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いいもの同士を足しても、“いい感じ”になるとは限らない

    配慮とは、誰にも嫌われないことではなく、誰が傷つくかを考えること

    悪気はなかった。

    むしろ、

    よかれと思ってやった。

    それなのに、

    相手を怒らせてしまう。

    そんなことがあります。

    「そんなつもりじゃなかったのに」

    と言いたくなる。

    でも、

    言われた側からすると、

    そんなつもりだったかどうかより、

    どう感じたか

    の方が残ります。

    ふて猫は、「善意」と書かれた箱を持ち上げて、裏側をのぞきます。

    「善意は、送った側の気持ちだけでは完成しません」

    法務省は、

    Netflixの恋愛リアリティショー『ラヴ上等』とタイアップしたポスターについて、

    批判が相次いだことなどから取りやめると発表しました。

    『ラヴ上等』は、

    いわゆる“ヤンキー”の男女たちが、

    恋愛や友情を通じて過去と向き合い、成長していく番組です。

    法務省保護局は、

    更生保護の取り組みを広く知ってもらい、

    生きづらさを抱える人々の立ち直りを、

    「愛(ラヴ)」を持って応援してほしい、

    という趣旨でタイアップしていました。

    ところが、

    「犯罪被害に遭った人はどう感じるのか」

    といった批判が相次ぎ、

    タイアップは取りやめに。

    法務省は、

    出演者や更生への取り組みそのものを否定するものではない、

    と説明しています。

    今日はこのニュースを入口に、

    「そんなつもりじゃなかった」が、なぜ通じないことがあるのか

    を考えてみます。

    合言葉は、

    読んで納得、明日ちょっとドヤれる。


    伝える側には「意図」があり、受け取る側には「立場」がある

    今回の企画。

    法務省側の狙いだけを見ると、

    それほど不思議ではありません。

    更生保護を知ってほしい。

    若い世代にも届いてほしい。

    立ち直ろうとする人を応援する空気をつくりたい。

    かなり前向きです。

    でも、

    犯罪被害を受けた人や、その家族から見れば、

    同じポスターがまったく違って見える可能性があります。

    「更生を応援することは必要だと思う」

    それでも、

    「ラヴ」という軽やかな言葉と一緒に扱われることには、

    割り切れない。

    そう感じる人もいる。

    ふて猫は、同じポスターを左右から眺めます。

    「同じ言葉でも、立っている場所が違えば、聞こえ方まで変わります」

    人間関係でも、

    これがよく起きます。


    「そんなつもりじゃない」は、説明にはなっても、取り消しにはならない

    励ましたつもりだった。

    冗談のつもりだった。

    親しみを込めたつもりだった。

    相手のためを思って言った。

    でも、

    相手には傷つく言葉として届いた。

    そんなとき、

    つい言ってしまいます。

    「そんなつもりじゃなかった」

    もちろん、

    意図を説明することは大切です。

    でも、

    それだけで相手が感じたものまで消えるわけではありません。

    ふて猫は、「言ったつもり」と「届いたもの」を別々の箱に入れます。

    「人間関係では、“何を伝えたかったか”より、“何として届いたか”の方が残ることがあります」

    これは、

    なかなか厳しいところです。


    いいもの同士でも、組み合わせれば難しくなる

    今回、

    『ラヴ上等』という作品そのものが問題、

    という話ではありません。

    更生保護が悪い、

    という話でもありません。

    立ち直ろうとする人を支えることも、

    必要です。

    ただ、

    法務省。

    犯罪。

    更生。

    被害者感情。

    恋愛リアリティショー。

    「ラヴ」という言葉。

    これらが一緒になることで、

    それぞれ単独ではなかった意味が生まれます。

    ふて猫は、二つの「良さそうなもの」を混ぜたら、少し違う色になったのを見ています。

    「いいものと、いいものを足しても、必ず“いい感じ”になるとは限りません」

    これも日常であります。

    親切と親切。

    正しさと正しさ。

    配慮と配慮。

    単体なら問題なくても、

    相手や場面との組み合わせで、

    急に違和感が出ることがあります。


    正しいもの同士が、ぶつかることもある

    このニュースを、

    「更生を応援する側」と

    「被害者に配慮する側」

    の対立にしてしまうと、

    少し違う気がします。

    更生支援は必要です。

    罪を犯した人が社会へ戻るための支えがなければ、

    再出発は難しくなります。

    一方で、

    被害を受けた側の気持ちも、

    簡単に置いていくことはできません。

    どちらも大切です。

    だから難しい。

    ふて猫は、二つの正しさの間に座ります。

    「世の中の難しい問題は、“どちらが正しいか”ではなく、“正しいものをどう両方守るか”で困ることがあります」

    白黒で決められない問題ほど、

    伝え方が重要になります。


    「分かりやすくする」が、軽く見えることもある

    行政の取り組みは、

    どうしても固くなりがちです。

    だから、

    人気作品と組む。

    親しみやすい言葉を使う。

    多くの人に見てもらう。

    これは広報として理解できます。

    でも、

    テーマが重いほど、

    「分かりやすさ」と「軽さ」の境界は難しくなります。

    ふて猫は、重たい荷物にかわいいリボンをつけて、しばらく考え込みます。

    「伝えやすくすることと、軽く扱って見えることは、ときどき紙一重です」

    職場でも同じです。

    深刻な話を、

    場を和ませようとして冗談っぽく伝える。

    相手との距離を縮めようとして、

    砕けすぎた言葉を使う。

    こちらは親しみのつもりでも、

    相手には、

    「軽く扱われた」

    と感じられることがあります。


    善意ほど、「反対側」を見た方がいい

    悪意があるとき、

    人は比較的慎重になります。

    これは言ってはいけない。

    これは怒られるかもしれない。

    そう考える。

    ところが、

    善意で動いているときは、

    自分を疑いにくい。

    「いいことをしている」

    と思っているからです。

    ふて猫は、「よかれと思って」の札の後ろに、小さな鏡を置きます。

    「善意は、自分が正しいと思いやすいぶん、反対側を見るのを忘れやすいことがあります」

    だから、

    大事な企画ほど、

    「喜ぶ人」だけではなく、

    「傷つく可能性がある人」

    からも一度見てみる。

    それだけで、

    かなり違うのかもしれません。


    相手の立場を想像することは、相手に全部合わせることではない

    ここも大事です。

    誰かが不快に感じる可能性があるなら、

    何もできない。

    そんな話ではありません。

    世の中には、

    どんな表現でも、

    必ず違う受け取り方があります。

    全部に合わせることはできません。

    でも、

    誰に一番大きく影響するテーマなのか。

    その人たちから見たとき、

    どう聞こえるのか。

    そこを一度考えることはできます。

    ふて猫は、送信ボタンを押す前に、一度だけ相手側の画面を想像します。

    「配慮とは、誰にも嫌われないことではなく、誰が一番傷つきやすいかを考えることなのかもしれません」

    完璧にはできなくても、

    想像することはできます。


    明日ドヤれる一言

    法務省が行った今回のタイアップには、

    更生保護を広く知ってほしい。

    立ち直る人を応援してほしい。

    という狙いがありました。

    でも、

    受け取る側には、

    別の立場があります。

    犯罪被害に遭った人。

    その家族。

    更生という言葉に複雑な思いを持つ人。

    同じポスターでも、

    見えているものは違います。

    ふて猫は最後に、

    「伝えたいこと」と「届いたもの」の間を見ています。

    「伝え方で難しいのは、“正しいことを言う”ことより、“誰の場所から聞こえるか”を想像することなのかもしれません」

    読んで納得、明日ちょっとドヤれる。

    今日は、

    法務省が『ラヴ上等』とのタイアップを取りやめたニュースを入口に、

    “善意と受け取り方は、なぜズレることがあるのか”

    というお話でした。

    「そんなつもりじゃなかった」は、

    誰にでもあります。

    だからこそ、

    言う前に少しだけ、

    受け取る側へ回ってみる。

    そんな人間関係のすれ違いを、メンバーシップでも少し深く眺めています。

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    医療現場で働きながら、人の判断ミス・思い込み・伝え方に興味を持った人です。心理学・行動経済学・脳科学の話を、日常や職場で使える雑学として書いています。合言葉は「読んで納得、明日ちょっとドヤれる」。ゆるくつながれるとうれしいです。一言コメントもフォローもお気軽に🐈基本お返しします。

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