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第17話:もう、相談しないと決めた

    コーチングスクールに通い始めてから、
    私は、自分に問いかける時間が増えた。

    「私は、本当はどうしたい?」
    「これは、私の気持ち?」
    「今、何を感じてる?」

    最初は、何も浮かばなかった。

    うまく答えられない自分に、
    少しだけ焦りもあった。

    でも、問いを投げること自体には、
    少しずつ慣れていった。

    電車の中。
    シャワーを浴びながら。
    夜、ベッドに入る前。

    日常のすき間で、
    自分の内側を確かめる癖がついていった。

    そんなある日、ふと気づいた。

    私は、
    ずっと誰かに確認しながら
    生きてきたんだな、と。

    「どう思う?」
    「これでいいよね?」

    自分の決断に、
    いつも誰かの了承を添えていた。

    それが安心だったし、
    それが普通だと思っていた。

    でも、あのとき。

    「やめたら?どうせお金の無駄になるでしょ?」

    その一言を境に、
    何かが静かに変わった。

    私は、
    背中を押してほしかったんじゃない。

    ただ、
    一緒に考えてほしかっただけだった。

    でも、
    それが叶わないのなら。

    私は、
    もう相談しない。

    期待を手放す、というのは、
    案外静かな作業だった。

    声も荒げない。
    泣きもしない。

    ただ、
    「あ、もういいや」と
    心の中で線を引く。

    それだけだった。

    それから私は、
    何かを決めるとき、
    もう聞かなくなった。

    どう思う?
    間違ってないよね?

    その言葉を、
    飲み込むようになった。

    不思議と、
    寂しさはなかった。

    代わりに、
    少しだけ、
    自由になった気がした。

    相談しないということは、
    孤独になることだと思っていた。

    でも、違った。

    それは、
    自分で責任を持つ、
    ということだった。

    小さなことから、
    ひとつずつ。

    私は、
    自分の人生の舵を、
    自分の手に戻していった。

    まだ、
    何も終わっていない。

    何も壊れていない。

    でも、
    同じ場所には、
    もう立っていない気がしていた。


     
     
    「子どものために」「世間体が」「経済的に無理」 動けない理由、本当にそれですか。 私は、お金のせいだと思い込んでいました。 奥にあったのは、親を悲しませたくない気持ち。 6年悩んで、親に言ったら、動けました。 自分の本音に気づいて、自分で決めてほしい。 気づく、決める、動く。

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