
お砂糖、結局どれを選べばいい?〜知っておきたい「身体によい糖分」との上手な付き合い方〜
「白い砂糖は体に悪いから、茶色い砂糖にしています」
「てんさい糖なら太りにくいんですよね?」
「はちみつなら健康にいいから、たくさん食べても大丈夫?」
よく、いただくご質問です。
スーパーのお砂糖売り場を見ると、上白糖、グラニュー糖、三温糖、きび糖、黒糖、てんさい糖……。
さらに、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップまであります。
種類が多すぎて、
「結局、どれを選べばいいの?」
と迷ってしまいますよね。
特に50代を過ぎると、体重や血糖値、健康診断の数値なども気になり始め、「少しでも体にいいものを選びたい」と考える方も多いと思います。
でも実は、甘味料選びでいちばん大切なのは、
「どの砂糖が一番健康にいいか」を探すことではありません。
大切なのは、それぞれの特徴を知って、目的に合わせて選び、摂りすぎないこと。そして、自分の体に合う甘味料を使うこと。
今日は、長年お菓子の世界に関わってきた私の経験も交えながら、お砂糖との上手な付き合い方をお伝えします。
そもそも、お砂糖は「甘くするだけ」ではありません
お菓子の世界で砂糖は、実は単に甘味をつけるためだけの材料ではありません。
生地をしっとりさせたり、焼き色をつけたり、食感を整えたり、お菓子のおいしさを支える大切な役割があります。
例えば、日本でよく使われる「上白糖」。
上白糖は細かな結晶に転化糖が加えられているため、しっとりした性質があります。一方、グラニュー糖は純度が高く、サラサラとしていて、すっきりした甘さが特徴です。
私はフランスでお菓子を作っていたとき、日本では当たり前だった上白糖は一度も見たことがなく、ほぼグラニュー糖を使っていたことが印象に残っています。
実は上白糖を使っているのって、世界では、ほぼ日本だけなのです。
日本人の好みや、お醤油と組み合わせて使う煮物などの「和食」に合っていたため普及したと言われています。
「茶色いお砂糖だから健康的」とは限らない
よくあるのが、「三温糖は茶色いから、白砂糖より体に良さそう」
というイメージです。
ただ、三温糖は茶色をしていても、ミネラルの茶色い色ではなく、カラメル化したり、カラメル色素を使って、上白糖に色を付けたものなのです。
つまり、
白い=悪い、茶色い=体にいい
と色だけで判断するのはおすすめできません。
「健康のため」というより、味や料理との相性で選ぶのがよいと思います。
きび糖・黒糖は「風味」を楽しむ
私が普段使いしやすいと思うものの一つが、きび糖です。
黒糖ほどクセが強くなく、やさしいコクがあるので、煮物や卵焼き、お菓子など幅広く使えます。
黒糖はさらに風味が強く、独特の香りとコクがあります。
お菓子作りでも、一部、黒糖の味を活かしたケーキやプリンなどは、とてもおいしいですよね。
ただし、黒糖やきび糖にミネラルが含まれているからといって、「たくさん食べても大丈夫」ということではありません。
あくまでも甘味料。
栄養を摂る食品というより、風味を楽しむ食品と考えるくらいがちょうどよいと思います。
てんさい糖なら安心?
健康に気を使っている方に人気なのが、てんさい糖です。
てんさい糖は、さとうきびではなく「てん菜(ビート)」という植物から作られます。
商品によってはオリゴ糖などを含むものもあり、まろやかな甘さが特徴です。
ただ、「てんさい糖なら血糖値が上がらない」「いくら食べても太らない」というわけではありません。
また、「てんさい糖」は栽培期間が長く、害虫もつきやすい為、一部では農薬や化学肥料の心配もあります。
なのでできれば、「有機JASマーク付き」のてんさい糖をおすすめいたします。
商品によって製法や成分も違いますから、健康イメージだけで判断するより、原材料表示を確認する習慣をつけることが大切です。
私は、パッケージの表より、まず裏を見る。
これをいつもおすすめしています。
はちみつは「健康食品」ではなく甘味料として
はちみつも人気ですね。
独特の香りがあり、ヨーグルトや紅茶などに少量使うだけでも満足感があります。
研究では、種類によって血糖や脂質などに好ましい影響を示した報告もありますが、まだ確実と言えるほどの研究結果ではありません。
ですから、
「生はちみつなら健康になる」
「寝る前にはちみつを食べれば痩せる」
といった情報は、参考程度にしておきましょう。
私は、「自分がそう思うのなら、きっとその効果もある!」
と、思っています(笑)
そして大切な注意点があります。
1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えてはいけません。
乳児ボツリヌス症の危険があり、加熱したはちみつでも避ける必要があります。
ちなみに「金属のスプーンではちみつをすくってはいけない」という情報も見かけますが、普通に食べる短時間の使用まで心配する必要はありません。
木のスプーンでも金属でも、使いやすいもので大丈夫です。
メープルシロップも「100%」を確認
私も好きなのがメープルシロップ。
カエデの樹液から作られ、独特の香りがあります。
ここで見てほしいのが原材料表示です。
「メープルシロップ100%」の商品もあれば、砂糖やシロップなどを混ぜてメープル風味に仕上げた商品もあります。
最近の小規模な臨床研究では、精製糖の一部をメープルシロップに置き換えた場合、一部の代謝指標に違いが見られたという報告もあります。ただし、「メープルシロップならたくさん食べても健康になる」という意味ではありません。
香りが強いので、少量でも満足しやすいところは魅力だと思います。
アガベシロップも「低GIだから安心」ではない
最近よく見かけるのがアガベシロップ。
クセが少なく、飲み物やお菓子にも使いやすい甘味料です。
血糖値が上がりにくいという理由で選ばれることがありますが、果糖を多く含むことも特徴です。
果糖は主に肝臓で代謝されるため、特に摂取量が多くなれば健康への影響が問題になります。ただし、研究では「果糖だけが特別に悪い」というより、過剰なエネルギー摂取そのものも重要だと考えられています。
つまり、
低GI=好きなだけ食べていいではありません。
摂りすぎると、中性脂肪が増えやすい点が挙げられます。
結局、どのお砂糖を選べばいいの?
私がお伝えしたいのは、「この砂糖だけを選べば健康になれる」というものはないということです。
普段のお料理なら上白糖やきび糖、素材の味を活かしたお菓子ならグラニュー糖、コクを出したいなら黒糖、ヨーグルトや飲み物ならはちみつやメープルシロップ。
そんなふうに、目的と好みに合わせて楽しむことが大切と思います。
そのうえで意識してほしいのは、次の3つです。
「健康に良さそう」というイメージだけで選ばず、原材料表示を見る
砂糖だけでなく、はちみつやシロップ類も「甘味料」と考える
種類にこだわる以上に、毎日どのくらい甘いものを摂っているかを見る
WHOでも、はちみつやシロップを含む「遊離糖類」は摂りすぎないことが勧められています。
私自身、お菓子を長年作り、世界中のお菓子を食べてきました。
だからこそ思います。
甘いものは、悪者ではありません。
お菓子を食べる時間にホッとしたり、大切な人と一緒に食べて笑顔になったり。
甘いものには、そんな幸せもあります。
大切なのは、
「絶対に食べない」でも、
「体にいい砂糖だから大丈夫」でもなく、
知って、選んで、上手に楽しむこと。
50代からの健康は、極端な我慢よりも、毎日の小さな選択の積み重ねでつくられていきます。
今日からお砂糖を買うとき、ぜひ一度パッケージの裏を見てみてください。
ちなみに、私は、
きび砂糖、蜂蜜、てんさい糖を使うことが多いです。
国産で、有機のものを使っています。
お値段は多少高くても、体に優しいので、
コストパフォーマンスは決して悪くないと思っています。
糖分は、我慢ではなくて「選び方」
好きなものを楽しみながら、無理なく体を整えていきましょう(^^