
データで可視化する「通貨の本当の強さ」独自インジケーター3種の集計仕組みと活用法
僕が日頃のレポートで配信している通貨強弱データは、一般的なチャート分析や市販のインジケーターでは把握しづらい「市場全体の資金の流れ(資金循環)」を可視化するための参考データです。
今回は、データ分析の前提となる集計ロジックと、僕が独自に作成して採用している3つのインジケーターの特性について解説します。今後配信する為替市場分析レポートを読む際の参考にしてください。
1.なぜ「単体ペア」ではなく「1通貨vs7ペア」で集計するのか?
例えば「ドル円(USDJPY)が上昇している」場面を考えてみます。この上昇には大きく分けて2つの理由があります。
・パターンA:ドル自体が買われている(ドル高)
・パターンB:円自体が売られている(円安)
ドル円の単体チャートを見るだけでは、「ドルが強いのか、それとも円が弱いだけなのか」を判別することは不可能です。もし「円安」だけで上昇している場合、他のドルストレート(EURUSDやGBPUSDなど)ではドル高の動きが出ていない可能性があり、エントリー判断を誤る原因になります。
そこで僕のレポートでは、特定の1通貨(例:USD)が関係する全7つの通貨ペアを同時に監視・集計し、その通貨自体の「本当の強さ」を抽出しています。
2.USDを軸にした「7ペア集計」の具体例
USDの総合的な強さを判定するため、裏ではUSDが絡む7つの通貨ペアの「向き・勢い・乖離」をリアルタイムで一括算出しています。
【対象通貨ペア(USD関連7ペア)】
・EURUSD下落(ユーロ安・ドル高)→ドルがユーロより強い(+1)
・GBPUSD下落(ポンド安・ドル高)→ドルがポンドより強い(+1)
・AUDUSD上昇(豪ドル高・ドル安)→ドルが豪ドルより弱い(0)
・NZDUSD下落(NZドル安・ドル高)→ドルがNZドルより強い(+1)
・USDJPY上昇(ドル高・円安)→ドルが円より強い(+1)
・USDCAD上昇(ドル高・加ドル安)→ドルが加ドルより強い(+1)
・USDCHF上昇(ドル高・フラン安)→ドルがフランより強い(+1)
【集計結果】
USDの総合スコア:7戦中6勝(非常に強い/スコア:6)
このように、USD対相手7通貨の強弱を一網打尽に集計することで、「今、為替市場全体でUSD自体に資金が集まっているか」を客観的な数値として浮き彫りにします。
レポートでは、この集計処理を主要8通貨(USD、EUR、JPY、GBP、AUD、CAD、CHF、NZD)の全28ペアに対して網羅的に行う「全28ペアクロス集計」を実施しています。

3.独自開発した3つのオリジナルインジケーター
一般的なMT4/MT5やTradingView等の標準ツールには、全28ペアをバックグラウンドで一元処理して8通貨の相関スコアに変換する機能はありません。
そこで相場を異なる3つの切り口(波形・勢い・過熱感)から捉えるため、独自に設計・開発した3つのオリジナルインジケーターを使用しています。
①ZZ_Strength_Compare(波形・構造)
・集計内容:ZigZag(波形認識)ロジックをベースに、全28ペアの直近スイングの高値・安値関係からスコア(0〜7)を算出。
・主な役割:直近の相場構造における各通貨の相対的な勝ち数を可視化。スコアの急変(例:0から7への跳ね上がり)によって、直近の底打ちや天井反発の初動を察知します。
②DMI_Strength_Compare(勢い・トレンド)
・集計内容:全28ペアのDMIにおける(+DI - -DI)の差分値を通貨ごとに合算・累積(8通貨の合計は理論上常に0.00)。
・主な役割:方向性を持ったトレンドの強さやモメンタム(加速度)を測定。数値の絶対値が大きいほど、その通貨軸で強力なトレンドが持続していることを示します。
③BB_PowerDiff_Compare(過熱感・乖離度)
・集計内容:ボリンジャーバンドの移動平均線からの標準偏差乖離度(σ)を通貨ごとに合算。
・主な役割:相場の「行き過ぎ(買われすぎ・売られすぎ)」を測定。±10σ〜20σなどの極端な数値に達した場合、トレンドの継続だけでなく反落・反発(平均回帰)の警戒シグナルとして機能します。

4.多角分析のメリットと【状態判定】の読み方
1つの指標だけに頼ると「ダマシ」に遭うリスクが高まりますが、「構造(ZZ)×勢い(DMI)×乖離(BB)」を掛け合わせることで多角的に相場を分析しています。
・3指標が同方向に完全一致:非常に素直で強力なトレンドが発生している状態(例:強い買われ傾向 / 強い売られ傾向)。
・DMI/BBが高数値(過熱)かつZZが反転:長期トレンドの限界と、短期的反発・調整の兆候(例:買われすぎ過熱 / 売られすぎ過熱)。
日頃の「全28通貨ペア完全分析レポート」では、これらの要素を総合的に考慮し、ベース通貨視点での【状態判定(7段階)】(「買われすぎ」「強い買われ傾向」「やや買われ傾向」「中立・拮抗」「やや売られ傾向」「強い売られ傾向」「売られすぎ」)として一覧表示しています。日々の通貨ペア選定やトレードシナリオの構築に役立ててください。