
【掌編小説】Diddy Bop #なんのはなしですか。
Diddy Bop
(1188文字)
あら、遅れてごめんなさい、待ったわよねッ、三時に来たでしょう、ほんとうにごめんなさいねッ、ちょっとね困ったことがあってねッ、今朝ね、新聞受けの新聞がとられてなくてね、おかしいなって思ったんだけどねッ。
あら平気よだってまだ三時二分じゃない、二分しか経ってないわほとんど時間通りよ。というか時間通りに来たんじゃないの。うちも困ったことがあったのよ。今朝ねいつも五時に起きてるんだけど六時に起きたのよ。だから遅かったんだけど。あれ。今日のお店はどちらでしたっけ?
お店はあちら、市役所側よ、ほら看板に書いてあるわ、こっちで合ってるわねッ、私の病院もあちら側でねッ、今朝ね、新聞受けの新聞がとられていなくてね、おかしいと思ったんだけど、九時に病院に行かなきゃいけなかったからね、行ったのよ、それで帰ってきてねッ、まだ新聞残っててね、それでねッ。
あらそうありがとう。あら階段があるわよ。クミちゃんは階段上れるかしら?私は平気なのよ。うちのお父さんはめっきり階段使えなくなって。今朝のことなんだけど、お父さんいつも四時に起きてガサゴソ物音立ててうるさいのよ。でも今日はしなかったから外に出てるかと思ったのよ。であたしも散歩に行こうと思って外に出たら、うちのエレベーター止まってたのよ。だからお父さん外出れないはずなのよ。
階段は上れるわよ、ご心配ありがとねッ、うちのお父さんも足は大丈夫でね、散歩にはよく出てたね、仕事辞めて友達なんかもいない人だったけど、町には挨拶する人がいたのよねッ、今日も散歩に行ってるのかと思ったけどねッ、あら可愛い、可愛いわね~。
可愛らしいわね~何歳かしら?へえ三歳なのこの時期の女の子一番かわいいわね~。あら、男の子?
あらぁ、男の子なの?
そうなの男の子なのね。へぇ。(バイバーイ)ふふふ、ばいばい~。
最近の親の考えることは全然わからないわよねッ。あんなもの被せてねッ。
ね、あんな頭のつけてピンク着せて。
ねッ。
……
そういえば、なんのはなしでしたっけ?あそう、それでうちのエレベーターが止まってたのよ。点検だか何だかって、だからお父さんお外にいるんじゃなくて寝てるんじゃないかなって思ったのよ。それでそのまま散歩に行ったんだけど、帰ってきて七時くらいだったかな。やっぱ物音がしないのよ。普段早起きだしうるさい人なのよ。ずっとね。歩くときももの出すときも乱暴だし、お茶すするときももの食べるときも歯を磨くときも本当に音が大きくて、ずっとそうなのよ。仕事辞めてからずっと家にいるじゃない、それが本当につらくてつらくて。でも今朝ね、それで変だなと思って部屋見たら布団の中で冷たくなってたのよ。
え、あたしも、変だなと思ってねッ、お父さんの部屋見たらねッ、布団の中で冷たくなってたの。
うそうちと同じじゃないの。
でもねッ、私クミちゃんとの約束あったから来た。
あたしもさっちゃんとの約束あったから来たわ。