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「療育が楽しくない」。4年目の心理師が初めて感じたこと。

    今日は、少しだけ弱い自分を見せようと思います。

    いつもは子どもの行動の理由や、
    保護者さんとの関わり方について書いていますが、
    今日は少し違うお話です。

    最近、大きく体調を崩しました。

    そして、その少し前から、
    ある感情を抱くようになっていました。

    「療育の仕事が、楽しくない」

    4年間、療育の現場で働いてきて、
    初めて感じたことでした。

    誤解してほしくないのですが、
    子どもたちとの関わりが嫌になったわけではありません。

    むしろ、子どもたちと過ごす時間は、今でも大好きです。

    昨日できなかったことが、今日できるようになる。

    何度も失敗していた子が、
    少しずつ自分なりの方法を見つけていく。

    そんな姿を見るたびに、
    この仕事を選んでよかったと思います。

    では、何が苦しかったのか。

    それは、一緒に働くスタッフとの、
    支援に対する考え方の違いでした。

    「早く帰ろう」の一言に、引っかかった。


    ある日の放課後等デイサービスでのことです。

    支援時間が終わり、帰る準備をする時間になりました。

    一人の子どもが、
    もう少しだけパソコンを触りたそうにしていました。

    あと5分ほど。

    その子にとっては、
    今やっていることを終わらせるために
    必要な時間だったのかもしれません。

    でも、スタッフから聞こえてきたのは、

    「はい、今日はおしまい」
    「早く帰ろう」

    という言葉でした。

    もちろん、
    施設には決められた時間があります。

    次の業務もありますし、
    スタッフにもそれぞれの生活があります。

    時間を守ることは大切です。

    僕だって、
    いつまでも好きなことを
    続けさせればいいとは思っていません。

    ただ、その場面を見て、
    どうしても考えてしまったんです。

    「今、この子が切り替えられないことにこそ、
    支援の意味があるんじゃないか」


    療育施設の中だけで通用する支援に、
    意味はあるのだろうか──と。


    例えば、家でゲームをしている子どもがいるとします。

    保護者さんが、

    「そろそろ終わりにしようね」

    と声をかけても、なかなか終われない。

    「あと5分!」
    「もうちょっと!」

    そんなやり取りが続き、
    最後には親子で言い合いになってしまう。

    こうした悩みを抱えるご家庭は、
    少なくないと思います。

    だからこそ、療育施設では
    「好きな活動を終える」「次の活動に切り替える」
    という経験を大切にしたいんです。

    例えば、

    ・始める前に、終わりの時間を一緒に決めておく
    ・残り時間を目で見て分かるようにする
    ・途中で終えるのが難しいなら、どこまで進めたら区切りにできるのかを考える
    ・それでも難しいときは、何が引っかかっているのかを一緒に探してみる

    もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。

    でも、その試行錯誤にこそ、
    療育の価値があると思っています。

    ただ「早く帰ろう」と繰り返して、
    何とかその場を終わらせる。

    それで施設の一日は、
    無事に終わるかもしれません。

    でも、家に帰ったとき、
    その子は同じように切り替えられるでしょうか。

    学校で好きな活動を終えるときにも、
    その経験は役立つでしょうか。

    療育施設で過ごす時間は、
    施設の中だけで完結するものではない。


    子どもたちが、家庭や学校、これから先の生活の中で、
    少しでも過ごしやすくなるための時間。


    僕は、そう考えています。

    「今日も無事に終わった」で、満足していないだろうか。


    最近、現場で感じることがあります。

    ・時間通りに終わること
    ・大きなトラブルが起きないこと
    ・予定通りに活動が進むこと

    もちろん、どれも大切です。

    子どもの安全を守り、
    スタッフが無理なく働ける環境も必要です。


    ただ、そればかりが優先されると、
    少しずつ支援の目的が変わってしまう気がするんです。


    「どうすれば、この子ができるようになるだろう」
    ではなく、

    「どうすれば、今日を問題なく終えられるだろう」
    という考え方に。

    どちらも必要な視点です。

    でも、後者ばかりになってしまったら。

    僕たちは、何のために療育をしているのでしょうか。

    子どもが困っている場面は、
    大人にとっても大変な場面です。

    時間がかかります。
    思い通りに進まないこともあります。

    でも、大人にとって『都合の悪い時間』が、
    子どもにとって『大切な学びの時間』になることもある。


    その可能性を、見落としたくありません。

    ただ、僕にも反省することがあります。

    ここまで書いてきましたが、
    僕の考え方がすべて正しいとは思っていません。

    スタッフにはスタッフの事情があります。

    限られた時間、人員、業務量。

    見えていない苦労も、きっとあると思います。

    そして何より、僕自身も、
    自分の考えを周囲に十分伝えられていたのだろうか。

    そんな反省があります。

    「もっと子どものことを考えてほしい」

    そう思うだけでは、何も変わりません。

    では、どうすれば限られた時間の中でも、
    子どもの成長につながる支援ができるのか。

    どんな準備があれば、
    スタッフも無理なく関われるのか。

    そこまで考え、周囲と共有することも、
    僕に必要な役割なのだと思います。

    子どもの行動には、
    必ず何らかの背景があります。


    それは、大人も同じです。

    スタッフの行動にも、
    その人なりの事情や理由がある。

    だから、普段子どもたちに向けている視点を、
    一緒に働く大人にも向けなければいけないと思います。

    それでも、妥協したくないことがある。


    正直、今は少し疲れています。

    以前のように、
    何でも前向きに考えられるわけではありません。

    自分の力不足を感じることもあります。

    でも、一つだけ、変わらない想いがあります。

    子どもの未来につながる支援をしたい。

    今日、施設の中で静かに過ごせたかどうかだけではなく、
    明日、家で少し穏やかに過ごせるようになること。

    学校で困ったとき、
    自分から助けを求められるようになること。

    好きなことを終えるのが難しい子が、
    自分なりの切り替え方を見つけられるようになること。

    そんな小さな変化を、大切にしたいんです。

    保護者さんが、
    毎日どれだけ悩みながら子どもと向き合っているのか。

    そのすべてを理解できているとは思いません。

    それでも、せっかく大切なお子さんを
    預けていただいているのだから。

    施設で過ごす時間が、
    少しでもその子の未来につながるものであってほしい。


    そう願っています。

    今日は、
    いつもより少し弱音の多い記事になってしまいました。

    でも、こういう気持ちも、
    たまには正直に書いてみようと思いました。

    今すぐ何かを大きく変えられるわけではありません。

    まずは自分の体調を整えながら、
    できることを一つずつ考えていきたいです。

    子どもたちの未来のために、
    支援の質には妥協したくない。


    その気持ちだけは、
    これからも大切にしていきたいと思います。

     
     
    療育施設で働く公認心理師です。 発達が気になる子の子育てを、心理学と療育の視点から分かりやすく発信しています。 子どもの困りごとの見方や関わり方、保護者さんの心が少しラクになるヒントをお届けします。 安心して本音を話せる場所を目指しています🌿

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