのだなと思う。
収穫を終えた畑には、
もう作物の姿はほとんどない。
それでも、雨を受け止め、日差しを浴び、
次の季節へ向けて静かに
準備をしているようにも見える。
普段なら何気なく通り過ぎてしまう農道も、
雨上がりの早朝には違った表情を見せてくれる。
特別な景色があるわけでもない。
ただ、誰もいない道を歩き、
畑から立ち上る湯気のようなものを眺める。
そんな何でもない時間が、
案外ぜいたくなのかもしれない。