
中溝康隆『プロ野球1年目の分岐点』。レジェンドたちの人生と、一気読みさせられた著者の「魔法」(今月の読了)
中溝康隆さんの『プロ野球1年目の分岐点 25歳の落合、18歳の大谷』を読みました。
結論から言うと、めちゃくちゃ面白かったです!
25歳でプロの門をたたいた落合博満さん、18歳で二刀流に挑んだ大谷翔平選手をはじめ、打率0割台からスタートしたルーキー時代の松井秀喜さん、「三振王」と野次られた背番号1の王貞治さん、アンチ巨人のゴールデン・ルーキー岡田彰布さん、そしてデビュー戦の視聴率がなんと36.4%を記録した江川卓さん……。
プロ野球史に名を刻むレジェンドたちが、一体どんな「1年目」を過ごしていたのかが描かれた一冊です。
この本に一気に引き込まれ、ページを繰る手が止まらなかった理由は大きく2つあります。
① 海外ドラマやNetflixのような「つなぎ」の上手さ
まず驚いたのが、本の構成と展開の見事さです。
基本的には1章ごとに1人の選手にスポットを当てた一話完結スタイルなのですが、各章の終わりに、次の章に登場する人物のエピソードがさりげなく仕込まれているのです。
まさに海外ドラマやNetflixの「良いところで次話へ続く」ような展開で、「えっ、次はどうなるの?」「この人がどう絡んでくるの?」と気になって、気づけば次のページを開いてしまっていました。この伏線と展開の作り方、著者の中溝さんは本当に上手いなと感心させられました。
② 1人ひとりの人生がぎゅっと凝縮されている濃密さ
そして何より、登場する選手たちの人生のドラマがぎゅっと詰まっています。
今でこそ「神様」「レジェンド」と呼ばれるような大選手たちですが、1年目から完璧だったわけではありません。ヤジを飛ばされたり、プロの壁にぶつかって打率0割台に苦しんだり、世間からの激しいバッシングや期待という名の重圧に晒されたり……。
読み終わったあと、「どんなにすごい人たちであっても、最初から完璧だったわけじゃないんだな。いろんな葛藤や苦労、分岐点を乗り越えて今があるんだな」と、胸が熱くなりました。
読み終えて
野球ファンはもちろんですが、スポーツに詳しくない方でも「1人の人間がプロの世界でどう足掻き、どう芽を出したのか」というドキュメンタリーとして絶対に楽しめる一冊だと思います。
気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。一気読み間違いなしです!
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