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Photo byotora

おとぎ話診療所【毎週ショートショートnote】

    私はただ、ひっそり穏やかに暮らしていたかったのに。
    何故か、誰もが振り返る絶世の美貌を持った美青年に興味を持たれてしまった。周りの人々が嫉妬して嫌がらせしてきて大変だから、私のことなんて放っておいてほしいのに。……え? やっぱり面白い女だな、って? 何それ、やめてくれるかな、もう……


    「……完全に『現代のおとぎ話症候群』ですね」

    カルテから顔を上げ、患者の両親にカウンセリングの結果を告げる。

    「最近、多いんですよ。自らの現実の境遇から目を背けて、架空の出来すぎな夢物語に浸ってしまう。完治は難しい病です」
    「お、お願いです先生、娘を助けてください! お金ならいくらでも――」
    「……ええ。お金は別にいいんですが、この『力』を使うのは疲れるんですよね――」

    私は右腕の包帯をするすると解く。やれやれ、ひっそり穏やかに暮らしていたかったのに、こんなチートな『異能』を授かってしまったばっかりに――

    「描き換えろ、『神の見えざる手』――」



     
     
    三児の父です。 子供たちが成長して、ようやく多少の余裕ができたので、しばらくはリハビリがてら、気楽さを忘れずにつらつら綴っていきたいです。

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