あの頃、デカいことが正義だった。90年代「aiwaのCDチェンジャー付きコンポ」を振り返る
こんにちは。
普段は音楽そのものを取り上げていますが、今回は番外編です。
テーマは「音楽を聴く機械」。
特に1990年代、多くの若者の憧れだった「aiwaのCDチェンジャー付きコンポ」について語っていきたいと思います。
今ではスマホ1台で何千万曲も聴ける時代ですが、当時は違いました。
音楽好きにとって、コンポは単なる再生機器ではなく、自分の趣味や個性を表現するステータスだったのです。
デカいコンポこそ正義だった時代
1990年代。
CDが完全に主役となり、各メーカーが激しい競争を繰り広げていました。
SONY、Panasonic、KENWOOD、Victor、Pioneer、ONKYO。
そして忘れてはいけないのが「aiwa」です。
当時の家電量販店や街の電器店には、巨大なコンポがズラリと並んでいました。
今見ると驚くほど大きい。
左右のスピーカーだけで机が埋まり、本体は何段にも積み重なっています。
しかし当時は、
「大きい=音が良い」
「スピーカーがデカい=カッコいい」
という価値観がありました。
部屋に巨大コンポを置くこと自体がステータスだったのです。
aiwaが若者から支持された理由
aiwaはもともと1951年創業の音響メーカー。
その後SONYグループの一員となり、若者向けオーディオ市場で大きな存在感を放ちました。
SONY製品よりも比較的手頃な価格。
しかし機能は非常に充実。
学生でも頑張れば手が届く。
そんな絶妙なポジションが人気の理由でした。
90年代の中高生にとって、
「初めて自分のお金で買う本格オーディオ」
としてaiwaを選んだ人も多かったのではないでしょうか。
憧れだったCDチェンジャー
そして今回の主役。
CDチェンジャーです。
今の若い世代には信じられないかもしれません。
CDは1枚ずつ入れ替えるのが普通でした。
しかしチェンジャー搭載機は違います。
3枚。
5枚。
時には7枚。
複数のCDを同時にセットできたのです。
特に印象的だったのは、回転式の巨大なトレイ。
ウィーンと開き、
ガシャッ
ガシャッ
とCDが移動する。
それだけで未来の機械のように見えました。
音楽を聴く前からワクワクしていたのです。
CDチェンジャーは自分だけのフェスだった
例えば、
1枚目にMr.Children
2枚目にCURIO(キュリオ)
3枚目にスピッツ
4枚目にRAZZ MA TAZZ(ラズ マ タズ)
5枚目にLUNA SEA
をセットする。
すると何時間もCD交換なしで音楽が流れ続けます。
今でいうプレイリストに近い感覚です。
ただしこちらは物理メディア。
自分で考えてCDを並べる必要がありました。
だからこそ愛着もありました。
好きなアルバムを選び、
順番を考え、
友達が来たら自慢する。
CDチェンジャーは90年代版プレイリストだったのです。
光るイルミネーションと重低音
90年代コンポの魅力は音だけではありません。
見た目です。
派手なイルミネーション。
大型液晶。
スペクトラムアナライザー。
LEDが音に合わせて踊る演出。
夜になると部屋がライブ会場のようになりました。
さらに重低音ブースト機能。
「T-BASS」
「SUPER WOOFER」
「MEGA BASS」
メーカーごとに名前は違いますが、とにかく低音を強調したがりました。
実際の音質はともかく、
「ズンズン鳴る」
ことが重要だった時代です。
コンポが青春の中心にあった
今はイヤホンで一人で聴くことが多いですが、当時は違いました。
友達が家に集まる。
CDを持ち寄る。
お気に入りの曲を流す。
新譜を買ったら真っ先にコンポで再生する。
コンポは音楽コミュニケーションの中心でした。
「このアルバム知ってる?」
「この曲のギターかっこいいだろ?」
そんな会話が自然に生まれていました。
aiwaが残したもの
残念ながら90年代後半以降、MDプレーヤーや携帯音楽プレーヤーが普及し始めます。
そして2000年代にはiPodが登場。
音楽は大型コンポから携帯型へ。
さらにストリーミング時代へと移行していきました。
かつて若者の憧れだった巨大コンポも次第に姿を消していきます。
しかしaiwaのコンポを思い出すと、多くの人が音楽そのものだけでなく、
部屋の風景
友達との会話
CDショップでの買い物
新譜を開封する瞬間
そんな青春の記憶まで一緒に思い出すのではないでしょうか。
まとめ
90年代のaiwaのCDチェンジャー付きコンポは、単なる家電ではありませんでした。
それは音楽好きの夢であり、部屋の主役であり、青春そのものだったのです。
今のスマホの方が圧倒的に便利です。
しかし、CDを5枚並べて再生ボタンを押した時の高揚感。
トレイが回転するメカニカルな動き。
スピーカーから鳴る重低音。
あの体験は、90年代を生きた音楽ファンだけが知る特別な思い出なのかもしれません。
もし実家にaiwaのコンポが残っているなら、久しぶりに電源を入れてみてください。
きっと機械の向こう側から、90年代の空気が聴こえてくるはずです。
