
主人公の名が店名だった喫茶店のはなし|シェアキッチンのお菓子屋さん|
以前、立ち寄った喫茶店のはなし。
東京・勝どきにある「カフェ&クラフト虔十」に立ち寄った。
歩き疲れてとにかく休憩したいと思って見つけた喫茶店。
店主手作りの陶芸に入ったアイスコーヒーは、心地よいひんやりとした冷たさが手に伝わってスッキリした味わいで美味しかった。
一息ついた時に、店名の”虔十”という珍しい漢字が気になり調べたところ、「虔十公園林」という絵本からとった名前のようだった。
絵本をテーマにしてお菓子を創作している私にとっては、その絵本の主人公の名前を店名に入れる発想が、自分が開きたい方向性の喫茶の形を垣間見た気がして何か引っ掛かるものがあった。
本の主人公の名前をあえて店名にしている理由が知りたくなり、後日、その絵本を読んでみた。
主人公の少年が同じ年齢の子達とは異なった感性によって馴染んでおらず、その様子を周囲に揶揄される。少年は、それに惑わされず直向きに自分の感性に従って行なうのだが、それが後に様々な人々に癒しをもたらし、馴染めなさというものが最終的に人と繋がる何かの形になったというもの。
主人公を通して人間としての純粋な部分に触れられ、何か希望を感じられる物語という感じがした。
この絵本を読んだ後にあの時に行ったお店を振り返ると、この主人公の持つ味わいに希望を感じた店主の想いがこもっていることを想像し、より素敵に感じられた。