
ある平和なひとときの記録
出雲平喜(いつもひらき)は、とある通販サイトに嵌った。
「これ良いよ。やってご覧よ」
そう声をかけてきたのは、冬乃山呼(ふゆのさんこ)だった。
それはSNSのふりをした通販サイトでのこと。
元来、主体性の無い平喜は、その言葉をそのまま受け取って参加した。
すると、
「いいね、いいね。その調子、次いってみよっか」
山呼の言葉巧みな誘いに乗って、平喜は次々と参加して、気が付いた時には連続何日投稿などと言う、訳の分からない中途半端な記録を祝うメッセージを受け取り、ふと、
「これはある種の洗脳、宗教法人の勧誘ではないか?」
と相棒の仔猫に語りかけていた。
そんな時だった。
「人もまっしぐら、チューペット」
のメッセージが頻繁に現れるようになった。
「これ食べたいにゃー」
相棒が何度も言うので、元来、主体性の無い平喜はそれを注文してしまった。
数日後、
置き配で、玄関前に大きなダンボール箱が置かれていた。
箱を家の中に持ち込むと、相棒が
「ごっちゃんです」
と尻尾を振った。
そんなことが何度か繰り返されたある日、
平喜は相棒が山呼に送ったメッセージを見てしまった。
「チョロいもんさ。首尾よくチューペットをゲット。お裾分けでそっちにも送っとくからね」
平喜は、一連の出来事を他人事のように書き込み、首を傾げた。
まっ、良いか。
平喜はチューペットが山盛りの皿を前に、相棒と遠隔参加の山呼も交えて、リモートコーヒータイムを楽しむのだった🥵