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AI時代の創作メモ|創作大賞18万作品。人は、こんなに多くの作品の中から本当に「選べる」のだろうか(#創作論 #創作大賞 #Web小説 #カクヨム #小説家になろう #note #エッセイ #書籍化 #生成AI #画像生成AI)

    こんにちは。こんばんは。
    普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。

    AI以前は、

    文章を書く。
    絵を描く。
    音楽をつくる。
    映像をつくる。

    そういう「つくれること」自体に、かなり大きな価値がありました。
    もちろんそれは、名だたる文豪や画家をAIが簡単に超えた、なんて話ではありません。

    ただ、AI以後は
    これまでつくることができなかった人でも、一定品質以上のものをつくれるようになった。
    ここは、AIによって確実に変わった部分だと思っています。

    つまり、制作能力そのものがものすごい勢いで増えている。

    でも人間の一日は、相変わらず24時間なんですよね。

    AIが一日で30本の物語を書けたとしても、
    人間が一日に30本の物語を読むことはできません。

    つまり今、
    供給する力だけが増えて、受け取る側の時間は増えていない、
    という状態になっています。

    先日、中間選考の発表があった創作大賞では
    18万作品の応募があったことが話題となりました。

    ここで問題になるのが、
    「人間は、そんなにたくさんの中から選べるのか?」
    ということです。

    私は最近、配信サービスを開くたびにこれを感じます。

    「今は重たいものはちょっと……」
    「これは二時間あるのかぁ」
    「気軽に見られそうだけど、そこまで興味ないな」
    「好きな漫画家さん原作だけど、内容がわからないものを今見る気力はない」
    「評価3.5かぁ……」

    延々と迷った挙句、YouTubeを開く。

    ないですか?
    私は結構あります(笑)

    選択肢が増えれば増えるほど、人はたくさんのものを楽しめる。

    一見そう思うのですが、
    実際には、選択肢が増えすぎると、人は選ぶことそのものに疲れてしまう。

    いろんな個性がある100冊の小説なら比べられる。

    でも、自分好みの小説が1万冊ありますと言われたら、
    もう比較なんてできません。

    するとどうなるのか。

    社会心理学では、
    そのような状況で人は、選ぶ労力を外へ委託し始めるそうです。

    ランキング。
    レビュー。
    フォロワー数。
    知名度。
    口コミ。
    スコッパー。

    「自分で全部比較する」のではなく、誰かが一度選別したものの中から選ぶようになる。

    私は、これがこれからの創作市場でかなり大きな変化になると思っています。

    AIによって「つくる」が大量供給されるほど、
    「つくる」は希少資源ではなくなり、「選別」が希少資源になる。

    ひょっとすると、
    100作品を書ける人より、

    100万作品の中から
    「この30作品は読む価値がある」
    と選べる人のほうが価値を持つ世界になるかもしれません。

    そして、私はもう一段先がある気がしています。

    誰かに30作品まで絞ってもらったあと、
    最後に、なぜ、その中から“これ”を選ぶのかという問題です。

    一定以上に面白い作品が大量に並ぶなら、
    「面白いから」だけでは、最後の一つを選べなくなります。

    だから、これから少しずつ強くなるのではないかと思っているのが、
    「これが好きな自分でいたい」という感覚です。

    音楽でも、服でも、本でもそうですが、

    「私はこれが好き」と言うことって、
    実はその作品の評価だけではないんですよね。

    同時に、「私はこういうものを好きになる人間です」と、
    自分を外へ紹介しているのです。

    この音楽が好きな自分でいたい。
    この作家を好きな自分でいたい。
    この物語を大切にする自分でいたい。
    この価値観に共感する自分でいたい。

    そう考えると、作品を選ぶことそのものが自己表現に近づいていく。

    私はそんな未来になる可能性が高いと思っています。

    だからAI時代の創作で、私が今いちばん気になっているのは、
    「面白いかどうか」の、その次です。

    面白い(上手い)。それで?

    この「それで?」。
    これを単なる差別化とか、売るための付加価値という意味ではなく、

    その作品を好きになることで、受け手自身がどんな自分でいられるのか。

    そこまで含めたものになるのではないかと思っています。

    「面白い」は入口として必要でしょう。
    でも、同じくらい面白いものが100個あった時、
    最後に残るのは、「それでも私はこれが好き」と言えるものなのかもしれません。

    AIによってつくれるものが増えるほど、
    創作の価値がなくなるのではなく、

    価値が置かれる場所そのものが、
    少しずつ移動しているのではないか、

    そう思うのです。

    「つくれる」ことから、「選ばれる」ことへ。
    そして、「選ばれたものを、なぜ好きでいるのか」へ。

    選択肢が無限に近づくほど、何を選ぶかはその人自身に近づいていく。

    もしそうなら、
    これからの創作で問われるのは、
    単純に上手いものをつくれるかだけではなく、

    「これが好きな自分でいたい」と思える理由をまとえるか
    なのかもしれません。

    それがどんな理由になるのかは、作品によって、人によって違うでしょう。
    私自身も、明確には見えていません。

    あなたは、何を好きな自分でいたいでしょうか。
    そして、あなたの作品を好きになることで、読者さんはどんな自分でいられるのでしょうね。

    あとがき:
    好きと言えば、近頃、Z世代の間でスピッツが聴かれているそうですね。少し前はSOUL'd OUTの「ウェカピポ」が再燃し、ど真ん中世代としては驚くばかりです。その頃の音楽シーンってかなりカオスだったのですよね。ラルクなどのV系やSMAPなどのジャニーズ系、小室ファミリーにあゆにミスチル、ゆずなどのJ-POP。それからRIP SLYMEやDragon AshなどのHip-hopにレゲェ。ボディピなんかのサブカルも流行ってて、ラルク歌いながら耳に大穴が空いていたり、舌が割れていたり。私の耳にも爪楊枝くらいの棒が入っていました(笑)最近の音楽シーンにもあの頃に似たカオスさを感じます。だから私の再生リストは椎名林檎の「丸の内サディスティック」のあとにCreepy Nutsの「ちゅだい」、次は楽音の「mosi mosi?」みたいなことになってしまっています😅「mosi mosi?」ってHALCALIそっくりですよね!!わかる人いるかなぁ……(笑)あなたはどんな音楽を聴いてきましたか?


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    カランコロン

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    書籍化作家で、マーケター歴20年。 なのに中身はだいぶ繊細気質。 創作の裏側や、読まれる仕組み、時々ちょっと人生の話。 うまく言えない感情を、言葉にしていく場所です。

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