
【創作BL小説】せんのはれ episode 待つ時間
夕飯の食器を洗って、恒一は冷蔵庫からビールを取り出した。
今朝、「遅くなる」と言っていた同居人の千晴は二十時を過ぎてもまだ帰ってこなかった。
ソファーに座り、プルタブを立てる。
テレビはドキュメンタリーが流れていた。
ソファー横の床に積んだ本を指先で探る。
三冊あるうちのどれにしようかと迷って、結局仕事の本にした。
この本を読むのは三回目だった。
適当につまみ読みする。
飽きたところでビールを飲み干し風呂場に向かった。
シャワーを浴びながら、このまま排水溝に流れてしまいそうだなとぼんやりした頭に浮かぶ。
打ち消すために、力を込めて頭を洗った。
シャワーを止め、洗面所に出る。
リビングから、どさり、という音がした。
千晴だ。
手早く体を拭き、パジャマを身につける。
ドライヤーはやめる。
フェイスタオルで髪を拭きながら、リビングに入る。
千晴はシンクに寄りかかり、麦茶を飲みながら唸るレンジを半眼で眺めていた。
目が合った。
その顔が緩む。
「おかえり」
声をかけると、微笑んだ。
「ただいま。 麦茶飲む?」
「うん」
千晴が出してくれた麦茶のポットは冷たかった。
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お題をお借りしました。
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千晴と恒一の出会いはこちら(完結済)