
月の住人【シロクマ文芸部】【セリフ三題噺】
■セリフ
「するめのスメルがするねえ」
■三題
・家出
・ブルドーザー
・満月
月の住人
月を見る。
隣を見る。
あざらしと目が合う。
その隣も見る。
海坊主みたいなおじさんと目が合った。
「嬢ちゃん、俺と、コイツとあの満月。どれが一番まるいと思う?」
「え、分かりませんけど……」
おじさんが、あざらしの頭をペチペチする。
「コイツさ、イカが大好きなんだよ。
でもな、人様が食うするめはダメなんだとよ。
『するめのスメルがするねえ。美味そうだけどコレはムリ』てな。正直だろ!」
そう言うと、おじさんとあざらしはブルドーザーに乗ってエンジンをかけた。
「ちょっくら月行ってくるわ!このブルで、嬢ちゃんに月の砂持ってくるぜ!」
「あ、別にいらない……」
ブルドーザーは空高く飛んで行く。
すると、月からお迎えのような団体が、こちら目がけて飛んでくる。
「やべえ!逃げるぞ!!」
慌てて逃げ出すおじさんとあざらし。
月の使いが私のところに来て聞いた。
「さっきまでここにいたお方は、どこへ行かれたかご存知ですか?」
「なんか、月に砂を取りに行くとか言ってましたけど……」
「まあ!姫ったら、あざらしを連れて家出したと思ったら、全く!!」
「あの、ちょっと待って下さい!姫って、あの海坊主のおじさん……」
一目散に帰る月人御一行。
姫……? かぐや姫……?
おじさんが……?
えっ!!!
見上げると、満月がやけにまんまるだった。
でも、一番まるかったのは、多分あざらしだ。
今回は、二つのお題から書かせていただきました。
いつもありがとうございます😊
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