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絵が人をつなぐ夜──絵金祭り

    ​ 黒のリュックに2リットルのお茶とカルパス、そして一眼レフを詰め込み、35度を超える暑さの中バイクで片道4時間超。私が向かったのは、高知県香南市赤岡町で開催された絵金祭りでした。

     絵金祭りでは、土佐を代表する絵師である絵金の芝居絵屏風が町家の軒先に並べられ、ろうそくの揺らぐ灯りのなかで鑑賞することができます。美術館の均質な照明では見えてこない色彩の変化や陰影を体感できる、数少ない貴重な機会と言えるでしょう。

     絵金が芝居絵屏風に多用した、鮮血のように生々しい「血赤(ちあか)」は魔除けの力を持つとされ、祭礼の夜を彩る象徴的な色となっています。もちろん全ての絵において「血赤」が多用されているわけではありませんが、緑色との鮮やかな色彩対比、墨の黒色との明暗差も相まって、否応なしに「血赤」は私たちの記憶に強烈な印象を残します。それがろうそくの炎に照らされることで、まるで絵が生きているように表情を変えていくのです。これは写真で撮影するとよく分かると思います。

     しかし、この祭りの魅力は絵金の絵が持つ魔力だけに支えられているわけではないように思いました。なぜなら、私が「来て良かった」と感じたのは、絵だけが理由ではなかったからです。もちろん作品は素晴らしいものでした。「花衣いろは縁起 鷲の段」「花上野誉石碑 志度寺」「伊達競阿国劇場 累」などは必見です。しかし、それらの名作に劣らず印象的だったのが、祭りを支えてくださる人々の姿でした。

     祭りではボランティアの方々が作品の傍らに立ち、その場面や背景を解説してくれます。その姿からひしひしと伝わってくるのは、「絵金が好きだ」という純粋な気持ちです。それは来場者の多くにも共通していたことでしょう。とりわけ私のように県外から訪れた人々の目的は、間違いなく絵金の作品だったはずです。しかし、絵金について語り合える友人が身近にいるでしょうか。おそらく多くの人の答えは「ノー」です。しかし、この赤岡にはいるのです。同じ作品に魅了された人たちが、こんなにも。

     私たちの出会いは一期一会です。しかし、絵金の絵を通じてつながっています。まるで古くからの友人のようです。同好の士が集うことで作り出される一体感、その居心地の良さもまた絵金祭りに欠かすことのできない魅力なのだと思います。それはひとえに文化の持つ力なのかもしれません。

     半世紀にわたって続いてきた絵金祭り。その想いを現代まで受け継いでくださった全ての関係者の方々にお礼を申し上げたいと思います。多くの方々のご尽力のおかげで、素晴らしい一夜を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

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    測量士補、フォークリフト運転技能講習修了、日本商工会議所簿記検定試験2級、宅地建物取引士(登録済)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者試験合格、乙種第4類危険物取扱者試験合格、将棋アマ2段、ただしフリーター

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