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随想奜日 第十四話『河井寛次郎』ずいう哲孊者 3581字 35分

     ここでは䞁床2幎前の原皿である。本節を曞いたのは圌歀9幎前になる。
    わたしの倧奜きな原皿、矎術系の随筆のようなものだ。わたしはこの原皿に救われおいる。

     この原皿があるから、今、生きおいるず曞いおもけしお過蚀ではないし、わたしの小説をはじめずする文藝に取り組むうえでの原点でもある。この原皿をあげおからだろう。わたしは曞かなければならないず思えるようになったのは。

     さお、玠人ずしお、仕事ずしお様々な矎術品であり、倚くの絵画を眺める機䌚を頂戎しおきたが、これほどたでに我が魂に楔を打ち蟌んだ芞術家ずなるず、ここの河井寛次郎、鉄ず䞀村、埡舟、ダ・ノィンチずカラノァッゞオぐらいだろう。

     河井も鉄も、そしお䞀村も、そしお埡舟も、同じ時代を生きた芞術家である。これがわからない。未だもっおわたしにも解せないのである。䜕がこれほどたでにわたしを惹き付けおやたないのか。

     激動の倧正から昭和を駆け抜けおきた芞術家の䜕にわたしは心捉たれるずいうのだろう。

     甚だ陳腐になるこずをお詫びしたうえで曞かせおもらうが、『お慕い申し䞊げおおりたす』ずしか曞きようが無いのである。
     
    お陰様で、本皿は倧勢の皆様に読んで頂き、たた皆様からの過分なお気持ちを頂戎しおおりたすこず、心より厚く埡瀌申し䞊げたす。

    拙い玹介文の為、なかなか解かり難いものだったかもしれたせんが、癟聞は䞀芋に劂かず。是非䞀床、京郜の河井寛次郎蚘念通もお運びくださいたすようご案内申し䞊げたす。

    皆様にずりたしお、2025幎が倚幞に圩られる日々ずなりたすよう衷心よりお祈り申し䞊げたす。                 

     䞖䞀

    ◆

    『暮しが仕事、仕事が暮し』
    そう謳った"哲孊者"がいた。島根県安来垂出身の陶芞䜜家であり、倧正から昭和の激動期を創䜜掻動に身を捧げた。河井寛次郎氏がその人だ。

     創䜜掻動期は「京郜」を拠点ずしお䜜陶に向き合っおおり、珟圚も河井寛次郎蚘念通ずしお窯跡をはじめ様々な䜜品を楜しむこずが出来る。
    倖囜人芳光客の足が倚いのも特城的だ。

    河井は曞家ずしお、詩人ずしおも名を知られおいる。
    チョットむンタヌネットでググっただけでも河井の遺した蚀葉にぶち圓たるこずに苊劎するこずは無いだろう。

     䞭でも『暮しが仕事、仕事が暮し』ず詠んだこの䜜などは知られたずころだ。どうだろう。この䞀線を読んだだけでも䞊みの哲孊者ではないこずがわかろうものではないだろうか。

     さお、たずは冒頭のサムネむルを眺めお頂けるず有難い。

    ここを蚪れおいただける優しく奇特な読者皆さんの感性をフルに働かせお眺めおみお欲しい。タむトルはあるのだがここで曞くこずは控え、巻末で玹介しようず思う。
      
     京郜は、東倧路を北ぞ䞊り、号線の手前150メヌトルを西に入るず、途端に静謐な町䞊みに倉わる。100メヌトルも歩くだろうか。北ぞ䞊る小さな蟻があり、これを䞊るず右手に蚘念通が珟れるのだが、蚘念通前はひっそりずしおおり、ずもするず、うっかり通り過ぎおしたいそうな䜇たいを芋せおいる。

    「営業」ずは皋遠い颚情だ。今にしお思えば(2015/02/02)受け継がれおきたご家族にずっお、あの䜇たいを創り䞊げ維持されるためには盞圓の詊行錯誀があったであろうこずが掚枬される。

     暮しが仕事、仕事が暮しを䜓珟化しおきた芞術家、河井寛次郎にずっお、暮らし堎所が「浮き䞊がる」こずは良しずしなかったであろうこずを想像するこずは容易い。

     謙虚に、それぞれの生掻の堎に溶け蟌むこずによっお氏の仕事のスタむルは確かなものぞず積み䞊げられたず眺めるこずは圓然のこずず思える。


     話しは前埌するが、島根県安来垂出身ず蚀えば、芞術愛奜家のむきには䜕床か通われおいるであろう、「足立矎術通」が知られおいる。足立矎術通の創蚭者・足立党康氏は特に地元出身の芞術家の蒐集に心を砕いたずいわれおいる。そんな瞁からか、足立矎術通にも数十点の河井寛次郎䜜品が収蔵されおいる。

     筆者も河井寛次郎ず云う名は昔から聞き知っおいた。同時に䜜品も代衚的なものは存じ䞊げおいる(芋たこずがあるレベル)。

     特に、ここに玹介した䞀枚は有名な䜜品の䞀぀だろう。したがっお、"以䞋"は私の「感性」を文字おこししたものずご理解頂ければ有難い。

     以前、氏の䜜品をながむる機䌚を埗た私が感じたこれら䜜品矀のテヌマは、「シンメトリヌ」ぞの拘りず「衚裏」の矛盟。即ち「人間」であり、「暮らしの線䞊にある信仰」ぞの畏れ。すなわち「死生芳」ぞず行き぀いた。

     䜜品から滲みだす雰囲気は、完党にシルクロヌドからの圱響を受けたものであるこずが染付からも芗うこずが出来る。葉象化した梵字。草花をモチヌフずしおもサンスクリットが顔を芗かせる。

    河井は䜜品䜜りを通じ、「畏れ」そのものを衚珟したかったのではないだろうか。人々の暮らしに掻きづく畏れ。それは死生芳、即ち信仰ぞず通じる。

    「自他合䞀」河井の座右の銘であったようだ。
    畏れは敬(うやたい)に通じる。
    己が限界は、合䞀によっお曎なる飛躍を遂げる。

    所謂、芞術的に矎術的に「矎しい」ず圢容されるには少々蚀葉がそぐわない。しかし凡おの䜜品が「映くしい」のである。"本質"を映し出す手段ずしおの「芞」であり、映くしさだったず私が曞けば幟分恣意的にもう぀るか。

    この時代「バ゚ル(映える)」ずいう蚀葉を芋聞きするのだが、云い埗おの劙を感じられないだろうか。そう。映えるのだ。

    倚くの䜜品にシンメトリヌず衚裏がある。
    巊右察称なれども、衚裏察象ではない。
    氏の人間芳を衚した䜜品矀ず蚀えるかもしれない。

    そんな河井がいき぀いた境地が円であり、䞞であり、真球だった。完党なるシンメトリヌ、衚裏の䞀䜓化、理想を突き詰め行き぀いたずころが真球だったようだ。自他合䞀の究極の姿ずしおの「真球」である。

     しかし、河井は同時に人間の持぀䞍完党さをも"肯定"しおいたこずが芗える。それが、シンメトリヌの「歪み」ずしお衚珟されおいるように思えお仕方がない。人間囜宝の話しも自ら断った皀代の陶芞䜜家である。

     己を衚珟する肩曞など持たず、暮らしの䞭に仕事があり、仕事の䞭に暮らしがある、ず戒めた創䜜掻動は私の様な凡人の理解が及ぶずころではない。

    若いころの䜜品でも、四角い䜜品の凡おが、角を削ぎ萜され䞞みを垯びた肩を芋せおいる。盎線的な四角さはない。すべお䞞みを垯びた四角さである。

     氏が、なにをテヌマずしおいたかを知る人は倚くはないだろう。行き぀くずころ「死生芳」だったのかもしれない。私はそう眺めおいる。   


     私が感じたこずは、「河井寛次郎蚘念通」ずいう「暮らし堎所」「仕事堎所」でながむるからこそ、類いたれな存圚感を感じさせる䜜品矀たり埗たのではないだろうかずいうこずであり、さきの足立矎術通の䞭で、同じテヌマを感じさせるこずが出来るかず蚀えば、それはずお぀もなく難しいず予枬する。

     逆もたた、真なのかもしれない。もちろん、これは力量の問題ではない。
    あえお申しあげるのなら「身の眮き堎」ずいうこずに尜きるだろう。

     それぞれが、それぞれに盞応しい身の眮き堎に、その身を眮いた時、持おる力は開攟の時を埗る。「芞術ず哲孊」は察だ。京郜ぞお蚪ねの際は是非䞀床お運び頂きたい。

    自他合䞀、
    シンメトリヌ、
    衚裏________。
    「人間」ずいうテヌマが衚だずするなら_________。裏は圓然のように「死生芳」ず萜ち着くだろう。

    暮しが仕事、仕事が暮しずいうこずを突き詰めるならば「死生」を掌るもの達ぞの畏れずいうこずに結節するのではないだろうか。

    河井の曞に「歀䞖は自分をさがしに来たずころ、歀䞖は自分を芋に来たずころ」ずいうものがある。どうだろう。死生芳ずいう蚀葉以倖匕き出すこずが出来ぬわたしが愚かなのだろうか。それずも_________ 。

    甚の矎、民藝䜜陶家。河井を圢容する蚀葉は様々にある。それもこれも自分で付けた呌称ではない。

     人々の暮らしに寄り添ったずころから本来の矎のあり様を突き詰めた芞術家であり、その姿勢は河井の哲孊によっお裏打ちされたものず眺めるこずが出来るだろう。

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    河井寛次郎䜜・癜地草花絵扁壺・京郜囜立近代矎術通収蔵䜜品

    さお、皆さんには河井がなにを衚珟した様にご芧になられるだろうか。

    私には_________ 初倏、燕の雛ひなが巣立ちを迎え、その雛に飛び方を教えおいる芪燕の姿に芋えるのである。

     䞊手に飛べよ、たあるく飛べよず__________。


    了

    文 飛鳥 侖侀


    ※サムネむルは数幎前に京郜垂京セラ矎術通での展瀺の際に筆者が眺めたものである。原皿は2015幎にアメブロで曞き䞊げたものをnote甚にリラむトを斜し再掲したものである。
    以䞋に貌り付けた写真は、河井寛次郎蚘念通で筆者が撮圱したものであり、2015幎のアメブロ原皿で䜿甚したものである。

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    茶道具のひず぀、建氎だろう。"こがし"ずもいわれる。
    さお、河井はなぜこれを倩目ずしたのだろう。震える。
    奥に芋える茶色の小壺の芋事さよ。
    畏れ倚くお、ぬか挬けなど挬けられぬわ。
    こういう旅は本圓に楜しい。

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