
期限なき仕事は成長を奪う、「捨てる決断」が知的財産に変わるまで
「自分のペースでやりますから、完成したら提出しますね」
もし、こんな「期限なき仕事」が許される環境があるのだとしたら、そこでは本当の意味での成長は得られないと私は考えています。
「締め切りがあるなんて聞いていません」
確かにそんな状況もあるかもしれませんし、
言いたくなる人もいるでしょう。
ですが私は、「何日までにやればいいですか?」「〇日までに提出します」と、自分で早めの予定を立てて提案するようにしています。
なぜ、ここまで締め切りにこだわるのか。
それは、締め切りこそが「決断」することを経験させてくれる、人を強制的に成長させる最大の装置だからです。
どんな仕事でも、締め切りが存在すると思います。
私が身を置く建築設計の業務においては、無限に時間を与えられれば、誰でもそれなりに綺麗な図面を引くことができます。
しかし、現実のプロの仕事では、契約上の期限や「明日の朝イチの会議」といった絶対的かつ短期的なタイムリミットが常に迫ってきます。
まだ計画の細部が固まりきっていない、流動的で不確実な状況であっても、タイムリミットの前では「ここは後から調整できるから、今は深追いしない」と完璧主義を捨てなければなりません。
「ここだけは死守する」という優先順位をつけ、不完全でも「とりあえず形にして前に進める」という決断を下さなければならない瞬間が必ず訪れます。
例えば以前、膨大な図面作成の山場で「明日の朝までにパース(CGによる完成予想図)を10~20枚くらいサッと作っといてね」という指示で徹夜をした夜がありました。
当然、朝までにすべてを完璧に終わらせることは不可能です。一つ一つの建具のデザインや、空間に合う家具・照明器具の選定までは物理的に手が回りません。
そこで私は、それらの選定を「捨てる決断」をしました。
その代わり、