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Photo byskyblue74

ドーンと響く、心に咲いた夏の花(#虹色創作部)

    虹くりっぷさんのテーマに応募します。お題は「夏休み」
    7/17まで募集しているそうです!!

    夏の夜、浴衣の袖をそっと手で押さえながら、自転車のペダルを踏み出す。

    家族みんなで並んで走る道は、昼間よりも少しだけ涼しくて、けれども額にはじっとりとした汗がにじむ。

    遠くから聞こえてくるお祭りのざわめきに、胸の奥がふわりと浮かぶような気持ちになる。

    自転車のライトが道端の草むらを照らして、虫の声がかすかに重なる。

    会場に近づくにつれて、人の声や笑い声が大きくなって、屋台の明かりがぽつぽつと並ぶ。

    焼きそばの香ばしい匂い、たこ焼きの湯気、ラムネの瓶の冷たさ。

    家族で並んで焼きそばを買い、熱々をほおばる。

    口の中が火傷しそうになって、みんなで顔を見合わせて笑う。

    その笑い声も、夏の夜の空気に溶けていく。

    やがて、空に最初の花火が上がる。

    「ドーン」という音が胸に響いて、思わず息を呑む。

    夜空に広がる大きな花。

    色とりどりの光が、私たちの顔や浴衣を明るく照らす。

    花火の音は体の奥まで響いて、夏が来たことを全身で感じる。

    その瞬間、家族みんなで顔を見合わせて、「きれいだね」と小さな声で言い合う。

    花火の光の中で、家族の笑顔がいっそうやさしく見える。

    また、別の年のことも思い出す。

    あの年は、家の近くの学校の校庭から、遠くの花火を見上げた。

    浴衣姿のまま、家族で歩いて校庭へ。

    夜風が少しだけ涼しくて、草の匂いがほんのり漂う。

    遠くで上がる花火は、ゆっくりと夜空に広がっていく。

    近くで見る迫力とは違うけれど、その分、静かで穏やかな時間が流れる。

    校庭のベンチに座って、家族で同じ空を見上げる。

    花火の音が少し遅れて届くのも、なんだか心地よい。

    浴衣の裾が風に揺れて、草の感触が素足に伝わる。

    誰も言葉を発さなくても、みんなが同じ気持ちでいることが、そっと伝わってくる。

    どちらの夜も、私の心のアルバムにそっと貼られている。

    花火の色も、焼きそばの味も、家族の笑顔も、夏の夜の空気も、全部が「夏休み」の宝物。

    あの時感じた胸の高鳴りや、夜空に咲く光の花、浴衣の手触り、家族と過ごした静かな時間。

    それらは今も、心の中で色鮮やかに、やさしく咲き続けている。


    最後までお読みいただきありがとうございました。

    #虹色創作部

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