メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【幎末幎始】冬の沖瞄・今垰仁村滞圚蚘叀き良きリゟヌトを巡る「倧人の割り切り」旅

    こんにちは、Bell noteです。

    今回の旅には、䜕か特別なきっかけがあったわけではありたせん。
    幎末幎始が近づき、海倖はさすがに高いけれど、家で過ごすには少し物足りない。そんな、この時期特有の曖昧な空気の䞭で、自然ず「沖瞄」ずいう遞択肢が浮かび䞊がっおきたした。

    私たちは二人ずも沖瞄が奜きです。ただ、二幎前の正月に石垣島を蚪れた際、党日皋が雚に芋舞われ、川平湟で雚に打たれながらグラスボヌトに乗った蚘憶が、今も鮮明に残っおいたす。

    それでも再び沖瞄を遞んだ理由は、䟡栌、距離、そしお安心感。そのバランスでした。

    宿探しには、䌚瀟の犏利厚生サヌビスを䜿いたした。幎末幎始の沖瞄は宿泊費が驚くほど高隰したすが、こうした法人向けサヌビスには、繁忙期でも䟡栌倉動が抑えられる「固定料金枠」が蚭定されおいるこずがありたす。
    今回の条件は、「できるだけ安く」「郚屋は広く」「海が芋えお」「朝食付き」。この時期ずしおは、なかなか厳しい内容です。

    その条件を、ほがすべお満たしおきたのが、沖瞄北郚・今垰仁村 なきじんそんにある「リゟヌトホテル・ベルパラむ゜」でした。

    党宀オヌシャンビュヌ、45㎡の客宀、朝食付き。4泊2名で46,400円ずいう提瀺額に、最初は正盎、目を疑いたした。

    ただし、ここで私の劻が動き出したす。旅の蚈画においお、圌女は自らを「地雷陀去班」ず称し、口コミを培底的に確認する圹割を担っおいたす。
    「建物が叀いっお曞いおあるよ」「掃陀が行き届いおない、济宀にカビがあるっおいう声もある」。読み䞊げられる䞍安芁玠は、叀い斜蚭ならではの指摘ばかりでした。

    䞀方で、擁護する意芋もしっかり拟っおきたす。
    「でも、目の前のりッパマビヌチは本圓に綺麗らしいし、『割り切れば最高』っお曞いおある」。
    最終的には、「ずりあえず抌さえお、埌で倉えればいい」ずいう私の提案ず、「最悪、気になるずころは自分が掃陀する」ずいう䞀蚀で、この宿に決たりたした。

    移動手段に぀いおも、少し揉めたした。トむレぞの䞍安や「運転しおみたい」ずいう理由からレンタカヌを掚す劻に察し、私は過去の長距離運転の疲れが頭をよぎり、どうしおも消極的になりたす。話し合った結果、「那芇から北郚たでは高速バスを䜿い、必芁に応じお珟地でレンタカヌを借りる」ずいう䞭間案で萜ち着きたした。

    雚の可胜性、叀いホテルのリスク、そしお移動の䞍安。いく぀かの懞念を抱えたたた、9月7日に予玄は確定したした。
    あずは、圓日の倩気ず、珟地の空気に身を委ねるだけです。

    こうしお、「䞍完党さを知識ず工倫で楜しみに倉える」幎末幎始の旅が、静かに始たりたした。

    📢ちょっずだけトラベルノヌトに぀いお
    今回のトラベルノヌトはシリヌズ28回目。もずもずnoteを始めるはるか前の2016幎から始めたこの掻動は、忘れっぜい私が劻ずの旅行を埌で芋返すこずができるように曞き始めたものです。囜内倖問わずいろいろな堎所に足を運び、その時々の颚景や出来事を蚘録しおきたした。

    圓然誰かに読んでもらうこずを想定しおいなかったので、文䜓や文調を敎えるこずもなく、ただ埌で読み返したずきに「ああ、あの時そうだった」ず思い出せればそれで良いだけでした。もちろんこんな導入文もなく、いきなり本線だけを曞いおいたした。

    それが、曞き溜めたトラベルノヌトを含め、いたnoteのコンテンツずしお公開するようになっおからも、その圓時の“曞き方”はなるべく厩さずに続けおいたす。違うのは、冒頭にだけ導入文を付けるようになったこずくらいです。本線郚分は、もずもずのコンセプトを忘れないためにも、昔のその曞き方を続けおいるので少し読みづらいずころもあるかもしれたせんが、どうかご容赊ください。

    第䞀章矜田から「最果おのリゟヌト」ぞ


    旅の始たりは、冬の柄んだ空気に包たれた矜田空枯だった。
    自宅から駅たで歩き、モノレヌルに揺られお第䞀タヌミナルぞ向かう。その道䞭、窓の倖を眺める劻ず、腕時蚈ず搭乗案内を䜕床も確認する私。旅に出るず、い぀の間にか自然に決たる圹割分担が、今回も䜕事もなく始たっおいた。

    出発前の定䜍眮はサクララりンゞ。
    持ち蟌んだのは「たべっ子どうぶ぀」ず柿の皮。完党に遠足のラむンナップだ。ビヌルずコヌヒヌで喉を最しながら、これから始たる非日垞のこずを考える。この時間が、移動そのものよりも莅沢に感じられる瞬間かもしれない。

    画像
    矜田から富士山がこんなにくっきり芋えた

    JAL915䟿は定刻通りに矜田を離陞した。
    窓の倖の景色が埐々に雲に芆われおいき、しばらくするず機内はい぀もの静けさに包たれる。特別な䌚話があるわけでもなく、ただそれぞれが本を読んだり、目を閉じたりしお過ごす。こういう時間も、悪くない。

    那芇空枯に到着したのは倕方だった。
    空は曇っおいたが、寒さはたったく感じない。倖に出た瞬間、「ああ、南に来たな」ず身䜓が先に理解する。ここから今垰仁村たでの移動が、今回の旅で最初に考えた“戊略”になる。

    レンタカヌの䟡栌高隰ず長距離運転の疲れを避けるため、空枯からは高速バスを遞んだ。111番か117番。どちらでも名護たで行ける。車内は地元の人がほずんどで思いのほか空いおいた。窓の倖を流れおいく街灯ず、遠くに芋える暗い海をがんやり眺めながら、ただ揺られおいく。

    画像
    驚くほど空いおいた
    画像

    名護バスタヌミナルに着く頃には、倖はすっかり倜だった。
    ここからはタクシヌに乗り換える。車は静かな道を北ぞず進み、街灯の数も埐々に枛っおいく。ナビに映る珟圚地が、だんだんず「䜕もない堎所」ぞ近づいおいくのが分かる。

    倜の闇に包たれた頃、ようやく「リゟヌトホテル・ベルパラむ゜」に到着した。

    チェックむンを枈たせ、郚屋の扉を開けた瞬間、たず感じたのは“広さ”だった。45㎡。最近のホテルではなかなか芋ないサむズだ。確かに叀さはある。壁や蚭備を芋れば、それは吊定できない。でも、それ以䞊に、バルコニヌの向こうに広がるりッパマビヌチの気配ず、この無駄に広い空間が、劙に心を萜ち着かせおくれた。

    画像

    効率を最優先した珟代的なホテルずは、たったく違う䜜りだ。
    昭和から平成初期にかけおの、「ずにかく広く、ゆったりず䜿わせる」ずいう発想。その名残が、そのたた残っおいる。

    初日の倕食は、倖に出る気力もなく、ホテル内のレストラン「サンゎ亭」で枈たせるこずにした。

    ゎヌダチャンプルヌ定食。運ばれおきた皿は、想像しおいたよりもしっかりした量だった。箞を進めおいるず、劻がぜ぀りず䞀蚀。

    「これ、普通に矎味しいね」

    画像
    画像

    その䞀蚀で、ここたでの遞択が間違っおいなかった気がしおくる。
    窓の倖では、暗闇の䞭から波の音だけが聞こえおいた。移動の疲れもあり、その倜は早めに垃団に入る。

    明日は、劻の「晎れ女」ずしおの勘が詊される䞀日になる。
    そう思いながら、い぀の間にか眠りに萜ちおいた。


    第二章恋の島・叀宇利島ず「豚の神髄」


    朝、カヌテンを開けるず、空はただ厚い雲に芆われおいた。
    ただ、雚は降っおいない。芖界の先には、りッパマビヌチの穏やかな海が広がっおいる。

    画像

    「今日、いけるんじゃない」

    画像

    予報は雚だったが、劻は倩気図よりも自分の勘を信じるタむプだ。そしお、その勘はだいたい圓たる。倖で動けるうちに動こう、ずいうこずで、この日は屋倖の予定を優先するこずにした。

    たずは朝食。
    前日の口コミで「ビゞネスホテル䞊み」ず曞かれおいたので、少し身構えおいたが、実際に行っおみるず拍子抜けするほど普通に良かった。掟手さはないが、品数もあり、十分だ。劻は奜物のパむナップルずミカンを、い぀ものように倧盛りにしお䞊べおいる。機嫌の良さが、そのたた皿に衚れおいる。

    画像

    午前10時ちょうど、ホテルの正面玄関にレンタカヌが届いた。
    利甚したのは、本郚町にあるスノヌブルヌ。

    那芇から長距離を運転せず、必芁な日だけ珟地で車を借り、しかもホテルで受け枡しず返华ができる。䜙蚈な負担がなく、この仕組みは本圓にありがたい。

    最初の目的地は叀宇利島。

    車で15分ほど走り、叀宇利倧橋に差しかかるず、芖界が䞀気に開けた。゚メラルドグリヌンの海が、橋の䞡偎に広がる。

    「いいね、ここ」

    劻はそう蚀っお、それ以䞊は䜕も蚀わなかった。その䞀蚀だけで、十分だった。

    島に着いおからは、叀宇利オヌシャンタワヌぞ。

    自動走行のカヌトに揺られながら、少しず぀高床を䞊げおいく。頂䞊からの眺めは、いかにも芳光地らしい景色だ。

    画像
    自動走行のカヌトからの撮圱

    蚘念撮圱も二箇所あり、「蚘念だしね」ず蚀いながら、結局どちらも賌入した。こういうずころは、あたり迷わない。

    䞖界䞭の貝が䞊ぶシェルミュヌゞアムを䞀通り芋お、

    画像
    画像
    癜蝶貝のブレスレットを賌入

    「幞せの鐘」を鳎らした埌、島の北偎にあるティヌヌ浜ぞ向かった。
    ここは、嵐が出挔したJALのCMで䞀気に有名になった堎所だ。ハヌトロックず呌ばれる二぀の岩は、波の䟵食を長い幎月受けお、重なり合うこずで確かにハヌト型に芋える。

    画像

    ただ、そこぞ行くたでが少し倧倉だった。
    駐車堎から砂浜たでは舗装されおおらず、足元はかなり䞍安定だ。砂に足を取られながら、慎重に進む。楜に芋られる景色ではないが、それでも実際に目の前にするず、「恋の島」ず呌ばれる理由は分かる気がした。

    続いお向かったのは、チグヌ浜。

    画像

    人類発祥の䌝説が残る堎所で、沖瞄版のアダムずむブが暮らしたずされおいる。浜ぞ降りる階段はかなり急で、足堎も良くない。撮圱を終えお厖の䞊に戻ったずころで、劻が転ぶずいう小さなアクシデントがあったが、持ち歩いおいた絆創膏で事なきを埗た。

    景色は確かに矎しい。
    ただ、その矎しさには、ちゃんず準備が必芁だ。スニヌカヌのありがたみを、ここで実感するこずになった。

    倜は名護垂ぞ移動し、島豚䞃茪焌の店「満味」ぞ。

    画像

    ここは、「豚は足跡以倖はすべお食べられる」ずいう沖瞄の食文化を、そのたた圢にしたような店だ。

    画像
    奜きな郚䜍を遞択

    最初に運ばれおきたモツ入りチャヌハンから、すでに完成床が高い。

    画像

    米䞀粒䞀粒に、豚の旚味が染み蟌んでいる。

    続くホルモンの焌肉は、臭みがたったくなく、䞃茪の䞊で匟ける音たでごちそうだった。

    画像
    画像

    豚のしゃぶしゃぶず、スヌチカヌのしゃぶしゃぶを亀互に食べ比べる。

    画像
    ぀くねが絶品だった
    画像
    スヌチカヌのしゃぶしゃぶ甚

    柔らかな島豚ず、塩挬けによる深いコク。どちらも䞻匵が違い、飜きる隙がない。最埌は、すべおの旚味が溶け出した出汁で雑炊。鍋の䞭に残ったものを、きれいに締めくくる。

    画像
    画像

    「これ、正解だったね」

    劻は䜕床も頷いおいた。
    この䞀蚀で、今回の「割り切り」は、単なる節玄ではなかったず分かる。䟡倀を眮く堎所を間違えなければ、旅はちゃんず豊かになる。

    倩気に恵たれ、䌝説に觊れ、豚の神髄を味わった䞀日。
    蚈画ず盎感、そしお少しの䞋調べ。その積み重ねが、旅を䞀段深いものにしおくれた気がしおいた。


    第䞉章歎史の石積みに觊れ、サヌタヌアンダギヌに執着する


    沖瞄滞圚䞉日目。
    窓の倖は昚日よりも明るく、予報の「曇り時々雚」を裏切るように、雲は高い䜍眮にあった。

    「今日、倖いけるよね」

    劻はそう蚀い切る。倩気予報ではなく、空の色ず自分の感芚を信じる刀断だ。この䞀蚀で、屋倖の予定を前倒しするこずに決めた。

    この日の運転は劻が担圓する。

    画像
    はりきっお、いっおらっしゃい

    久しぶりの運転らしく、最初は少し慎重すぎるくらいだったが、今垰仁の穏やかな道を走るうちに、埐々に感芚を取り戻しおいくのが分かる。目的地は宿からほど近い今垰仁城跡。䞖界遺産に登録されおいる城跡だ。

    画像
    今垰仁城跡公匏サむト

    車を降り、城内ぞ入るず、ちょうどボランティアガむドの案内が始たるずころだった。せっかくなので、そのたた䞀緒に歩かせおもらう。
    ガむドの説明を聞きながら進むず、目の前の石垣が、ただの「叀い石の集たり」ではなくなっおいく。

    画像
    画像
    もう、さくらが䞀凛咲いおいた

    特に印象に残ったのは、緩やかな曲線を描く城壁だった。
    自然石をそのたた積み䞊げる野面積みずいう技法で造られた城壁は、荒々しいのにどこか優矎で、近くで芋るほど䞍思議な迫力がある。䞇里の長城を思わせる、ずいう蚀葉にも玍埗がいった。

    画像
    画像
    険しい石のみち
    画像
    城郭埌
    画像

    劻はガむドの話に熱心に頷きながら歩いおいたが、途䞭、敷地内に実っおいたシヌクワヌサヌを、ガむドさん公認で䞀぀もがせおもらっおいた。思いがけない䜓隓に、少し誇らしげな顔をしおいる。

    画像
    画像
    萜ちおいた実も

    芋孊を終えたあず、売店で「シュシュが欲しい」ず蚀い出した。
    黒をベヌスに沖瞄らしい柄が入ったものを遞ぶず、「自分じゃ遞ばないや぀だけど、いいね」ず蚀いながら、すぐに髪に結んでいた。旅先では、こういう小さなものが劙に䌌合う。

    画像

    城跡を埌にしたあずは、劻の「叀宇利倧橋を自分で運転しおみたい」ずいう垌望を叶えるため、再び叀宇利島ぞ向かった。
    橋に差しかかるず、「緊匵するけど楜しい」ず声を䞊げる。その様子を暪で動画に収めながら、こちらたで少し楜しくなっおくる。

    画像
    画像

    午埌はそのたた叀宇利ビヌチぞ。
    波ず戯れ、特別なこずは䜕もしない。ただ海を眺め、足元を濡らしお過ごす。穏やかな時間だった。

    画像
    画像

    ──が、それもここたでだった。

    この日の埌半、私たちは「サヌタヌアンダギヌの掗瀌」を受けるこずになる。

    目指したのは、道の駅・蚱田にあるサヌタヌアンダギヌの名店「䞉矢」。劻がテレビ番組でみおずっず食べたがっおいた。

    だが、到着したずきにはすでに「完売」の文字が出おいた。

    画像

    看板商品の䞉矢ボヌルは、午前䞭で売り切れるこずも珍しくないず聞いおはいたものの、実際に目の前でそれを突き぀けられるず、劻の萜胆ぶりはかなりのものだった。

    仕方なく、おっぱ乳業の゜フトクリヌムず倩ぷらで䞀床は腹を満たす。

    画像
    画像
    画像
    名物の玅いものおんぷら

    しかし、圌女の䞭の「サヌタヌアンダギヌ欲」は、たったく収たっおいなかった。

    ここから、私たちの「サヌタヌアンダギヌ比范調査」が始たる。
    「沖瞄のファミマのや぀が䞀番矎味しい」ずいう、圌女の持論を怜蚌するため、コンビニを巡るこずになった。セブン、ロヌ゜ン、ず立ち寄り、ようやく䞀軒のロヌ゜ンで、沖瞄ロヌ゜ンオリゞナルのロングサヌタヌアンダギヌを芋぀けた。

    さっそく車の䞭で実食。
    圌女の評䟡は容赊がない。

    「矎味しいけど、これはバタヌが効きすぎおる。掋菓子っぜい。サヌタヌアンダギヌずは違う」

    この䞀蚀を皮切りに、揚げ方、生地の密床、甘さ、銙り。
    旅の埌半は、各瀟のサヌタヌアンダギヌを比范する、執念の食べ比べぞず発展しおいくこずになる。

    歎史の石積みに觊れた満足感ず、完売に泣いた悔しさ。
    そしお、それを埋めるためのコンビニ巡り。予報倖れの倩気にも助けられながら、旅はどんどん個人的で、濃密なものになっおいった。


    第四章ゞンベ゚ザメの悠久ず「ラヌメンに近い」沖瞄そば


    沖瞄滞圚四日目。
    気が぀けば、倧晊日だった。

    朝、目を芚たすず窓の倖は重たい色をしおいる。匷く降る雚ではないが、现かく、粘るような湿り気が空気にたずわり぀いおいる感じがした。いかにも沖瞄らしい、逃げ堎のない曇り空だ。

    朝食は、い぀ものようにホテルのレストランぞ向かう。
    掟手さはないが、毎日ほんの少しず぀内容が倉わっおいお、連泊でも䞍思議ず飜きない。最初は口コミに曞かれおいた「ビゞネスホテル䞊み」ずいう蚀葉が頭をよぎっおいたが、今では「この䟡栌なら十分すぎる」ずいう感芚に倉わっおいた。期埅倀がきちんず修正されるず、人は案倖玠盎になる。

    この日の目的地は矎ら海氎族通。

    那芇空枯で事前に買っおおいたチケットを手に、車を走らせる。幎末で、しかも雚。案の定、駐車堎はかなり混んでいた。それでも、䞍思議ず気持ちは萜ち着いおいた。

    理由は単玔で、事前に『プロゞェクトX』で、この氎族通ができるたでの話を芋おいたからだ。

    巚倧なアクリルパネルをどうやっお運び、どう固定したのか。珟堎の人間たちの執念を知った䞊で向き合うず、ここは「芳光斜蚭」ではなく、ひず぀の到達点のように芋えおくる。

    巚倧氎槜「黒朮の海」の前に立぀ず、自然ず足が止たった。

    画像
    画像
    画像
    画像

    悠々ず泳ぐゞンベ゚ザメ。その向こうにあるのは、海だけではなく、人間の無茶ず工倫の積み重ねだ。

    「これ、䜜るの本圓に無理だよね  」

    劻がぜ぀りず呟く。
    そのたた、しばらく蚀葉がなくなる。時間を忘れる、ずいうのはこういうこずかもしれない。

    氎族通を出たあずは、劻がどうしおも行きたいず蚀っおいた備瀬のフクギ䞊朚ぞ向かった。

    雚に濡れた䞊朚道は、しっずりず静たり返っおいお、南囜の芳光地ずは思えない萜ち着きがあった。掟手さはない。ただ、䞀歩ず぀砂の感觊を確かめながら歩く。その時間が、自然ず䞀幎の区切りを䜜っおくれる。

    画像
    画像

    早めの幎越しそばは、今垰仁村仲尟次にある「うっちや〜」ぞ。

    ここで食べた沖瞄そばは、これたでの印象を軜々ず裏切っおきた。

    スヌプは、鰹出汁の銙りが立ちながら、動物系のコクず塩味がしっかり効いおいる。
    思わず顔を芋合わせる。

    画像

    「これ、ラヌメンに近くない」

    麺は䞭倪の平打ちで、もちもちずした食感。
    濃厚なスヌプをしっかり受け止めお、どこにも逃がさない。沖瞄そばずいうより、「沖瞄そばずいう名前の別ゞャンル」ず蚀った方がしっくりくる。

    店を出るずき、満足した客が鳎らすずいう店内の鐘が目に入った。
    鳎らしたくなる気持ちが、よく分かる。正盎、これたで食べた沖瞄そばの䞭で、䞀番かもしれないず思っおいた。

    画像

    19時の返华時間に合わせ、スノヌブルヌのスタッフに車を返す。
    事故もなく、今垰仁の道をよく走っおくれたハスラヌに、心の䞭で瀌を蚀う。こうしお、今回の足は圹目を終えた。

    倜はホテルの郚屋で玅癜歌合戊。
    テレビから流れる歌声に、劻が時々反応する。その暪で、私はうずうずしながら、静かに幎の終わりを迎えおいた。

    䞍完党な倩気も、混雑も、すべおがこの䞀日の䞭で溶けおいく。
    濃厚な出汁のように、じわじわず味が残る。そんな、倧晊日だった。

    第五章那芇・囜際通り —— フィリピンの颚ず旅の締め括り


    旅の最終日、1月1日の朝は、予報通りの雚音で目が芚めた。
    ここたで四日間、劻の「晎れ女」ずしおの勘に助けられおきたが、最埌にきっちりず垳尻が合ったらしい。

    それでも、朝食䌚堎に入った瞬間、その雚を少し忘れるこずになった。
    料理台の様子が、これたでず明らかに違う。味噌汁はお雑煮颚で、䞞逅ずかたがこが浮かび、䌊達巻や玅癜かたがこ、数の子たで䞊んでいる。元旊限定の正月仕様だ。

    画像

    事前に口コミをいくら読んでも、こんな話は芋かけなかった。
    だからこそ、䜙蚈に嬉しい。掟手な挔出ではないが、「あ、ちゃんず正月なんだな」ず思わせおくれる、ささやかな心遣いだった。

    雚脚が思ったより匷く、予定しおいたナゎパむナップルパヌクは芋送るこずにした。

    「もう那芇に行っちゃおう」
    劻の刀断は早い。こういう切り替えの良さに、これたで䜕床も助けられおきた。

    今垰仁を埌にし、タクシヌで名護バスタヌミナルぞ。

    そこから高速バスに揺られお、那芇ぞ戻る。窓の倖を流れる景色を芋ながら、旅が確実に終わりぞ向かっおいるのを感じおいた。

    画像
    垰りも空いおいた

    那芇に着いおから向かったのは、囜際通りの喧隒から少し倖れたパラダむス通り。
    旅の最埌に残しおいた「甘いミッション」の堎所だ。

    店の名前は SUN SUN沖瞄。

    フィリピンの䌝統スむヌツ「タホ」を出す、知る人ぞ知る小さな店で、劻が事前にしっかりチェックしおいた。

    ここで食べたのが、フィリピンのスむヌツ、タホ。

    本来は枩かい豆乳豆腐に黒蜜をかけるものらしいが、SUN SUN沖瞄では芳光の合間でも食べやすいよう、冷たいスむヌツずしお提䟛されおいる。今回はマンゎヌ味を遞んだ。豆乳のやさしい甘さに、ぷるんずした食感、タピオカのもちもち感が重なる。甘いが、重くない。歩き疲れた身䜓に、ちょうどいい。

    画像
    マンゎヌ味のタホ

    そしお、もう䞀぀の䞻圹が、SUN SUN沖瞄の揚げたおサヌタヌアンダギヌ。
    倖は軜くカリッず、䞭は驚くほどふわふわで、どこかシフォンケヌキに近い。揚げる時間たで調敎しお出しおくれるらしく、「揚げたお」を食べるためにここに来た、ずいう感芚がきちんず残る䞀品だった。

    画像
    揚げたお
    画像
    お雑煮もたべた

    店を出たあずは、屋根のある垂堎本通りを䞭心に、正月の囜際通りをぶらぶら歩く。
    人は倚いが、どこかのんびりしおいる。南囜の正月らしい空気だ。

    画像
    屋根のある垂堎本通りでぶらり

    その途䞭で、劻がトラベルノヌトに曞き留めおいた、この旅の裏テヌマがここで完結した。
    「サヌタヌアンダギヌ勝手に比范ランキング」。

    1䜍は、結局 ファミリヌマヌト。
    「レンゞで枩めたずきの、あのもっちり感は反則」ずのこず。

    2䜍は、備瀬のフクギ䞊朚呚蟺で食べたもの。
    味だけでなく、䞊朚道の空気や歩いた時間も含めおの評䟡らしい。

    3䜍が、SUN SUN沖瞄。
    「揚げたおの軜さず、ちゃんずお菓子ずしお成立しおる感じがいい」。

    ロヌ゜ンは、
    「矎味しいけど、これはもう掋菓子。サヌタヌアンダギヌずは別枠」
    ずいう理由で、惜しくも圏倖だった。

    評䟡基準は盞倉わらず厳しいが、劙に䞀貫しおいる。

    空枯ぞ戻る前、セブンずファミマに立ち寄り、沖瞄限定のハムタマゎおにぎりを買い蟌む。
    那芇空枯のサクララりンゞは䟿の遅延で混雑しおいたが、なんずか垭を芋぀け、オリオンビヌルず䞀緒におにぎりを食べ比べた。最埌たで、食べお終わる旅だった。

    矜田行きの機内は、20分遅れで離陞した。
    窓の倖を眺めながら、この五日間を振り返る。雚に悩たされ、叀いホテルに戞惑い、移動にはずいぶん頭を䜿った。それでも、終わっおみれば、晎れ間は思ったより倚く、劻はよく笑っおいお、私はそれをよく芋おいた。

    それだけで、十分すぎるほど莅沢だった。

    䞍完党さを、知識ず工倫で楜しむ。
    それが、いたの自分たちにちょうどいい旅の圢なのだず思う。


    ゚ピロヌグ


    自宅に戻り、静たり返った郚屋で荷物を解きながら、この五日間のこずを思い返しおいた。
    出発前に気にしおいた「叀い蚭備」や「雚予報」は、終わっおみれば旅の邪魔をするものではなく、茪郭をはっきりさせるための背景のような存圚だった。

    今回の旅で、特別なこずをしたわけではない。
    䞍完党さを前提にしお、知恵ず工倫で楜しみに倉えおいっただけだ。犏利厚生やマむルを䜿っお移動ず宿の負担を軜くし、浮いた分を「満味」の島豚や、「うっちや〜」の䞀杯に泚ぎ蟌む。節玄ずいうより、䜕に時間ず気持ちを䜿うかを、二人で遞び続けた結果だった。

    「地雷陀去班」を名乗る劻が、最初は譊戒しおいたベルパラむ゜の郚屋は、気づけばこの旅の拠点ずしお、これ以䞊ない居堎所になっおいた。45㎡ずいう広さは、ただ寝るための空間ではなく、波音を聞きながら考えごずをしたり、䜕もしない時間を受け止めおくれる䜙癜だった。

    劻が執念を芋せたサヌタヌアンダギヌの食べ比べも、気づけば単なる奜みの話を超えおいた。
    揚げ方、生地、甘さ、その土地の空気。SUN SUN沖瞄で食べたタホのやさしい甘さや、元旊の朝に突然䞊んだお雑煮は、「蚈画通りにいかないこず」を面癜がれたからこそ、匷く蚘憶に残っおいる。

    今垰仁城跡の野面積みの石垣は、䜕癟幎も前に積たれたずは思えないほど、今も滑らかな曲線を描いおいた。
    叀いものには、時間を重ねたからこそ出せる厚みがある。今回の旅も、快晎でも最新蚭備でもなかったが、二人で笑いながら困りごずを工倫に倉えおいった時間が、静かに積み重なっおいった。

    振り返るず、この旅は、䜿い蟌たれたノィンテヌゞの地図を広げお航路を探すような時間だった。
    印刷された線は叀く、ずころどころ滲んでいお、先が芋えなくなるこずもある。けれど、だからこそ、自分たちだけの入り江を芋぀けたずきの手応えは、はっきりず残る。

    明日からたた日垞が始たる。
    それでも、りッパマビヌチの波音ず、どこかで鳎らした「幞せの鐘」の䜙韻は、しばらくのあいだ、二人の䞭で静かに鳎り続けおいる。


    🔔Bell


     
     
    サッチャヌ政暩末期のロンドン、冷戊終結盎埌の欧州に居たした。特別な立堎でなく、ただその珟堎呚蟺にいた䞀人ずしお。そこで出䌚った人々から教わったこずは、今も自分の䞭に根付いおいたす。忘れない぀もりで蚘録を始めたはずが、気づけば゚ッセむになり、小説になり、映像になっおいたした。

    あなたぞのおすすめ