
座る場所をデザインするということ
座る場所をデザインする。
それは極論、綺麗な景色の場所に、
ただ椅子を置くだけでも成立する行為なのかもしれません。
けれど、そこに「設計」という概念を取り込む。
カタログから椅子を選ぶことなら、誰にでもできます。
しかし、私たちが本当にすべきなのは、
「人が腰を下ろし、ふと一息つく時間」のデザインです。
これは、「椅子」という記号の配置ではなく、そこに生まれる「人間の振る舞いや時間」を意識した設計なのです。
どんな景色を切り取るのか。
どんな陽が当たるのか。
そして、どんな影に包まれるのか。
そこには、座るという人間の身体的な行為に対する、底知れぬ深い洞察があります。
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堀部安嗣氏が手掛けた竹林寺納骨堂を訪れたときのこと。
高知県の五台山、境内の最奥にある木立に囲まれて静かに佇む霊廟です。

アプローチにたどり着くと、
低く抑えられて伸びる軒下が人々を迎え入れます。
その先へと足を踏み入れた先に、
「座る場所をデザインする」ことの、私なりの答えがありました。