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今日伝えられることは、今日言いたい

    もう少し待ってみたら良いのに。後1回だけ。分かっていても「待つ」ことは私には難しい。待つことは楽しいものではない、待つのは結果が欲しいから。しかし、時が結果を運んできてくれるかは分からない。
    今日しかない、今がいい、タイミングを逃したくない。
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    2月13日、その日は珍しく母と二人での買い物だった。本当に嬉しかった。
    坐骨神経痛の母は特に真冬は動けず家にいるしかない。だから、買い物はいつも私が一人で行っていた。今なら分かるが雪の中、凍てつく寒さで外を歩くなんて、普通の人すら辛く、まして神経痛の人間には到底出来ないこと。その痛みは、体中の骨が折れたかと思い、息を吸うのもままならない程なのだ。
    おそらく大量のホッカイロを体のあちこちに張って、ズボンの下にスパッツを履き完全防護で足を引きずりながらやっと外に出てくれたのだろう。
    この日は、母にとっても特別だった。
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    母の背丈よりも高く積もった雪が歩道と車道を分ける。幼い私のペースに合わせて、のんびり歩き、スーパーに着いた。

    小さい町の大きなイベント。見たこともないチョコが沢山あった。食べ物なのか置物なのか分からないチョコや、アクセサリーのような形のものまで、夜景がひっくり返って並んでいるみたいだった。

    その中で私はお札の形をしたチョコを父にあげたいと思った。
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    母に「これ私が買ったことにしてお父さんにあげたいからお母さん買って」と言った。
    そうすると「そうゆうことはやったらダメなんだよ。自分であげるように」と言われた。
    母はカゴいっぱいにチョコを買っていた。ネクタイがセットになったチョコや、ウィスキーの入ったチョコ。1つ1つ見て回り、似たようなものをどっちにしようか見繕いながら選んでいた。にもかかわらず山盛りだった。
    神経痛の激しい痛みの中を我慢しながら、それでも伝えたい気持ちが沢山のチョコに代わったのだろう。
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    私は来年、小学生になったら自分で父にお札のチョコをあげようと決めた。
    しかし、この「来年でいいや」との考えが間違えだった。せっかく母が私を連れてきてくれたのに。
    私が父にチョコをプレゼントできる日は来なかったのだ。
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    また今度、また次に。
    それはあるのだろうか?

    限りある時間の中で、伝えるべきことがあるなら、今、伝えたい。そして、同じように今を大切にしてくれる人と一緒にいたい。
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    婚活をしていると、「今度言う」「次は言いたいことがある」と間延びする人があまりにも多いと気づく。事情は様々だろう。天秤にかけていたり、決断出来なかったり。
    しかし、そうゆう方はきっと自分とは生き方が違うのだと思う。自分は、今の時間をタイミングを大事にしたい。
    待っていた時が来なかったときの心の痛みは底をしれないから。
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    何十年経っても、後悔が心に残る。
    あの時、チョコレート渡さなきゃいけなかったのだと。

    だから私が大事にしている教えは、今日を、今を生きること。

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