カメラなしで30秒のCMを作った全手順と、かかった費用
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ヨットで荒波を越えて、プレゼントを届けるサンタのCMを作りました。
カメラも出演者も使っていません。
映像、声、曲、効果音まで、全部AIで作っています。
商品の「SANTA ENERGY」は、この動画のために作った架空の飲み物です。
この記事では、実際にやった順番と、使ったツール、失敗、費用をそのまま書きます。
使ったもの
画像:GPT Image 2.5
3つのモデルに同じ指示を出して、一番臨場感があった動画:Kling 4.0
写実的な人物の画像から動画にできた声:Gemini 3.8 Flash TTS
年齢や話し方を言葉で指定できた曲:ElevenLabs Music
4つのモデルを聴き比べて決めた効果音:ElevenLabs Sound Effects V3
1音ずつ作れる全体の操作:Claude Code
指示文の管理、生成、編集を文章の指示で進められる
モデルはfal.aiというサービスからまとめて使いました。
Midjourneyも試したかったのですが、公式のAPIがなく、自動操作も禁止されているので、今回は使っていません。
ChatGPTの契約とAPIの利用も別物でした。
1. 主役を決める
最初に決めたのは、商品ではなく主人公です。
主役はサンタ。陽気なおじさんではなく、海で鍛えられた無口な船乗り
缶は、それを支える脇役
最後に初めて、缶をしっかり見せる
実は、最初のお題はカフェでした。
AIが苦手そうな題材だから、という理由です。
でも「そもそも、なんでカフェなのか」と考えると、作りたい理由がありませんでした。
見た人が「これを作りたい」と思うものを選び直して、サンタになりました。
2. カットごとに、何が起きるかを書く
画面に映るものだけでなく、「始まり、出来事、終わり」を書きます。たとえば荒波の場面はこうです。
始まり:嵐の中で舵を握る
出来事:巨大な波が迫り、船が持ち上がる
終わり:波を見すえる顔
ここで大事なのが「任務」です。
荒波を越えるだけでは、なぜ越えるのか分かりません。
そこで、プレゼントを船に積み、暖炉のそばのツリーに届ける場面を足しました。
3. 基準の画像を1枚作る
いきなり動画にはしません。まず主人公の1枚を作ります。実際に使った指示の冒頭はこれです。
Vertical 9:16 cinematic film still, high-end commercial.
A huge rugged man in his sixties with a long white beard,
deeply tanned weathered face and piercing eyes,
wearing a red waterproof sailing jacket with white trim
and a worn red Santa hat, grips the wheel...残りの場面は、この1枚を参照画像にして作ります。
指示の最初に「この人物と同じ顔、同じ服で」と書くと、場面が変わっても同じ人に見えます。
4. 動画にする前に、音と静止画で確かめる
画像を並べて、声と曲を重ねた確認用の動画を作ります。動きはなくても、流れと長さは分かります。
ここで、15秒では忙しいと分かりました。
30秒に伸ばすと、落ち着いて見られるようになりました。
動画にする前なら、直すのは安く済みます。
5. 画像を動かす
動画の指示には、見た目ではなく動きを書きます。
A towering wave rises behind him and the yacht heaves upward.
He grips the wheel hard and stares into the wave.
Handheld camera shake with a slow push-in on his face.
Preserve his face, beard, hat, jacket and hands...
No text appears.動きとカメラの動きを書いて、最後に「顔や服を保つこと」「文字を出さないこと」を添えています。
Klingの動画の音は使わず、音は別に作りました。
6. 音を作って重ねる
声、曲、効果音を別々に作ります。
一番粘ったのは声です。
「渋い声」と書いても若く聞こえたので、最後はここまで書きました。
六十代後半から七十代の、渋い日本人のおじいちゃん。
海で長年生きてきた老人の、年季の入った低くかすれた声。
息が少し混じり、声に年齢のざらつきがある。
若々しさや張りは出さない。
ゆっくり、静かに語りかける。演技くさくせず、力を抜いて、言葉を噛みしめる。声の高さではなく、年齢、経歴、話し方まで書くと、やっと聞きたかった声になりました。
7. 書き出したものを、スマホで見る
最後は完成したファイルそのものを、再生して確かめます。
音がずれていないか、最初から音楽が聞こえるか、文字が読めるかを見ます。
かかった費用
fal.aiの明細で確かめた金額です。
サンタのCMの時点:12.69ドル
そのうち動画(Kling):約8ドル
画像と音:残りの約5ドル
この金額は試行錯誤を含みます。
Claude Codeの利用料と、自分の作業時間は含みません。
金額は作った当時のものなので、使うときは料金を確認してください。
最初の1本は、5秒でいい
いきなり30秒を作らなくて大丈夫です。
主人公の画像を1枚作って、5秒だけ動かしてみてください。
Klingなら1080pで1秒0.235ドルなので、5秒で約1.2ドルです。
一人で進めるのが難しければ、順番に学べるスクールの無料相談もあります。