
【サイバー攻撃の不都合な真実】世界中で攻撃が激増!なのにロシア・中国・北朝鮮は安全なのか?
【サイバー攻撃の不都合な真実】世界中で攻撃が激増!なのにロシア・中国・北朝鮮は安全なのか?
世界中でサイバー攻撃が増えている。
企業の情報漏えい、病院のシステム停止、行政機関への侵入、そして身代金を要求するランサムウェア。
最近ではAIの進化によって、攻撃の自動化や高度化も進んでいる。
しかし、ここで一つ疑問が浮かんだ。
サイバー攻撃を仕掛けるハッカーたちは、自分の国を攻撃するのだろうか?
例えば、ロシア、中国、北朝鮮。
これらの国がサイバー攻撃の発信源として報じられることは多い。
では逆に、これらの国はサイバー攻撃を受けているのだろうか。
調べてみると、サイバー犯罪の背後にある国家と犯罪組織の複雑な関係が見えてきた。
🔳 世界のサイバー攻撃は増加している
サイバー攻撃の増加は、単なる印象ではない。
セキュリティ企業Check Point Researchの調査では、2025年の世界の組織に対する週平均サイバー攻撃件数は約1,968件に達した。
2024年の約1,673件から増加している。
ただし、これは同社が観測した攻撃件数であり、すべての攻撃が成功したわけではない。
それでも増加傾向は明らかだ。
背景には、犯罪の組織化、攻撃ツールの普及、AIの活用などがある。
かつては高度な専門知識が必要だった攻撃も、今ではツールやサービスを購入して実行できる。
サイバー犯罪そのものが、一つの産業になりつつあるのだ。
🔳 ロシアのハッカーはロシアを襲わない?
今回、最も興味深かったのがロシアだ。
ロシア語圏のランサムウェア組織には、ロシア国内や旧ソ連圏を攻撃対象から除外する例がある。
マルウェアの中には、感染したコンピューターの言語設定を確認し、特定の言語環境では動作しないものも存在する。
なぜそんなことをするのか。
考えられる理由は、国内の捜査当局との摩擦を避けるためだ。
国外の企業から金銭を奪っても、国内で摘発される危険が低ければ、犯罪者にとって活動しやすい環境になる。
もちろん、すべてのロシア人ハッカーがそうではないし、ロシアも国外からサイバー攻撃を受けている。
それでも、犯罪者が自国を攻撃しないことに合理性が生まれる構造は見逃せない。
🔳 中国は強力な防衛国家なのか?
中国は少し事情が異なる。
中国には巨大なインターネット利用人口とデジタル経済が存在する。
当然、攻撃対象となる企業や組織も多い。
一方で、国家によるネットワーク管理、通信規制、サイバーセキュリティ対策も強力だ。
ここで注意したいのは、攻撃件数が少なく見えることと、実際に攻撃が少ないことは同じではないという点だ。
各国で攻撃の観測方法も被害報告制度も異なる。
中国がどれほど攻撃されているかを、欧米や日本と単純比較するのは難しい。
つまり、中国が安全なのか、それとも被害の全体像が見えにくいのか。
この区別が重要になる。
🔳 北朝鮮は攻撃する側なのに、攻撃されない?
北朝鮮には、さらに特殊な事情がある。
一般国民が自由に利用できる国際インターネット環境が極めて限定されているのだ。
通常、サイバー攻撃には侵入対象となるネットワークやシステムが必要になる。
接続されているシステムが少なければ、外部から攻撃できる対象も限られる。
一方、北朝鮮に関連するとされる攻撃グループは、海外の金融機関や暗号資産関連事業者などを標的にしてきた。
つまり、国内のデジタル経済が限定的である一方、国外の豊かなデジタル資産を攻撃対象にできる。
ただし、北朝鮮もサイバー攻撃を受けないわけではない。
攻撃対象が少ないことと、防衛能力が高いことは別問題なのである。
🔳 サイバー攻撃には国家間の不公平がある
ここまで調べて、ある構造が見えてきた。
デジタル化が進んだ国ほど、攻撃される対象が増える。
金融、医療、物流、行政、製造業。
便利な社会を実現するために、あらゆるものをネットワークにつなぐ。
しかし、その便利さが新たな攻撃経路にもなる。
一方、犯罪組織が活動しやすい国では、国外を攻撃することで利益を得られる場合がある。
国家が直接指示する攻撃、国家が支援する攻撃、国家が黙認する犯罪、そして国家と無関係な犯罪。
これらは区別しなければならない。
だが、国境を越えるサイバー犯罪に対して、国内の法律と警察だけでは十分に対応できないという問題は共通している。
🔳 日本企業は何を準備すべきか
日本企業が考えるべきことは、攻撃者の国籍を推測することだけではない。
重要なのは、攻撃されることを前提とした経営への転換だ。
第一に、侵入を完全に防げるという発想を捨てること。
第二に、侵入された後の被害拡大を防ぎ、事業を復旧できる仕組みを整えること。
第三に、社員教育を単なる注意喚起で終わらせないこと。
例えば、怪しいメールを見分ける研修だけでなく、実際にシステムが停止した場合、誰が何を判断するのかを訓練する。
経営者、管理職、現場社員がそれぞれ自分で考え、判断できる組織をつくる。
これはサイバーセキュリティ対策であると同時に、自立型人財育成の課題でもある。
🔳 本当に怖いのは、攻撃する側が圧倒的に有利なこと
サイバー攻撃では、防御する側は多くのシステムを守り続けなければならない。
一方、攻撃する側は、一つの弱点を見つければ侵入できる可能性がある。
さらにAIが攻撃の調査や準備を高速化すれば、この非対称性は一層問題になる。
だからこそ、企業には個別のセキュリティ製品だけでなく、経営・技術・人財育成を一体化した防衛体制が必要になる。
そして国家には、サイバー犯罪者を国境の外に逃がさない国際協力が求められる。
サイバー攻撃が増えている本当の問題は、技術の進化だけではない。
犯罪者が国境を越えて活動できるのに、捜査や司法の権限は国境で分断されていることだ。
攻撃する国と攻撃される国。
その構造を理解しなければ、サイバー犯罪との戦いは終わらない。
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