
目黒バー暴行事件〜 綺麗なお姉さん2人が逮捕され番号で呼ばれた生活と不起訴までの軌跡〜
東京・目黒のバーで、些細な口論から殴り合いの喧嘩を起こした20代の美咲と沙織。興奮状態の二人は駆けつけた警察官に暴行の現行犯で逮捕される。体の前で手錠をかけられ青い腰縄を巻かれた二人は、それぞれ目黒警察署と原宿警察署へ移送された。屈辱的な全裸での身体検査を経て、留置場では名前を奪われ「番号」で呼ばれる日々に直面する。送検や取り調べの過酷な現実と深い後悔を経て、最終的に双方が被害届を出さず不起訴となるまでの物語と葛藤を描いた小説です。
第1章:目黒の夜、理性の崩壊
金曜日の夜、東京・目黒区。目黒川沿いの静かな喧騒から少し路地に入った場所にある、隠れ家的な薄暗いバー。アンティーク調のランプが琥珀色の光を落とすその空間で、事件は起きた。
時刻は深夜1時を回っていた。店内にいたのは数組の客と、カウンターの奥でグラスを傾ける二人の女だった。
長谷川美咲(24歳)と、高橋沙織(25歳)。二人は共通の知人を介してこの日初めて酒を共にした、いわば「他人」に等しい関係だった。美咲はアパレルブランドの広報として連日のプレッシャーに苛立ちを募らせており、沙織はIT企業の営業職としてノルマに追われる日々を送っていた。どちらも、心の中に黒いストレスの塊を抱え込んでいた。
酒が進むにつれ、二人の会話は徐々に棘を帯び始めた。
「ていうか、その服のブランド、もう古くない?」
沙織の酔いに任せた何気ない一言が、美咲の導火線に火をつけた。
「は? ITの営業風情にファッションの何が分かるわけ? ダサいスーツ着てるくせに」
「誰がダサいって?」
言い合いは、瞬く間にヒートアップした。アルコールによって麻痺した理性は、もはや彼女たちをブレーキのない車に変えていた。
最初に手を出したのは美咲だった。沙織の肩を強く突き飛ばす。バランスを崩した沙織のグラスが床に落ち、けたたましい音を立てて砕け散った。
「なにするの!!」