
文学フリマ京都、紙の匂いにまぎれて
無料券って、こんなに手強かったっけ。
1/18、よく晴れた日に文学フリマ京都へ行ってきました。
みやこめっせの入口で、ビジターラベルのシールを「ぺりっ」と剥がして胸に貼る。さらっとしていて、貼ったことをすぐ忘れそうなくらい軽い。それでも、あの「ぺりっ」だけで気持ちが会場モードに切り替わるから不思議です。
中に入ると、声が途切れない。「こんにちは」「どうぞ」の間を、紙がめくられる音と、袋が擦れる音が流れていく。視界の端で誰かが立ち止まり、また歩き出す。私はその流れに混ざって、1階を歩いて、3階にも上がって、また戻る。上下を何度もしたわけじゃないのに、充分に歩いた気がしました。
1月末とは思えない暖かさで、上着の前を開けたままでも平気だったから、足取りまで軽くなる。
いつも聴いているポッドキャスト「Ossan.fm」のブースにも寄りました。
クリスさんとナガヤマさん、そしてまめまめキャストのゆうさん。話したのは3分くらいだったと思う。長話じゃないのに、耳で知っている声が目の前で立体になると、時間の密度が変わります。
別れたあとに「サイン、もらえばよかったな」と反省もしたけれど、それは今日の主役じゃない。会えたことと、ちゃんと話せたこと、その嬉しさのほうが確かでした。

帰り道、妻が「アイスの無料券がある」と言うのでコンビニへ。ここから先は、文学フリマというより、レジ前の短編です。
店員さんが外国の方で、無料券を見て首をかしげた。
「無料券……わからない……」。
こちらも一緒に画面を見つめるしかない。店員さんは券とレジを行ったり来たり、奥へ入って店長さんを呼んできたり、とにかく必死。私たちも私たちで、後ろに人が並びはじめる気配だけで、体温が一段上がる。会場の暖かさとは別の、じわっとくる汗。
そのとき、店員さんが困った顔のまま言いました。
「あれ?倍の価格になってしまいました。」
イヤ、無料券なのに倍の料金にされても困ります。笑
でも、こういうときに笑うしかない、って本当なんだなと思いました。店員さんも「ごめんなさい」を繰り返していて、こちらも「大丈夫です」と言いながら、内心は(頼む、ちゃんと無料であれ)と祈っている。
なんとか会計が通って、私たちはコンビニの前の椅子に座りました。溶けるかもしれない、という焦りからようやく解放される。包装を「びりっ」と開けて、ひと口目が「さくっ」。その音だけで、さっきまでのあたふたが、少しだけ“今日の面白い出来事”に変わっていく。甘さって、こういうときにちゃんと働く。
よく歩いた一日でした。
あなたは、後ろに人が並ぶだけで焦るタイプですか?
私は、かなり焦る側です。
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今日も元気に楽しく
ハタモトでした。
文学フリマ京都、歩き回っている間に手に取っていたものはこちら。
