
価値観の差より感覚の差に耐えられない
昨日の午後あたりから、なんとなく喉がイガイガするなぁと思っていたら、夜になって咳が出てきた。
咳って、寝ると余計に出る気がする。
寝具で体が温まるからと聞いたことがあるが、私はまだ夏掛け1枚だ。
この秋はまだ寒さを感じていないので、寝具や衣類による「温かさ」も求めていない。
寝たときの気管の角度が良くないのかなぁと思う。
朝起きると、若干の喉の痛みがある。
嫌だなぁ。
お昼ご飯を食べて、風邪薬を飲んでベッドに入る。
私の不眠症は、お昼寝もできないタイプだ。
珈琲も緑茶もいまは午前中だけの摂取にしている。
それでも、とにかく眠くならない。
若い頃からそうだから、加齢のせいじゃないと思う。
横になったまま、タブレットで配信番組を見る。
気楽に見られるようなアメリカの恋リア。
二人で飲んで帰宅したカップル。
結婚する予定になっているけれど、一緒に住んでまだ日が浅い。
女性のほうが、「疲れたぁー」と言って、ベッドに倒れ込み、そのまま布団に入って寝ようとする。
「えっ!? そのまま寝るの?」と男性が驚く。
「外を歩いた格好でベッドに入るなんてありえない! 着替えろよ!」
と彼は憤慨し、女性を起き上がらせようとする。
彼女は、彼がどうしてそんなことにこだわるのかまったくわからないようだ。
「いつもそうなの?」と彼は尋ね、彼女は屈託なく肯定する。
私は、たとえ15分のお昼寝でも(眠れないとわかっていても)、ベッドに入るなら絶対にパジャマに着替える。
外出でなくても、家で起きていた格好でベッドに入ることはしない。
服が皺になるとか、生活にけじめがつかないとかじゃなくて。
ベッドは、裸になってもいいところだ。
ならないけど。
肌に触れるという意味では、下着と同じ。
たとえだらだらと何もしなくても、起きていたときの服の外側が、肌に触れるところに密着するのをよしとできない。
着替えが面倒なときは、ベッドに入るのをやめる。
外出した衣服には、目に見えないいろんなものがくっついていて、それを、裸になるかもしれないベッドに持ち込む。
それが自分専用ならまだしも、恋人や配偶者も同じベッドに入るのに。
私は特段、きれい好きでもないし、むしろ一人暮らしになってからは、不精を決め込んでいる。
普段の掃除も四角い部屋を丸く掃いて済ませるタイプ。
でも、着替えないでベッドに入ることだけはできない。
防災的には、外に出られる(すぐに逃げられる)格好で寝たほうがいいかなぁと、地震のあとや台風の夜には思う。
でもできない。
逃げなければならない可能性があるなら寝ない。
番組を見ながら「着替えないならベッドに入らず床で寝ろよ」と思ったが、ああ、そうか、アメリカだから靴を履いているんだった。
外を歩いて、誰かの吐瀉物やおワンさまのウンチを踏んづけてきた靴で部屋に入るなんてことが、そもそも私にはできないんだった。
フランス生活でも、玄関と決めたところに線を引いて土足厳禁にしていた。
靴で歩いたところに横になるなんてありえないし、その人がまたそのままベッドに入ってきたら、容赦なく家の外に放り出すと思う。
酔って路上で寝ちゃうとか、ありえない。
そういう人は電車や駅とかの公共の座席にも座ってほしくない。
地面と地面じゃないところの境を守れない人は、かなり苦手だ。
これって価値観じゃなくて、感覚の違いなのよなぁ。
理屈じゃなくて、生理的なもの。
「このカップルは別れたほうがいい」と思いつつ、どうなったのかわからないまま、なんとなくウトウトした。
男性の「こんなのありえない」というところに共感して、リラックスできたのかもしれない。
元夫とは、価値観が違う点もあったけれど、こういう生理的な感覚は似ていたよなぁと思った。
だから、同じベッドで寝ることができたんだなぁと、いまになって得心した。
1時間ほどして起きると、喉の痛みとイガイガは引いていた。
念のため、夜も風邪薬を飲んで寝る。