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布団派だった私がベッドを好きになれた理由

    ドイツで学生生活していたときのこと。

    当時住んでいた寮にはベーシックな家具がついていて、机と椅子、そして収納棚のほかにシングルベッドがありました。

    友人を呼んでお泊まり会をよくしていた私は、来客時に使える折りたたみマットレスを購入して、敷布団に仕立てて使っていました。

    遊びに来た友達は「そんなのわるいよ、私がマットレスで寝るからさ」と口をそろえて言う。でも「こっちは床で寝ることに慣れているから」と、できるだけベッドを使ってもらうようにしていました。

    実際、固めの寝具に慣れていない欧米の方がうすい布団を使ったりすると、なかなか寝付けないし、朝は身体がバッキバキになる!という話もよく聞きます。

    だからこそ、日本にいたときはずーっと布団で生活していた私がベッドをゆずらない理由がない。

    ちなみに、私は絨毯やヨガマットの上でも長時間寝ていられるほど寝具にこだわりがない人間。高校生の頃に、リビングで本を読んでいたらそのままカーペットで寝落ち、日の出までぐっすり寝ているなんてこともしょっちゅうありました。

    逆に、ホテルによくあるようなふかふかのマットレスはめちゃくちゃ苦手。身体が沈んでいって、くぼみにハマったまま身動きがとれない感覚が好きではありません。

    そしてベッド自体に高さがあって、マットレスにも厚みがある場合も、あまり心地よいとは思えません。ベッドの上によじ登ると、自分が空間の高い位置でぷかぷかしている感じが落ち着かないので。

    ヨーロッパで暮らすようになってからは、すでにマットレス付きのベッドがある賃貸アパートに住むことが多かった私。備え付けの家具を捨てたり、取り替えることもできず、なかなか自分好みのベッドに出会えないままでいました。

    そのうち「ベッドとマットレスにはそんなにお金をかけなくたっていいよね」とすら思うように。

    なので、1年半前にまっさら状態のアパートに引っ越してきたときは、夫とふたりで「なんでもいいんじゃない」みたいなノリで寝具を選んでいきました。確かに、睡眠の質を上げるためには上質な寝具であるほうがいいのかもしれません。でも、夫はそこまでこだわりがなく、私はすでに諦めの境地に達していたので、予算を重視することに。

    ベッドはシンプルなウッドフレームのものを。マットレスはIKEAの一番うすいものを。

    それが案外よかった。

    ベッドフレームの高さは床から30㎝というローな作りになっていて、私が苦手な“高いベッド”問題をクリアしてくれました。

    マットレスの厚みが少なく固めの寝心地がいい感じのはもちろんのこと、視覚的な圧迫感もほぼありません。部屋の中でのベッドの存在感がうすいのはやっぱり気持ちいい。

    ベッドは大きな面積をとる分、高い位置にあると、空間が狭く見えてしまいます。なので、意図していたわけじゃないけど、部屋を広くスッキリ感じさせてくれる寝具を選んだのは本当にラッキーでした。

    もうひとつ、ベッドがある生活のいいところは、ただそこにあるだけでサマになるところだと思っています。

    布団はどうしても生活感がでてしまうアイテムですし、しまっておかないといけない。でも、ベッドだったら、クッションやスローブランケットを使って部屋にアクセントや色を足せるし、ベッドメイキングの仕方でいろんな表情を演出できる。

    せっかくベッドがあるなら、素敵なアイテムで変化をつけたりして、インテリアを楽しまない手はない。

    私がベッドというかさばる家具を好きになれたのは、キャンバスに絵具を広げるように、インテリアで遊べるからだと思っています。

     
     
    セーヌ川のほとりで暮らす28歳。部屋づくり・余白づくり・暮らしづくりについて書いています。だれもが「おうちが一番好き」と言える世界を見たいから、研究職をやめてインテリアデザイナーになりました。

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